名古屋市の税理士法人、相続税申告なら相続税のクロスティ「税理士ショートストーリー 遺産相続~生前対策の重要性~第3話(完)」ページ

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税理士ショートストーリー 遺産相続~生前対策の重要性~第3話(完)

遺産相続とは突然訪れるものです。終活という言葉が巷ではよく聞くようになったり、死についてや残された家族たちのことを考えて早い段階から生前対策をしている人も増えてきています。なかなか切り出しづらいことかもしれませんが生前に家族で話し合いをしたり、税理士などの専門家に早くから相談をしておくことをおすすめします。
この物語はごく平凡な毎日を送っていた橘家に突如訪れた遺産相続の話を、全3話で分かりやすく、長男の嫁目線のストーリー仕立てでご紹介していきます。

第1話では親が亡くなった直後から遺品整理についての流れを、第2話では遺産分割協議で言い争いが発生してしまった場合について、今回の第3話では専門家に相談し、相続税の申告を行うところや相続税計算にスポットを当てています。

第2話で、遺産分割で仲の良かった兄弟たちがそれぞれの主張をして争っていた橘家の前に、税理士の細江が登場し、遺言の在処が分かりました。果たして遺言には何が書かれているのか、また相続税はいくらになるのか、是非考えながら読んでみてください。

相続が大変なこと、特別なことだととらえず、必ずやって来るいつかの為にこの物語を参考にしていただけると嬉しいです。また困ったことがあれば私たち、相続税のクロスティは相続税の無料相談も行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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→ 第1話 伝馬の突然の死、その時橘家は…
→ 第2話 遺産を巡る言い争い、遺言書の行方は?

※この物語はフィクションです。登場する人物・名称等は名古屋の地名を使用しておりますが、実在の物とは関係ありません。


税理士の細江に連れられ公証役場に行き遺言書を受け取った私、橘(たちばな)葵(あおい)と夫の大地(だいち)は、遺言書の中身が気になりながらも足早に芳野(よしの)たちが待つ自宅に戻った。

芳野「おかえりなさい。遠くまでお疲れさま。」

芳野はほっとしたような安心した表情で出迎えてくれた。
だが芳野の後ろに座っていた向陽(こうよう)と泉(いずみ)は、遺言書の中身を早く見たくて仕方ないようで、私たちが外出していた間も家の中をうろうろしていたり、突然立ち上がって背伸びをしたりとずっとそわそわとしていたらしい。

向陽「早速、遺言の内容を見てみよう。」

向陽はそう言うと、足早に大地に駆け寄ってきた。どんな内容なのか早く確認したいと思っているのはみんな同じのようだ。

大地は封筒を開け、中身を取り出した。皆の目が遺言書に向く。誰かが生唾を飲み込むゴクリという音が聞こえた。

大地「遺言者 橘伝馬は以下の通り遺言する。
第1条 遺言者は、遺言者の有する次の不動産の全てを、遺言者の妻 橘芳野に相続させる。
第2条 遺言者は、遺言者の有する次の預貯金を、遺言者の妻 橘芳野に金1800万円、遺言者の長男 橘大地に金3600万円、遺言者の次男 橘向陽に金2000万円、遺言者の長女 橘泉に金600万円相続させる。
第3条 遺言者は、遺言者の有する次の美術品の全てを、遺言者の長女 橘泉に相続させる。
第4条 遺言者は、遺言者の有する次の宝飾品の全てを、遺言者の長女 橘泉に相続させる。
第5条 遺言者は、遺言者の有する次の有価証券の全てを、遺言者の次男 橘向陽に相続させる。
第6条 遺言者は、この遺言の執行人として、細江太郎を指名する。」

時計の秒針がチクタクとなる音が聞こえる。それくらい部屋が静まり返っていた。
誰が沈黙を破るのだろう…。そう思いみんなの顔を見回そうとした瞬間、泉が軽い口調で話し出した。

泉「これだけ?なんか遺言って思ってたのと違うわね。もっと手紙みたいなものかと思ってた。」

細江「遺書などと違って、遺言は決まった形式や文言で書かないとちゃんと遺言として認められず、効力を発揮しないんですよ。だからどの遺言も遺言書の全文、日付、氏名が記入してあり、押印がされているという形式で作成してあります。」

泉の言葉に細江は穏やかに笑っていた。

細江「遺言書とは別に、僕は伝馬さんから手紙を預かっています。この手紙は伝馬さんから、遺言書を開封する時に、家族に伝馬さんの気持ちを伝えてほしいと渡されたものです。」

