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相続マメ知識

遺言執行者を解任するときの手順を税理士が解説!

今回の内容はvol.305「遺言執行者を解任するときの手順を税理士が解説!」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


遺言執行者となった人が職務を怠った場合や、その他正当な理由があった場合には、相続人や受遺者などの利害関係者が家庭裁判所に申し出ることで遺言執行者を解任することができます。この解任を求める手続きは、全ての利害関係者が納得したうえで申し立てることが必要となるため、相続人や受遺者のうち1人の意見だけでは認められません。

遺言執行者を解任できるケース

遺言執行者を解任する場合、相続人を含めたすべての利害関係者が解任することに同意しただけでは解任することができません。全員が同意したうえで、解任に値する理由があり、それが認められる場合のみ解任することができます。どのような場合に認められるのか、具体例をあげて紹介します。

任務を怠ったときや、正当な理由がある場合は解任できる

遺言執行者は、相続が開始したら直ちに遺言執行の職務を行います。長期間にわたり遺言執行の手続きを行わない場合は「任務を怠っている」と判断し、解任することができます。

その他、正当な理由に該当する例

✓ 遺言執行者として義務を果たさない
✓ 病気により役割を務められない
✓ 遺言執行を一部しか行わない
✓ 一部の相続人に利益を加担していた
✓ 明らかに高額な遺言執行報酬に対する不服
✓ 行方不明、長期不在になっている
✓ 相続財産を不正に使い込んでいる

遺言執行者を解任できないケース

納得できない内容の遺言を執行した場合は解任できない

遺言が特定の相続人にのみ有利になっていて、一部の相続人に不利益が出ても、遺言執行者は遺言通りに任務を行っているだけであれば解任することはできません。

専門家への遺言執行報酬を支払いたくない理由だけでは解約できない

専門家が遺言執行者になっていた場合、高額な報酬が発生する場合があります。ですが、その報酬が執行内容に応じた適切な額であれば、ただ払いたくないという理由だけで解任することはできません。

遺言執行者を解任する場合、家庭裁判所に申し出が必要

① 解任を希望する方が家庭裁判所に申し出る

代表者1人が申し立ての手続きを行うことで手続きを進めることができます。申請場所は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

② 申し立てに必要な書類を準備する

申し立てに必要な書類は以下の通りです。全て不備なくそろえて提出します。場合によって必要書類が変わる可能性がありますので、あらかじめ家庭裁判所に確認しましょう。

✓ 申立書
✓ 申立人の戸籍謄本、住民票
✓ 遺言執行者の戸籍謄本、住民票
✓ 被相続人の戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)、住民票除票
✓ 遺言書の写しまたは遺言執行者の選任審判書
✓ 申立て費用800円

③ 申立て書に正当な理由を明記する

裁判所のホームページより申立書のフォーマットをダウンロードし、解任したい正当な理由を明記します。申立てに至った経緯や状況を明確にし、解任すべき納得のいく理由を記入しましょう。

④ 家庭裁判所から審判書が発行される

解任が確定すると、家庭裁判所から「審判書謄本」が発行されます。この書面を確認して解任手続きは完了です。

遺言執行者の解任までにかかる期間

遺言執行者を解任しようとしても、家庭裁判所に正式に認められるまではある程度の時間がかかってしまいます。すぐにでも遺言執行者を解任させたい場合は、「遺言執行者の職務執行停止の審判の申し立て」を同時に行う必要があります。

遺言執行者を解任した後の遺言の執行方法

遺言執行者を解任した後の相続の進め方には2通りあります。

① 相続人だけで進めていく方法
② 新たな遺言執行者をたてて進めていく方法

遺言執行者は必ず決めなくてはいけないということはありませんが、相続人間でトラブルになる可能性がある場合は、遺言執行者を立てた方がスムーズに手続きができるでしょう。

遺言執行者は遺言者の生前には解任できない

遺言書は亡くなってから効力を発揮するものなので、生前にはまだ遺言の効力は認められていません。そのため、遺言に遺言執行者の記載があっても、まだ遺言執行者に就任したことにはなっていないため、相続発生前(遺言者の生前)に遺言執行者の解任はできません。もし生前に変更したい場合は、新しい遺言を作成し、新たに遺言執行者を指名することで対応できます。遺言は新しい日付のものが優先されるので、前の遺言の内容を撤回することができます。

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最後に

遺言執行者は、遺言内容をスムーズに実現するために選任しますが、遺言執行者がそれを怠ってしまうと選任した意味がなくなってしまいます。遺言執行者は勝手に解任することはできず、家庭裁判所の判断になります。解任には時間がかかりますので、直ちに解任したい場合は「遺言執行者の職務執行停止の審判」を同時に申し立てましょう。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

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(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)

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