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令和6年改正 相続登記義務化|制度内容や相続への影響を解説

民法および不動産登記法の改正により、不動産を相続した場合の相続登記が義務化されました。義務化にともない「手続きを怠るとどうなるのか」と疑問や心配を抱いている方も多いでしょう。特に、初めての相続手続きであれば、複雑な法律用語や手続きの流れに戸惑うケースも少なくありません。本記事では、相続登記義務化の背景や具体的な制度内容についてわかりやすく解説します。相続や相続税にどのような影響を与えるのかについてもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次
令和6年改正、相続登記の義務化
名古屋で相続登記、義務化における5つのポイント
相続登記が相続税申告に与える3つのリスク
相続登記を専門家に依頼したい方は
まとめ

令和6年改正、相続登記の義務化

所有者が亡くなったり、不動産が売買されたりして所有者が変わると、登記簿の所有者情報を変更する必要があります。これまでは相続登記の申請は相続人の判断に委ねられていましたが、2024年(令和6年)4月1日からは相続登記が義務となります。

そもそも相続登記とは

相続登記とは、土地や建物、マンションなどの所有者が亡くなった場合に、不動産の名義を相続人に変更する手続きを指します。例えば、親が亡くなった後に、所有していた土地や家を子が引き継ぐ場合に必要です。相続登記を通じて、不動産を相続した人が遺産の一部として法的に所有権を確定できます。

義務化された背景

近年、所有者が特定できない空き家や空き地が増加し、以下の社会問題となっています。

公共事業の遅延
不動産取引の妨げ
ゴミの不法投棄
治安の悪化
災害復興の妨げ など

実際、全国で所有者不明の土地が九州本島と同じくらいの広さに相当する割合を占めていると言われています。今後も高齢化が進み、死亡者数の増加により、ますます深刻化していくと予想されます。相続登記を義務付けることで、所有者の不明確な土地や財産に関する問題が減少し、社会全体の安定に貢献すると期待されています。

名古屋市の所在者不明土地の割合

国土交通省が公表したデータによると、全国で所在者不明土地の割合は約20.1%です。名古屋法務局では、表題部所有者不明土地の登記および管理の適正化に関する法律に基づいて、所有者の特定作業を行っています。この法律では、仮に、探索をしても所有者を特定できなかった場合、裁判所が選任した管理者による管理が可能となる制度も導入されています。なお、令和元年時点で、愛知県の地籍調査の進捗率は平均で約16.5%です。しかし、全国平均が約52%となるなか、特に進捗率が低い傾向にあります。

なお、相続登記だけでなく、令和5年には生前贈与に関する制度改正も行われました。税制改正によって、生前贈与がどのように変わったのかを詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】2023年度税制改正によって贈与はどう変わるの?

参考:中部地区所有者不明土地等に関する連携協議会|地籍調査と所有者不明土地について(外部リンク)

名古屋で相続登記、義務化における5つのポイント

不動産を相続した際は、以下の5つのポイントに注意しましょう。

3年以内に相続登記をする
期限内が難しいなら相続人申告登記を選択する
遺贈登記が単独でできる
遺産分割協議が実質10年になる
3年以内に登記しないとペナルティが課せられる

それぞれを詳しく見ていきましょう。

3年以内に相続登記をする

相続登記の義務は、不動産を相続したことを「知った日」から3年以内です。一方、相続手続きの多くは被相続人が亡くなったことを知った日を起算日としています。例えば、以下の相続手続きは、被相続人が亡くなったことを知った日が起算点です。

相続税申告
遺留分侵害額請求
相続放棄 など

起算点を混同しないように注意しましょう。なお、以前は市区町村役場での固定資産税課税明細でしか不動産一覧を取得できませんでした。令和8年4月より、相続人は、不動産の有無や所在を所有不動産記録証明書により確認できる予定です。ただし、登記情報に記載されている住所や名前が最新でないと、正確な情報を得るのが困難です。そのため、しばらくの間は従来の方法と併用して、所有不動産記録証明書を参考にするのが良いでしょう。

期限内が難しいなら相続人申告登記を選択する

相続人申告登記は、相続人の調査に時間がかかる場合や、相続人間での話し合いがまとまらない場合に有用です。相続人申告登記では、以下の情報を登記官に申告することで、相続登記義務を一時的に果たしたとみなされます。

登記簿上の所有者に相続が発生したこと
自分がその相続人であること

ただし、相続人申告登記は、相続人が正式な相続登記を行うまでの救済措置です。相続人間での話し合いがまとまった後には、3年以内に正式な相続登記を申請する必要があります。

遺贈登記が単独でできる

父親が亡くなり、遺言書で自宅を長男に遺贈すると書かれていた場合、これまでは遺言執行者と不動産を受け取る人(受遺者)が一緒に相続登記を申請する必要がありました。しかし、令和5年4月1日より、受遺者が相続人である場合には、単独で相続登記を申請できるようになりました。ただし、父親が自宅を孫や友人など法定相続人以外に遺贈する場合は、今までと同様、遺言執行者や相続人全員と一緒に所有者移転登記をする必要があります。

具体的相続分の主張が実質10年になる

遺産分割協議自体は、期限が設定されていませんが、長引くと権利の複雑化を招く可能性があります。例えば、相続から長い時間が経つと、特別受益や寄与分を証明する事実関係を把握するのが難しくなり、スムーズな遺産分割が困難になる恐れがあるのです。そのため、相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分を主張できないよう定められました。ただし、相続税の申告期限は相続があったことを知った日から10ヶ月以内とされています。期限内に申告を行えば、配偶者控除や小規模宅地の特例などの税控除や減額制度を適用できます。適切な手続きを行い、遺産分割を円滑に進めましょう。