鞄の中から封筒を取り出すと、細江はゆっくりと話し出した。まるでお義父さんが私たちに向かって話しかけているような穏和な口ぶりだった。

細江「僕が死んでどれくらい経っただろう。みんな元気にしているか?やっといろいろとひと段落した頃だろうか。細江さんにお願いしてこの手紙を託したが、いろいろ言いたいこともあるだろう。だけど少しだけ僕の気持ちを聞いてほしい。
芳野、僕は君の笑顔が大好きだから、君にはいつも笑っていてほしい。なるべく苦労をかけまいと、僕がやれることはいろいろやっておいたけど、ちゃんと出来ていただろうか。君のことだから毎日寂しくてひとり泣いているのではないか、そう思うと居ても立っても居られない気持ちだけど、もう君の隣にいてあげることは僕にはできないから、せめて僕たち家族の思い出がたくさん詰まったこの家は君に残しておきたい。」

芳野の頬にツーっと涙が零れ落ちた。泣いているのになぜだろう、とても愛おしそうに手紙を見つめていた。

細江「大地、お前はしっかり者で何事もあいまいになることを嫌う性格だ。きっと財産や今後のことで兄弟たちともめることがあるだろう。だが、頭を少し柔軟にして妻である葵さんに相談してみるといい。財産の中には美術品や株などいろいろなものがあるが、お前には美術品や株ではなく、自由に使い道を選択することができる現金を残そうと決めた。何にも縛られずいろいろな見方をもってこのお金を使ってほしいからだ。僕のように投資するもよし、美術品に使うも良し、お前にはたくさんの可能性をもって葵さんと幸せになってほしい。」

大地はお義父さんのしゃべっている姿が目に浮かんだようで、静かに天を仰いだ。

細江「向陽、お前は抜け目のない性格だ。きっと財産の話を一番にするのはお前だろう。」

向陽はぎくりとした顔をして口元に手を当てた。

細江「だが、財産の話をすることは間違っていない。とても大事なことだからだ。ただ今後は一人で突っ走ることなく、芳野や大地、泉の意見もちゃんと聞いてやってほしい。お前はちゃんと先のことを考えることができる男だ。敵ではなく、味方となってくれる人をたくさん作っていくといい。」

細江「泉、お前はいつもキラキラと輝いた目で僕のコレクションをのぞきに来ていたな。僕と趣味の話ができるのは泉ぐらいだった。僕の好みともよく似ていて、それがとてもうれしかったよ。だから僕のこの趣味は泉に引き継いでいってもらいたい。駄目だろうか?」

泉は首を勢いよくぶんぶんと横に振った。泉の目はお義父さんの言うよう、いつもキラキラと輝いているが、今ばかりは涙で濡れていた。

細江「最後に、葵さん」

葵「…え?」

一瞬タイミングが遅れて声が出た。まさか私にまで言葉を残してくれていたとは…。

細江「こんな僕たち家族の一員になってくれてありがとう。僕は葵さんと二人きりで話すということはあまりなかったけれど、葵さんが来てくれてから家族みんなの笑顔がさらに増えたように感じていました。僕はそれが本当に嬉しかったよ。もう僕はいないけれど、これからも芳野、大地、向陽、泉をよろしく頼みます。」

背筋がピンと伸びた。短い言葉だったが、気持ちが伝わってきた。お義父さんはこんな風に思ってくれていたのか…。そう思うと涙がぽろぽろと頬を伝った。

細江「僕の気持ちはみんなに伝わったかな。これからも生きていく上で何かしら問題や、家族で衝突してしまうことが出てくるだろう。そんなとき、少しでも僕の言葉や行動がみんなのためになってくれていたら嬉しく思う。みんながいてくれて、僕の人生はとても幸せだったよ。笑顔を絶やさず、今よりももっと幸せに暮らしていってくれることを願っています。以上です。」

細江は一人一人と目を合わせると、くいっと口角を上げた。財産の話をし始めた頃のようなどろどろとした雰囲気が嘘のようにみんなお義父さんが生きていた頃を懐かしむような、穏やかな表情をしていた。


