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株の贈与税はいくら?生前贈与のメリット・デメリット、計算方法を解説

株式は日々価格が変動するため、相続時には予想以上に高額になる可能性があります。そのため、相続税対策として株式の生前贈与を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、贈与税の税率は最大55%に達するため、場合によっては贈与額の約半分を税金として納めることにもなりかねません。特に株式の贈与は、評価額が大きくなることが多く、贈与税の計算方法を理解していないと、大きな損失を被るリスクがあります。本記事では、株式の贈与税はいくらかかるのか、基礎知識をはじめ、評価方法や贈与税を抑えるための節税策について詳しく解説していきます。株式の生前贈与を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次
株式を贈与した場合、贈与税はいくらかかるのか
贈与した株式の評価方法
株式贈与における贈与税の計算方法
株を贈与する3つのメリット
株を贈与する2つのデメリット
相続対策として株を贈与する際の注意点
まとめ

株式を贈与した場合、贈与税はいくらかかるのか

贈与税は、個人から無償で財産を受け取った際に発生する税金です。「1月1日から12月31日までの間にどれだけの財産を受け取ったか」に基づいて計算され、財産を受け取った人が贈与税を支払う義務があります。なお、贈与を受けた人には贈与税が課されますが、株の評価額が110万円以下であれば基礎控除内となり、贈与税はかかりません。また、相続による株の譲渡では遺言がなければ贈与者の意思が反映されない可能性がありますが、生前贈与では贈与者の意思を直接反映できます。そのため、事業承継を行う中小企業では、後継者が親族の場合、株式を相続する代わりに、生前贈与を利用するケースが一般的です。

株式贈与を検討している方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】相続税と贈与税どっちが得?税率、特例の活用や相続税を減らす3つのポイントを解説

株式贈与と株式譲渡の違い

株式贈与と株式譲渡は、いずれも株式の所有権を他者に移す点で共通していますが、両者の違いは、対価が伴うかどうかにあります。

「株式譲渡」は、企業の売買や経営権の移転に使われる方法の一つです。一般的に、第三者が相手となり、対価を支払って株式を取得します。取引はシンプルで、株式を売る側が株式を買う側に引き渡し、対価を受け取ることで完了します。そのため、取引がスムーズに進みやすく、会社の日常業務に大きな影響を与えないというメリットがあります。しかし、株式を売却した側は、株式を取得したときの価格と売却したときの価格の差額に対して税金がかかります。

一方で、「株式贈与」は中小企業における事業承継の際に利用するケースが一般的です。なぜなら、後継者となる親族や社員が必ずしも株式を買い取る資金を持っているとは限らないからです。そのため、会社の安定した事業承継を重視する現経営者は、無償で株式を譲り渡す株式贈与が選ばれるケースが多いでしょう。

贈与した株式の評価方法

贈与税の金額は、贈与された株式の評価額によって変動するため、評価額の正確な算出が非常に重要です。ただし、贈与する株式が、上場か非上場株式かで評価方法が異なります。上場株式の相続税評価額を算出する際は、相続が発生した日を基準に、以下の3つの異なる基準価格の中で最も低い価格を選択することが可能です。

相続発生月の終値平均
相続発生月の前月の終値平均
相続発生月の前々月の終値平均

一方、非上場株式は市場で取引されていないため、評価方法がより複雑になります。一般的に、同族間で贈与する場合には、原則的評価方式が使われますが、同族外に贈与する場合には、配当還元方式(特例的評価方式)が用いられます。非上場株式の評価には専門知識が必要であり、税理士や専門家に依頼することが一般的です。

株式の詳しい評価方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】株の相続税はいくら?上場・非上場別に評価方法や手続き、節税を解説

贈与税の税率

贈与税は、贈与された金額が増えるほど税率が高くなる累進課税制度が採用されています。その税率は、贈与者と受贈者の関係性や受贈者の年齢に応じて下図のように異なります。例えば、親や祖父母が成人した子や孫に贈与する場合には、税率が比較的低く設定されている「特定税率」が適用されます。一方、配偶者など直系尊属以外からの贈与は、「一般税率」が適用されます。

