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相続マメ知識

相続「放棄」ではなく「拒否」する方法とは?

今回の内容はvol.306「相続「放棄」ではなく「拒否」する方法とは?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


相続は、必ずしも自分が望む内容になるとは限りません。望まない相続に直面すると、相続の権利をどうしたらいいのか困ると思います。ですが、拒否したいからといって遺産分割に参加しない、相続手続きに協力しないというのは何の解決策にもならず、他の相続人に迷惑が掛かり相続トラブルのもとになってしまいます。そんなときの一つの選択肢が「相続を拒否する」ということです。

相続を拒否するには?

相続を拒否する場合、その理由を明確にし、必要な手続きをとる必要があります。相続手続きを行うには、相続人全員の同意や署名押印、書類などが必要になります。自分が相続を拒否したいからといって、一方的に正当な手続きも取らず何もしないでいると、預金の解約や不動産の処分など相続手続きを行うことができず、他の相続人に迷惑がかかってしまいます。ですので、相続を拒否する場合は必ず手続きを行いましょう。相続を拒否するには、次の3つの方法があります。

相続放棄
相続分の譲渡
遺産分割協議

相続放棄:相続に関するすべてを拒否する場合

相続放棄とは、相続人としての権利をすべて放棄することになります。初めから相続人ではなかったとみなされ、借金などのマイナスの財産だけでなくプラスの財産もすべて受け取ることができません。また、遺産分割協議への参加、相続税の申告・納税も不要です。相続放棄はほかの相続人の同意なく単独で手続きが可能ですし、相続放棄をした場合でも基礎控除額を計算する際の法定相続人の数は減りませんので、相続放棄によってほかの相続人に迷惑をかけることはありません。

申請方法

相続放棄は、亡くなった日、もしくは亡くなったことを知った日より3ヶ月以内に家庭裁判所に申請する必要があります。必要書類をそろえ、家庭裁判所から届く書類に記入返信し、受理されれば手続き完了です。

申請に必要な書類

✓ 相続放棄の申述書
✓ 相続放棄する方の戸籍謄本
✓ 亡くなられた方の除籍謄本一式
✓ 亡くなった方の住民票除票または戸籍の附票

相続分の譲渡:相続分を拒否して譲る場合

相続放棄はせずに拒否する場合、本来引き継ぐはずだった相続分を誰かに譲渡することができます。例えば長男である自身の財産を、母の今後の生活に役立ててもらうために譲渡するなどです。相続分を譲渡する代わりに相続手続きを拒否したい場合の対応方法です。譲渡の相手は相続人以外も可能で、家庭裁判所への申請も他の相続人の同意も不要です。

譲渡の方法

自身の相続分を誰かに譲る場合には、遺産分割協議が成立する前に、譲る相手との間に契約を結ぶ必要があります。もし、遺産分割協議の成立後に契約を結ぶと、その譲渡契約は贈与として扱われてしまうので注意しましょう。相続分譲渡の契約は、自身と相手との間で合意があれば成立しますので、他の相続人の同意は不要です。また、相続人としての権利を譲渡するため、相続手続きに関わる必要もありません。契約自体は口約束でも可能ですが、後々のトラブル回避のためにも「相続分譲渡証書」を作成しておくと安心です。これは、譲渡を受けた方が主張する際の証拠になるだけではなく、不動産の相続登記の際にも提出を求められます。書き方に決まりはありませんが、譲渡する方と受け取る方の住所、氏名、条件などを明記します。

課税される税金の違い

遺産分割協議:相続割合をゼロにする

相続放棄でも、誰かに譲るわけでもなく、自身は相続財産を引き継がないと決める場合は、遺産分割協議で相続する割合をゼロと記載し署名捺印をすれば、亡くなった方の財産を引き継がず事実上拒否することができます。財産を取得しているわけではないので、相続税の申告は不要です。これは、借金などのマイナスの財産がなく、遺産分割協議が円滑に進むような場合に効果的な方法です。ただし、遺産分割協議書に相続分なしと記載するだけなので、相続人としての権利は残ります。新たに財産が見つかった場合や借金が見つかった場合は、再度遺産分割協議に参加する必要があります。

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最後に

相続を拒否する場合、理由を明確にしてから拒否する方法を選択しましょう。自身の置かれた状況や、なぜ拒否するのかを明確にすることで、どのような方法で拒否すればいいか選択できるかと思います。わからないことや不安がある場合は、期限もありますので早めに専門家に相談しましょう。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

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