遺言の注意点


遺言書は決まった形式のとおり書かなければ効力が発揮されず無効になってしまうので、作成の際には注意が必要です。また、今回の遺言では、遺産の分け方の内容が書かれた遺言書と、家族に宛てた手紙が別になっていましたが、遺言書と一緒に書くことも可能です。「付言事項」と言い、法的効力はありませんが家族へのメッセージや葬儀等の希望を書いておくことが出来ます。ただし、付言事項が多くなってしまう場合は遺言の趣旨があいまいになる可能性があるので簡潔にまとめ、たくさん書きたい場合には伝馬のように手紙にしたり、エンディングノートにまとめておくことをお勧めします。


大地「お前たちの意見も聞かず、無理に財産を分けようとして悪かった…」

大地は向陽と泉に向かってぼそりとつぶやいた。

泉「ううん。私も兄さんに強く言ってしまってごめんなさい。」

向陽「俺も、つい意地の悪い言い方をして悪かったよ。」

大地「財産は父さんの意思を尊重しよう。向陽の望んでいた株は向陽の元に、泉の望んでいた美術品は泉の元に行くしな。」

向陽「でもそしたら兄さんの考えとは違うんじゃ…」

大地「いいんだ。父さんは俺に期待してくれているようだからな。葵と共にいい方向に向かえるように、考えて使っていくよ。」

久しぶりだった。家族が争いの目を見せることなく穏やかに話し合いが出来ているのは。
私はぽかぽかと暖かい気持ちになった。そんな気持ちになっているのは私だけじゃなかったようで、芳野も涙を拭きながら大地たちをじっと見つめていた。

細江「では、伝馬さんの遺言通り、相続を進めていきますが宜しいでしょうか?」

芳野「はい。宜しくお願いします。」

芳野は細江に向かって深々と頭を下げた。

細江「では、ここからは少し現実的な話をさせていただきますね。伝馬さんの遺産には相続税がかかってきます。皆さんは受け取った財産の中から相続税を納税していただくことになります。」

細江の目は穏やかな雰囲気から真剣な雰囲気にがらりと変わった。

細江「伝馬さんの財産は全部で2億5.300万円で、葬式費用が100万円です。伝馬さんの遺言通りに進めると、芳野さんが1億2,600万円、大地さん、向陽さん、泉さんがそれぞれ4,200万円相続することになります。」

葵「ではその金額から相続税が決まるんですね。」

細江「いえ、それは違います。この財産額からさらに控除額を引く必要があります。そして残った金額から相続税を割り出します。」


相続税の計算


相続税を計算する時に遺産総額から控除などを差し引いて計算を行います。
控除にはいくつか種類があり、まず必ず「基礎控除」というものが引かれます。

基礎控除 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

この基礎控除の金額よりも遺産総額が上回った時、相続税の申告が必要となります。

次に「債務控除」というものが引かれます。
債務控除とは借入金や葬式費用、未払い医療費などです。

他にも
① 贈与税額控除
亡くなる前3年間の贈与について贈与税を支払った場合に、その前払いした贈与税を相続税から控除できる。

② 配偶者控除
配偶者の法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額までにかかる相続税を控除する。

③ 未成年者控除
相続人の中に未成年がいる場合、その未成年の相続税額から一定の金額を控除できる。

④ 障害者控除
相続人の中に障害者がいる場合、その障害者の相続税額から一定の金額を控除できる。

⑤ 相次相続控除
今回の相続の前10年間で、今回亡くなった人が相続税を支払っていた場合、一定の税額控除が出来る。

⑥ 外国税額控除
亡くなった人の財産が外国にあって、その財産に外国で相続税がかかった場合、一定の金額を控除できる。

があり、から順番に引いていきます。控除していく途中で金額がゼロになった場合、それ以上マイナスになるということはありません。

また、要件を満たすと相続税の減額に繋がる特例があります。相続税における特例で重要なのが「小規模宅地等の特例」です。一定の要件を満たすことで、該当の土地の評価額を最大80%減額することができます。また生命保険も非課税枠があり、法定相続人×500万円は非課税となります。

今回の橘家の場合、
遺産総額2億5,300万円

基礎控除が
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人4人)= 5,400万円

債務控除が
葬式費用 100万円

生命保険の非課税枠が
法定相続人4人 × 500万円 = 2,000万円

小規模宅地等の特例 9,000万円 × 80% = 7,200万円

全てを引くと、
2億5,300万円 - 5,400万円 - 100万円 - 2,000万円 - 7,200万円 = 1億600万円

この金額を基準に各相続人の相続税を算出します。

詳しくは
→ 相続税の基礎控除 ~正しい知識で賢く節税対策~
→ 相続税の計算について
→ 相続が10年以内に2度あると相続税が安くなる!?相次相続控除について
→ 小規模宅地の特例とは
をご覧ください。


