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相続マメ知識

前妻との間に子がいる場合の相続手続きの進め方

今回の内容はvol.282「前妻との間に子がいる場合の相続手続きの進め方」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


今の時代再婚することは珍しいことではなくなってきています。相続において「前妻の子」という存在は決して無視することはできず、何年も会っていなくても相続する権利は存在します。

前妻の子の相続権

前妻の子は、何十年も音信不通であっても、亡くなった夫の相続における法定相続人の一人となります。これは、夫に親権がなくても血縁関係であれば親子に変わりはありませんし、亡くなった夫の財産を引き継ぐ権利も存在します。前妻が他の方と再婚し、前妻の子がその再婚相手と養子縁組をしていた場合でも親子関係が解消されることはありません。ですが、離婚をした前妻には相続権はありませんので注意しましょう。

前妻の子の相続人としての権利

① 前妻の子の相続できる割合

法定相続人とは民法で定められた相続する権利がある人を言います。亡くなった方の配偶者は必ず法定相続人となり、血族相続人(親子、祖父母など)の方には相続できる順番が決まっています。第一順位の法定相続人は亡くなった方の実子となります。前妻との子が戸籍上の実子であれば、たとえ再婚後に後妻との間に新たに子が生まれていても実子の1人であることに変わりはありません。連れ後でも養子縁組をしていれば実子と同じ権利を有します。法定相続分がどのくらいになるかは、相続人の数や続柄、構成によって異なります。

例:遺産総額が6,000万円で再婚後に子1人、前妻との子が1人いる場合

相続割合は、配偶者が1/2で3,000万円。
子は残りの1/2を二人で分けるので1/4ずつとなり、それぞれ1,500万円となります。

② 遺留分の請求

法定相続人が最低限相続できる割合のことを「遺留分」といいます。相続で引き継いだ財産が遺留分を下回っていたり、まったく引き継ぐことができなかった場合、この遺留分を取り戻す権利が前妻の子にも認められています。遺留分を請求する権利を「遺留分侵害額請求権」といい、この権利は遺言書よりも優先されます。遺言書に「後妻との間の子に財産のすべてを引き継がせる」と書かれていても、前妻の子が遺留分侵害額請求をすることで、遺留分相当の金銭を取り戻すことができます。前妻の子の遺留分を無視して勝手に相続財産を引き継ぐと、後々大きなトラブルに発展する可能性がありますので、遺言を作成する際や相続財産を分配する際は十分配慮しましょう。

③ 受取人が指定された死亡保険金は分割不要

受取人が指定されている生命保険の死亡保険金は、遺産分割の対象に含めません。保険契約上の受取人に指定されていれば、指定された方の固有の財産となります。受取人が前妻の子であれば、その死亡保険金すべてを前妻の子が受け取ることができます。

遺言書がある場合の相続手続き

① 遺産分割協議は不要

遺言書は法定相続分よりも優先されるので、遺言書が残されていた場合はその内容に従って相続財産を引き継ぎます。その場合遺産分割協議は不要になるので、前妻の子に相続手続きに関して協力をお願いする必要はありません。しかし、連絡する必要がないからと言って前妻の子に亡くなった事実や遺言書の存在を知らせずに相続することはオススメできません。前妻の子も実子である以上、相続するものが何もなかった場合、遺留分を請求する権利があるからです。知らせずに相続して、のちに大きなトラブルとならないよう、前妻の子にも亡くなったことをきちんとを伝えましょう。

② 自筆証書遺言書の場合、家庭裁判所から通知される

亡くなった方が自筆証書遺言書を残していた場合、家庭裁判所で開封する「検認」手続きが必要です。開封は家庭裁判所で相続人全員の立会いのもとで行うことが法律で定められていますので、その際に相続人全員に通知が来ます。前妻の子に亡くなったことを伝えていなくても、これにより相続が発生したことを知るきっかけとなります。

遺言書がない場合の相続手続き

遺言書がない場合は遺産分割協議を行います。遺産分割協議は相続人全員の参加と同意が必要です。

① 前妻の子へ相続の発生を知らせる

前妻の子の連絡先が分からなくても住民票や戸籍の附票を取得することで、現在の住所地を確認することができます。前妻の子の住所が確認できたら手紙を送るなどして相続が発生した事実を伝えましょう。

② 連絡が取れない場合は不在者財産管理人を選任する

もし前妻の子と連絡がつかない場合は「不在者財産管理人の選任」を家庭裁判所へ申し立てる必要があります。不在者財産管理人とは、連絡がつかない前妻の子の代わりに遺産分割協議に参加し、前妻の子の相続分を確保・管理する人です。不在者財産管理人は通常は弁護士、司法書士、税理士といった専門家が選ばれるケースが多いです。

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最後に

前妻の子がいる場合、たとえ何十年も連絡を取っていなくても法定相続人の一人に変わりありません。遺言書があってもなくても、相続が発生した事実は伝えておくといいでしょう。トラブルが発生する可能性もゼロではありませんので、早いうちから専門家に相談することをオススメします。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。
また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

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