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相続税の計算について

目次
はじめに
相続税の計算方法
相続税の軽減制度
相続税の申告期限
まとめ

はじめに

相続税を正確に計算するには専門的な知識が必要になりますが、相続税の計算でポイントになる点を理解しておくだけで概算額の計算や節税対策の検討ができるようになります。

相続税が課税される基準にとなる基礎控除や配偶者のための特別な措置、土地などの個別の財産に適用される軽減制度は是非とも理解しておきたい制度です。知って得する相続税の仕組みをうまく活用して、税金を少しでも抑えてより多くの財産を残せるようになりましょう。

相続税の計算方法

相続税の税額は次の順序で計算していきます。

1. 財産から債務を引いて「正味遺産額」を計算する
2. 「正味遺産額」から「基礎控除額」を引いて「課税遺産総額」を計算する
3. 「課税遺産総額」を法定相続分で分割して税率を適用し、「相続税の総額」を計算する
4. 各相続人が相続した財産の割合に応じて「相続税の総額」を按分し、税額控除などを考慮した上で各個人の相続税額を計算する

ポイントになるのは2点で、相続税の計算のもとになる遺産額が「正味遺産額」である点と、遺産額自体に税率を掛けるのではなく「基礎控除額」を差し引く点です。

正味遺産額とは

相続税の課税対象になる遺産は預貯金や土地などのプラスの財産だけではありません。借金などのマイナスの財産も相続の対象となります。相続税の課税対象になる「正味遺産額」にはそれらも含めた金額で、具体的には以下のものを含めて計算します。

【正味遺産額として加える金額】
• 故人が亡くなった時点で所有していた財産(本来の相続財産)の価格
• 生命保険金などの「みなし相続財産」の価格
• 相続開始前3年以内に相続人に贈与した財産の価格
• 相続時精算課税を選択している場合は相続時精算贈与財産の価格

【正味遺産額から差し引く金額】
• 借金などの債務および葬式費用

生命保険金などは実質的に遺産と性質が同じであるため「みなし相続財産」として課税対象になります。また亡くなる直前に財産を贈与することで相続税を回避できては課税の公平性が失われるので、3年以内の贈与財産も相続税の課税対象です。

たとえば故人が遺産として現金1,000万円を残して亡くなり、3年以内の相続人への贈与額が500万円、借金が▲100万円あった場合には、正味遺産額は1,400万円(1,000万円 + 500万円 – 100万円)となります。

なお墓地など相続税を課税すべきではない一部の財産については非課税財産として扱われるので相続税の計算には含めません。

相続税の基礎控除とは

税率を掛け合わせる前に正味遺産額から差し引く金額が基礎控除額です。相続税が非課税になる基準であり、正味遺産額が基礎控除額以下であれば相続税の申告義務がありません。相続税の基礎控除額は次のように計算します。

• 基礎控除額 = 3,000万円 +( 600万円 × 法定相続人の数 )

「法定相続人」とは遺産を相続する権利を持つ人として法律で定められた一定の親族で、配偶者・子・親・兄弟姉妹が該当します。たとえば夫が亡くなり妻と子2人の計3人が相続人のケースでは基礎控除額は4,800万円(3,000万円 + 600万円 × 3人)です。

相続が開始したときの状況によって誰が相続人になるのかは異なるので「法定相続人の数」の数え方には注意が必要ですが、法定相続人の数が多ければ非課税枠も大きくなります。

相続税の計算例

たとえば次のような状況で相続が開始したケースを考えてみます。

• 親が亡くなり相続人は子1人
• 遺産は現金と預金あわせて6,000万円

このケースにおける基礎控除額は3,600万円(3,000万円 + 600万円 × 1人)で、相続税の税額は次のとおりです。

1. 正味遺産額 = 6,000万円
2. 課税遺産総額 = 正味遺産額6,000万円 – 基礎控除額3,600万円 = 2,400万円
3. 相続税の金額 = 課税遺産額2,400万円 × 税率15% – 控除額50万円 = 310万円

相続人が複数いる場合は課税遺産総額を法定相続分に応じて按分しますが、相続人が1人のケースでは課税遺産総額がそのまま相続分になるので上記のような計算となります。

なお相続税の計算で適用される税率は法定相続分に応じて按分した金額で決まり、上記のケースのように1,000万円超~3,000万円以下の場合の税率は15%、税率適用後に差し引く控除額は50万円です。金額に応じた税率は国税庁HPで確認ができます。

相続税の軽減制度

相続が開始したときの状況によっては他のケースと同じルールで相続税を課すべきではない場合があります。個別の事情を考慮して一定の配慮を行う制度が相続税の軽減制度です。

「相続する財産の種類に応じて適用される制度」と「遺産を相続する人に応じて適用される制度」の2種類の軽減制度があります。

遺産の評価額が軽減される制度

正味遺産額を計算する際には個々の財産の金額を合計するのが原則です。ただし財産の種類によっては評価額を減額した上で正味遺産額に加えるものがあります。その中でも特に節税効果が大きくて相続税の計算でポイントになるのが「土地」と「生命保険金」です。

亡くなった方が住んでいた土地、事業を行っていた土地、貸していた土地や死亡保険金には、遺族の今後の生活を考慮して減額特例制度が設けられています。

小規模宅地等の特例制度

故人が居住していた土地を配偶者や同居していた親族が相続した場合、一定の条件を満たすと土地の評価額を80%減額してから正味遺産額に算入します。また事業用の土地を相続した場合も土地の評価額が50%または80%減額される場合があり、節税効果が非常に大きい制度です。