芳野「では我が家は1億600万円分の財産に相続税がかかるということなのね。」

向陽「だいぶ安くなったな。」

細江「そうですね。そしてここから皆さんそれぞれの相続税を割り出します。金額によって税率と税率適用後に差し引く控除額が決まっているので、それを踏まえて相続税を割り出すと、こうなります。」

細江は電卓を取り出すとカタカタと叩き始めた。
全員の計算が終わると私たちにもわかりやすいよう紙に簡単に書いてくれた。


相続税の税率


相続税に適用される税率は法定相続分に応じて決められます。

橘家の場合だと、
1億600万円の1/2を芳野、残りの1/2を大地、向陽、泉で分けるので

芳野 →  5,300万円  税率30% 控除額700万円  相続税890万円
大地 → 1,766.6万円  税率15% 控除額50万円  相続税214万9,900円
向陽 → 1,766.6万円  税率15% 控除額50万円  相続税214万9,900円
泉  → 1,766.6万円  税率15% 控除額50万円  相続税214万9,900円
※金額に応じた税率は国税庁HP 相続税の税率(外部リンク)で確認できます。

となり、合計は1,534万9,700円です。

芳野には配偶者控除が適用でき、納める相続税は0円となりますので、支払う相続税は

大地 → 214万9,900円
向陽 → 214万9,900円
泉  → 214万9,900円

です。


全員が細江の書いた紙に目を通すと、大地は納得したようにうなずいた。

大地「わかりました。では僕たちは214万9,900円ずつそれぞれが支払うということですね。」

細江「そうです。伝馬さんの遺産の中に生命保険金があったと思います。その生命保険金で支払うことが出来ますよ。」

生命保険金の受け取りが兄弟3人になっていたのはその為だったのか。本当にお義父さんはできる限り遺された家族が困ることが無いように対策してくれていたんだな。もしお義父さんが何も対策をとってくれていなかったらどうなっていたのだろうか…そう考えると頭が痛くなりそうな気がしたのでやめておこう。

細江「では次に相続税の申告に必要な書類を集めていきます。申告書の作成や申告自体は私にお任せいただければと思います。皆さんには必要な書類を提出していただきたいのですが…。」

葵「どのような書類が必要なんですか?」

細江「まずは伝馬さんに関する書類なのですが、戸籍謄本、住民票の除票、戸籍の附票、経歴書をご用意ください。皆さんの戸籍謄本、住民票、印鑑証明もお願いします。印鑑証明は税務署に提出する用と名義変更用に2通要りますので宜しくお願いします。これらの書類は全部役所でもらえます。」

葵「わかりました。」

細江「次に財産について必要な書類をいくつかご用意していただきます。預貯金の通帳、残高証明書、有価証券、配当通知書、生命保険に関する書類、宝石や絵画などのリストですね…。土地に関する書類は私が集めます。」

けっこうたくさんの書類を集めないといけないんだな…と私は感じた。確かにこれを全部自分で調べて集めて、申告書を作成するなんて素人には到底できない気がした。

細江「書類集めに少し時間がかかると思いますので、今お伝えした書類が集まり次第お電話をください。他にもわからないことや困ったことがありましたら、いつでも仰ってくださいね。私はその間に申告書を作成する準備を進めます。」

私たちは細江にお礼を言うと、また後日、書類をもってこの家に集まる約束をした。


相続税申告必要書類リスト


相続税申告には様々な書類が必要になってきます。相続税のクロスティでは必要書類を分かりやすくリストにしております。

→ 相続税申告のための必要書類一覧表


私たちが細江に電話をしたのは話し合いから2ヶ月が経過した時だった。

芳野「ご連絡が遅くなってしまって申し訳ありません。やっと必要書類が全部集まりました。」

細江「お仕事しながら書類を集めるのは意外と大変ですよね…。早めにご相談いただけていたので、申告期限にはまだ時間がありますから大丈夫ですよ。」

細江は嫌な顔一つせずにこにこと笑いながらそう言った。この顔を見るととても安心することが出来た。

大地「これが書類です。宜しくお願いします。」

細江「ありがとうございます。」

葵「その後の流れはどういった感じで進んでいくのでしょうか?」

細江は書類を鞄にしまうと資料を取り出した。
パラパラとページをめくり、私たちに見せてくれた。

細江「前回の話から財産目録と遺産分割協議書の原案を作成してきましたので、まずはこちらを皆さんにご確認していただきます。その後、今日お預かりした書類を基に相続税の申告書を作成し、作成が終わりましたらまた皆さんにご連絡をします。そして納付書をお渡ししますので大地さん、向陽さん、泉さんは税金をお支払い頂ければ大丈夫ですよ。」