贈与税の詳しい税率については、以下の記事をぜひ参考にしてください。
【関連記事】相続税、贈与税の累進課税制度とは

株式贈与における贈与税の計算方法

ここでは、以下の2つの贈与方法における株式評価方法を紹介します。

暦年贈与
相続時精算課税制度

贈与税は、贈与された財産の評価額に基づいて計算されるため、贈与された株式の評価額が非常に重要です。それぞれを詳しく見ていきましょう。

暦年贈与を活用して株を贈与する場合

暦年贈与を利用して株式を贈与する場合の、計算方法は以下のとおりです。

贈与税額 =(贈与された株式の相続税評価額 - 110万円)× 税率

暦年贈与を効果的に利用することで、年間ごとに多くの人に贈与を行い、相続税を軽減する効果を高められます。また、複数年にわたって贈与を続けることで、さらに大きな節税効果が得られるでしょう。ただし、贈与者が高齢で時間的余裕がない場合は、贈与税を支払ってでも毎年の贈与額を増やし、その年ごとの相続税軽減効果を最大化することも一つの手段です。

暦年贈与について振り返りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】暦年贈与とは|新ルールから使い方、相続税対策における3つの注意点

相続時精算課税制度を活用して株を贈与する場合

相続時精算課税制度を利用して株式を贈与する場合の、計算方法は以下のとおりです。

贈与税額 =[(贈与額 - 110万円)- 2,500万円 ]× 20%

相続時精算課税制度では、2,500万円までの特別控除に加えて、年間110万円までの贈与が非課税となります。ただし、相続時精算課税制度を選択すると、贈与者が亡くなった際に、生前に贈与された財産も相続財産に加算しなければなりません。そのため、相続税の計算においては、贈与時の財産価値が相続財産に反映されてしまいます。仮に、贈与後に財産の価値が上昇していれば、相続税で有利に働く可能性があるでしょう。ただし、控除額を超えた贈与金額には、一律20%の税率が適用されます。また、一度この制度を選ぶと、暦年課税に戻すことはできないため、選択には慎重な判断が求められます。なお、改正前の制度では贈与のたびに申告が必要でしたが、改正後は年間110万円以下の贈与については申告が不要となりました。

株を贈与する3つのメリット

株を贈与するメリットは、以下の3つです。

110万円の基礎控除が毎年利用できる
株価に応じて臨機応変に移転できる
世代飛ばしで贈与できる

それぞれを詳しく見ていきましょう。

110万円の基礎控除が毎年利用できる

株式を贈与する際の大きなメリットの一つは、毎年110万円の基礎控除を利用できることです。また、贈与税は累進課税制度を採用しており、贈与額が大きくなるほど税率が高くなります。一度にまとめて贈与すると高い税率が適用されますが、年間110万円ずつ贈与すれば基礎控除内で非課税となります。

1年目に110万円贈与 → 非課税
2年目に110万円贈与 → 非課税

基礎控除は毎年利用できるため、長期間にわたって贈与を行えば、より多額の株式を非課税で移転することが可能です。贈与税の負担を抑えつつ、効率的に資産を次世代に移転できるでしょう。

株価に応じて臨機応変に移転できる

相続が発生すると、株式は亡くなった日に移転されてしまいます。しかし、株式贈与であれば、贈与日を自由に選べるため、株価の変動を考慮して最適なタイミングで贈与することが可能です。例えば、株価が下がった時期に少しずつ贈与すれば、税負担を抑えつつ、効率的に株式を移転できます。また、非上場会社の株式の場合、業績が低迷している時や創業間もない段階で贈与することで、株式の評価額を抑えられる可能性があります。