これは「小規模宅地等の特例制度」と呼ばれる制度で、詳しい内容は国税庁HPに掲載されています。相続する人や土地に関する要件が詳細に決まっているので注意が必要ですが、要件を満たすように生前に対策をすれば大きな節税効果を発揮できるおすすめの制度です。

死亡保険金・死亡退職金の非課税制度

相続人が死亡保険金や死亡退職金を受け取った場合、次の金額までは非課税になって相続税はかかりません。相続税が軽減されるのでより多くの金額が手元に残ることになります。

• 非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

この非課税制度はあくまで相続人のための制度であり、相続人以外の人が死亡保険金・死亡退職金を受け取ると適用されません。また複数の相続人が死亡保険金や死亡退職金を受け取った場合には受取金額に応じて非課税枠を按分することになります。また、この非課税枠は死亡保険金、死亡退職金それぞれに設けられています。

配偶者・未成年者・障害者のための軽減制度

故人の資産の形成に貢献した配偶者には遺産を受け取る権利が当然ありますし、未成年者や障害者など社会的配慮が必要な人には相続税を多く課すべきではありません。

そこで「配偶者の税額の軽減」「未成年者の税額控除」「障害者の税額控除」という軽減制度が設けられています。

配偶者の税額の軽減

被相続人の配偶者が取得した正味遺産額に対しては、「1億6千万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のどちらか大きい金額までは相続税がかかりません。

財産を相続する権利として法律で定められた割合である「法定相続分」は誰が相続人なのかで変わりますが、少なくとも1億6千万円までは相続税はかからないということです。

なおこの「配偶者の税額の軽減制度」を適用した結果として相続税がゼロになる場合でも相続税の申告手続きは必要になります。正味遺産額が基礎控除額以下の場合のように申告義務が生じないわけではありません。相続税の申告手続きは忘れずに行うようにして下さい。また、申告時点で遺産分割が決まっていないと「配偶者の税額の軽減制度」は適用できませんので注意が必要です。

未成年者の税額控除・障害者の税額控除

税額から控除できる金額は、未成年者では満20歳になるまでの年数1年につき10万円、障害者では満85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者は20万円)です。

また控除額が大きくて未成年者や障害者の税額から引き切れない場合には扶養義務者の税額から控除することができます。未成年者や障害者の生活を支えている人も含めて税額が軽減され、より多くの遺産を受け取って生活費などに充てることができる制度です。

相続税の申告期限

正味遺産額が基礎控除額以下であれば相続税の申告義務は生じませんが、逆に相続税の申告義務がある場合には申告期限までに手続きを行わなければいけません。

申告義務があるにも関わらず期限までに申告をしていないと、無申告加算税や延滞税などのペナルティーが科されてしまいます。受け取る財産がペナルティーの分だけ減ってしまっては元も子もありません。相続が開始したときには期限を超えないように早め早めの対応を心掛けるようにしましょう。

申告期限は10ヶ月

相続税の申告は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」に行う必要があります。相続では遺言書の検認や遺産分割協議など1つ1つの手続きに時間がかかることも多く、10ヶ月という期限はあっという間に迎えてしまうので注意が必要です。

なお申告期限の基準になるのは「知った日」なので必ずしも故人の死亡日とは限りません。遠方に住んでいて亡くなったことを後になってから知るようなケースでは、10ヶ月の基準は死亡日ではなくあくまで知った日の翌日となります。

また遺産分割協議が難航して相続する財産が申告期限までに確定しないケースもあるはずです。その場合は一旦税務申告をして「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することにより、遺産分割が確定した段階で改めて相続税の還付手続きを行うことになります。遺産分割が決まらない場合は、法定相続分で遺産分割したと仮定して申告することになります。この場合、「小規模宅地の特例」や「配偶者の税額の軽減」などの特例が適用できませんので、一旦税額総を多く納付することになります。

まとめ

遺産の総額が基礎控除額以下であれば相続税の申告義務がありません。相続税の計算で有利になる土地や生命保険金に資産をあらかじめ組み替えておけば大きな節税効果を得られます。

同じ財産を相続する場合でも誰が相続するかで税額が変わることがあるので、相続税の軽減制度の対象になる人に財産を相続させるのも節税対策の1つです。ただし、配偶者に相続が発生した場合(二次相続の場合)の税額を検討しないと二次相続で思わぬ額の税金が発生することがあるので、目先の納税額だけにとらわれず、計画的な遺産分割を行うことがポイントです。

最後に

相続税の申告手続きは、相続税のクロスティにお任せください

私たち、相続税のクロスティは、税理士法人の相続税を専門とする事業部から発足し、母体である名古屋総合税理士法人は創業以来50年以上、愛知県名古屋市にて東海エリアを中心に相続税専門の税理士として、皆さまの相続手続きをお手伝いしてまいりました。

相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携し、お客様におすすめの制度と対策をご提案させていただいております。私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。「相続の仕組みを知りたい」「相続税申告が必要かわからない」「まずは見積りだけほしい」など、まずはどんなことでもお気軽にご相談ください。ぜひ、お会いできる日を楽しみにしております。

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