私はやっと終わりが見えてきた安心感でふーっとため息をひとつついた。


相続税申告の流れ


相続税の申告は以下のような流れで行います。

死亡

遺言者の有無

相続人の特定

相続人の承認

準確定申告(必要な方のみ)

財産の評価

遺産分割協議書

相続税申告・納付

財産の名義変更

橘家は細江に依頼をし、相続税の申告を行いました。相続税の申告書を自分で作成するのはハードルが高く、手間もかかります。税務署に申告する際には様々な書類や添付資料も必要となります。また、申告ミスやもれなどがあると税務署による指摘が入ってしまうという可能性もあるので、相続税専門の税理士に依頼することをお勧めします。


しばらくすると私たちの元には相続税を納める納付書が届いた。相続について何も知らなかった私たちだけど、大変だと思っていた相続が何とかいい方向にまとまることが出来た。後日調べてみると、細江さんは名古屋で有名な相続に強い税理士だったようで、お義母さんの知り合いも細江さんにお願いしていたそうだ。とても分かりやすい説明とアドバイスで、スピーディーに対応してくださって、本当に助かった。

大地「これを納めれば終わるな。」

葵「そうね。お義父さんが亡くなってこの短い間に沢山の初めてを経験したわね。」

振り返ってみれば、あっという間だった。お義父さんが亡くなってまだ半年ほどしかたっていないのに、いろいろな出来事が起こった。初めての葬儀、遺言が無くて家中探し回ったこと、遺産の分割で言い合いになったこと、たまたま見つけた細江さんの名刺。あれがなければ相続税の申告をするのに、もっと時間がかかっていたのではないだろうか。そこからはお義父さんと細江さんが生前に話し合いをして相続対策をしてくれていたおかげで、相続手続きで困ることはなかったし、お義父さんの気持ちも知ることが出来た。私の中ではお義父さんからの手紙が、バラバラになりかけていた家族を1つにまとめてくれたし、生前に出来るであろう準備を最大限行ってくれていたからこそ、スムーズに相続をすることが出来たと思う。

葵「お義父さんと細江さんに感謝しなくちゃね。」

大地「そうだな。おかげで大きなトラブルが起こることもなかったな。」

葵「私たちも生きているうちに話し合って決めていかないといけないわね。」

私は大地と顔を見合わせて笑った。

(完)


いかがだったでしょうか。

橘家は無事に遺産の分割をし、税理士の細江の力を借りて相続税の申告、そして納税を行うことが出来ました。実は年々相続のことでトラブルが起きるケースは増えてきています。「うちは家族みんな仲がいいから争うことなんてない」、「遺産分割で言い争うほど財産が多くないから大丈夫」、そんなことはありません。橘家も仲が良く、喧嘩もしない家族でしたがひょんなことから言い争いは生まれてしまうものです。なので家族が困らないよう事前に準備をしておくことはとても大切です。

遺言を書くこと、残された家族の納税資金の事や、どのように相続を進めていけばいいかなど、早いうちからご相談することをお勧めします。相続は誰にでも必ず訪れます。橘家のように最後は笑顔で相続を終わることが出来ますよう、少しでもこの物語がお役に立てたら嬉しく思います。

最後に

相続税の申告手続きは、相続税のクロスティにお任せください

私たち、相続税のクロスティは、税理士法人の相続税を専門とする事業部から発足し、母体である名古屋総合税理士法人は創業以来50年以上、愛知県名古屋市にて東海エリアを中心に相続税専門の税理士として、皆さまの相続手続きをお手伝いしてまいりました。

相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携し、お客様におすすめの制度と対策をご提案させていただいております。私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。「相続の仕組みを知りたい」「相続税申告が必要かわからない」「まずは見積りだけほしい」など、まずはどんなことでもお気軽にご相談ください。ぜひ、お会いできる日を楽しみにしております。

初回の無料相談は「ご来社による相談」「オンラインツールを使った相談」が可能です。名古屋に限らず日本全国の相続のご相談に対応いたします。
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(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)





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