寄与分の請求方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひ参考にしてください。
【関連記事】相続の寄与分とは?時効や相場、請求方法をわかりやすく解説

3年以内に登記しないとペナルティが課せられる

相続登記を促し、所有者を早期に確定するため、以下の正当な理由なく手続きを怠ると、10万円以下の過料が科せられます。

相続関係が複雑
相続人間の争い
相続人が病を患っている
生活に困窮しており登記申請費用を負担できない など

ただし、一定期間が経過しただけで過料が科されると、相続人にとって大きな負担となります。そのため、まず法務局から相続人に対して登記申請を促す通知が送られ、応じない場合に過料に科する旨の裁判が行われます。なお、正当な理由が認められる場合、ペナルティは免れますが、登記申請の義務自体が免除されるわけではありません。

相続税のペナルティについて詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。
【関連記事】相続税の無申告はバレる?時効や罰則・少額でもバレる理由を解説

相続登記が相続税申告に与える3つのリスク

相続登記がなされていないと、相続税申告をする上で以下の要素に影響を与えます。

名義変更が複雑化する
共有持ち分が差し押さえになる可能性がある
正確な相続税申告ができない

それぞれを詳しく見ていきましょう。

相続税について振り返りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】相続税はいくらから申告する?無税となる金額は?

権利関係が複雑化する

相続人が複数いる場合、亡くなった方の財産を誰が取得するかは、基本的に相続人同士で話し合って決めます。しかし、相続手続きを放置していると、次の世代にまで相続が繰り返され、関与すべき人が増えてしまいます。特に、相続人が孫や甥・姪になると、相続人同士が連絡先すら知らないケースも増え、相続手続きを進めるのが困難になってしまうでしょう。相続登記によって、相続人や相続財産が登記簿に記録され、誰が相続人であり、どのような財産が相続されたのかが明確になります。これによって、将来の相続トラブルを未然に防げるでしょう。

共有持ち分が差し押さえになる可能性がある

遺産分割協議が成立すると、相続の開始時にさかのぼって効果が生じます。同時に、法定相続人の債権者は、被相続人名義の不動産について、相続人の法定相続分を差し押さえる権利があるのです。現行法下では、遺産分割協議で不動産の所有者が決定していても、相続登記を済ませていなければ法定相続分の割合で共有した状態になってしまいます。また、相続人自身もその持分を売買や担保として提供できます。そのため、相続登記を放置している間に、相続人とは関係のない人が権利を取得するケースもあり得るのです。なお、権利取得と差押えの優先順位は、登記の先後によって決まります。不動産を相続したら、早めに相続登記手続きを進めましょう。

正確な相続税申告ができない

相続財産の価値を正確に評価するためには、相続登記が欠かせません。なぜなら、相続登記を行っていないと、不動産の所有権がはっきりしないからです。その結果、所有している不動産を正確に把握できず、相続税の正確な申告や納付が難しくなります。例えば、父親の名義で登記された不動産があることに気づかずにいたとしましょう。未登記の不動産があると、相続税の計算が狂ってしまい、申告漏れのリスクも高まります。さらに、遺産分割が決まらないままだと、小規模宅地の特例等活用できる控除が受けられず、相続税額が高額になってしまうケースも考えられるでしょう。なお、相続登記をしなくても、相続人には不動産の適切な管理義務があります。放置すると、老朽化や草木の繁茂による近隣住民への迷惑や損害が発生し、損害賠償請求のリスクがあります。また、固定資産税の支払いも必要です。相続税のペナルティ同様、未払いのまま放置すると、延滞税が加算されるため注意しましょう。

未分割で相続税申告するリスクについては、以下の相続コラムをご確認ください。
【関連記事】未分割の状態で相続税申告をするリスクと対処策

相続登記を専門家に依頼したい方は

相続登記が義務化されると、今まで放置していた代償が自分だけでなく、子や孫の代にまで影響を及ぼすことにもなりかねません。相続登記は個人で行えば、費用を抑えられますが、手続きには手間がかかり、何度か役所や法務局に行く必要があります。もし自分で相続登記を行うのが難しい場合は、専門家に依頼するのが良いでしょう。なお、不動産を相続し、相続税の申告が必要かどうか迷ったときは、ぜひ相続税のクロスティへご相談ください。相続税の相談・申告は税理士の独占業務です。相続税のクロスティでは、在籍する司法書士をはじめ、さまざまな専門家と連携して、一人ひとりに適したスムーズな相続手続きをサポートします。

専門家の選び方について詳しく知りたい方は、以下の相続コラムを参考にしてください。
【関連記事】相続税は税理士に相談すべき?司法書士・弁護士などの特徴を解説

まとめ

相続登記を行うことは、不動産について自分の権利を守るというだけでなく、所有者不明土地の増加を防ぐという公益的な意味もあります。2024年4月1日より義務化が始まり、相続登記を行わずに放置するリスクや不利益がさらに大きくなるでしょう。なお、相続登記には「3年」という期限があります。期限が迫ってから慌てて対応するのではなく、早めに相続登記を行うことで、不動産の権利関係を明確にし、後々のトラブルを未然に防げるでしょう。

最後に

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私たち、相続税のクロスティは、税理士法人の相続税を専門とする事業部から発足し、母体である名古屋総合税理士法人は創業以来50年以上、愛知県名古屋市にて東海エリアを中心に相続税専門の税理士として、皆さまの相続手続きをお手伝いしてまいりました。

相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携し、お客様におすすめの制度と対策をご提案させていただいております。私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。「相続の仕組みを知りたい」「相続税申告が必要かわからない」「まずは見積りだけほしい」など、まずはどんなことでもお気軽にご相談ください。ぜひ、お会いできる日を楽しみにしております。

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