世代飛ばしで贈与できる

相続では、遺言書がない限り、一般的に配偶者や子が財産を引き継ぎます。贈与では、所有者の意思により、子だけでなく孫やひ孫など、さらに下の世代に直接贈与できます。そのため、二次相続を見据えた相続対策が可能になるでしょう。例えば、子が株式を相続し、その後に孫が相続する場合、相続税が二度発生します。しかし、贈与を利用し孫に直接株式を贈与すれば、贈与時に一度だけ税金がかかり、その後の相続では税負担を回避できます。世代を飛ばして資産を移転することで、税負担を軽減しながら効率的に資産を次の世代に引き継ぐことができるでしょう。

株を贈与する2つのデメリット

株を贈与するデメリットは、以下の2つです。

定期贈与とみなされる可能性がある
相続税が課せられる可能性がある

それぞれを詳しく見ていきましょう。

定期贈与とみなされる可能性がある

贈与のタイミングや金額によっては、税務当局に「定期贈与」と見なされることがあります。定期贈与とは、「1,000万円を10回に分けて贈与する」ように、あらかじめ総額を決めて分割する贈与方法です。定期贈与と見なされると、分割して贈与した額でも総額として扱われ、贈与税が発生するリスクがあります。リスクを避けるためには、贈与契約書を作成し、贈与の記録をしっかり管理することが必要です。また、贈与のタイミングや金額を変えることで、定期贈与と見なされるリスクを減らせるでしょう。

相続税が課せられる可能性がある

株式を贈与しても、名義が異なるだけで実質的な所有者が変わらない場合、相続税が課せられるリスクがあります。相続税は名義に関わらず、実質的な所有者に課税されます。例えば、預金口座が子名義であっても、実際には親が管理している場合などが該当します。そのため、名義上の所有者が誰であっても、実際に亡くなった本人が所有していた財産は相続税の対象となります。贈与の際には、贈与契約書を作成し、贈与の事実を明確に文書で残しておくことが必要です。これにより、相続発生時に贈与が正当に行われたことを証明し、税務署からの追徴課税リスクを軽減できるでしょう。

なお、相続税のクロスティのセミナーでは、効果的な税務署対策や相続対策について、詳細かつ実践的な情報を提供しています。ブログでは書ききれない「ここだけの話」を聞きたい方は、お気軽にご参加ください。

相続対策として株を贈与する際の注意点

相続対策として株を贈与する際の注意点は、以下の2つです。

7年以内の贈与は相続税の課税対象に含まれる
株価によっては節税につながらない

それぞれを順番に見ていきましょう。

7年以内の贈与は相続税の課税対象に含まれる

相続発生の7年以内に行われた贈与は、相続税の課税対象に含まれます。7年ルールは、株式をはじめ、現金や不動産などすべての資産に適用されます。そのため、贈与によって相続財産を減らすことを考えても、実際には節税効果が限られる可能性があります。贈与のタイミングや方法については、十分な計画と慎重な判断がもとめられるでしょう。

株価によっては節税につながらない

株を贈与した後に価値が大幅に下がった場合、予期していた節税効果が得られない可能性があります。例えば、贈与時に株価が高かったとしても、その後の市場変動や企業業績の悪化により、株価が急落するリスクがあります。特に、非上場会社の株は企業業績によって大きく影響されるため、業績が悪化すると株価が大きく下落する可能性があるでしょう。そのため、株式贈与を検討する際は、株価の変動リスクや市場の動向をよく把握し、長期的な視点で計画を立てることが重要です。また、受贈者が株式の管理や運用に十分な知識を持っていないと、資産の価値が損なわれるリスクがあるため、注意が必要です。

まとめ

近年、投資を行う人が増え、株式を保有するケースが多くなっています。株式は相続の際に相続財産として課税されるため、事前に適切な対策を講じることが重要です。しかし、実際には生前に株式贈与する人は少なく、多くの人が相続時まで株式をそのままにしてしまう傾向があります。生前に株式を贈与することで、相続税を軽減し、遺産分割によるトラブルを防げるでしょう。なお、株式の贈与自体は比較的簡単ですが、税金のルールやリスクを十分に理解し、計画的に進めることが大切です。専門家と相談しながら進めることで、より効果的な相続対策が実現できるでしょう。

最後に

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