名古屋市の税理士法人、相続税申告なら相続税のクロスティ「未分割の状態で相続税申告をするリスクと対処策」ページ

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2022.09.02
相続マメ知識

未分割の状態で相続税申告をするリスクと対処策

今回の内容はvol.310「未分割の状態で相続税申告をするリスクと対処策」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


遺産分割協議がまとまっていない状態のことを「未分割」といいます。相続税は、亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告と納税をしなくてはいけません。相続財産の分け方が決まっていないという理由では、相続税の申告期限を延長することはできませんので、未分割の状態であっても相続税の申告と納税は行う必要があります。相続に強い税理士が、相続税の申告期限までに分割ができず、未分割で相続税申告をするリスクと対処策を解説します!

未分割のまま申告をするリスク

本来であれば、相続税の申告期限までに遺産分割協議を行い、相続人がそれぞれ相続税を納税します。遺産分割協議が成立せず、未分割の場合には、だれがどの財産を相続するか決まっていないため、正しい相続税の計算ができません。また、相続税を軽減する特例が使えるかの判断もできません。相続税の申告期限に間に合わない場合は、軽減特例が利用できないため相続税が高額になりますが、とりあえず仮の申告書を作成し、仮の納税額を納税します。仮の納税をする場合は、以下のリスクを伴うことを忘れないようにしましょう。

① 相続税の軽減特例が使えず、相続税が高くなってしまう

相続税には条件に該当すれば大きく相続税額を減らすことができる特例があります。「条件に該当する」という点がとても大切で、財産を誰が相続するのかによって条件に該当するかどうかが変わってきます。未分割の状態だと条件に該当するかわからないため、適用はせずに申告をしなくてはいけません。また、相続税を軽減できる特例は、相続税の申告期限内に提出した場合のみ適用されますので、期限に間に合わない場合は適用できなくなりますので注意しましょう。

② 相続税の申告の再提出が必要

遺産分割協議が調ったら、再度申告書を作成して提出する必要があります(相続税の更生の請求)。再提出することで、仮申告のときに税金を多く払いすぎていた場合、還付を受けることができます。

③ 相続税の納税資金の調達に困る

配偶者の税額軽減や、小規模宅地等の特例は多くの方が利用でき、大きく相続税を減額できる特例です。遺産分割協議が調わず未分割だと、特例を適用することができなくなる場合もあります。

④ 物納の利用ができない

相続財産が不動産ばかりで納税資金が全く用意できないという場合、現金の代わりに相続した不動産を納める「物納」という制度があります。物納は、申告期限内に手続きをすること、未分割ではなく遺産分割が調った状態であることが必要です。そのため、未分割の場合は物納は利用できません。

遺産分割協議が調わないまま、未分割の相続税申告をする場合の対処策

未分割の場合、特例を適用せずに「仮の申告」を行います。そうすることで、期限後に遺産分割協議が調えば特例を適用できるようになります。仮の申告であることを明確にするために行うべき対策を解説します。

期限後の特例適用:「分割見込書」を添付する

未分割の場合、相続税の申告書に必ず「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付します。これを提出することにより、分割されていない理由や適用したい特例等を申告します。その後、正式に分割が決まれば特例を適用できます。もし、添付を忘れてしまうと期限後申告となり、特例の適用が認められない可能性もありますので、十分注意してください。

相続税の還付:遺産分割協議が調ったら速やかに申告しなおす

遺産分割協議が調ったら、申告をやり直します。相続税を還付してもらう申告のことを「更正の請求」といい、分割見込書を添付している場合は、成立後4ヶ月以内に更正の請求手続きをします。

未分割のまま申告する流れ

10ヶ月以内に法定相続分で分割した申告書を作成する
期限後に特例が適用できるよう、「分割見込書」を添付する
期限内に申告・納税を終わらせる
3年以内に遺産分割協議を調える
遺産分割協議の成立後、4ヶ月以内に更正の請求を行う
更正の請求後、3ヶ月~半年で相続税が還付される

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最後に

遺産分割協議が調わず未分割のまま相続税の申告をすることは、特例が使えないなどのリスクを伴います。できるだけ10ヶ月以内に遺産分割協議を調え相続税の申告を行いましょう。どうしても相続人間だけで遺産分割協議がまとまらない場合には、専門家などの第三者を挟むことで、スムーズに協議が進む場合もあります。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

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(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)

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