【2026年最新】愛知県・名古屋圏の地価公示発表|相続税はどう変わる?
令和8年の地価公示が公表され、愛知県内でもエリアごとの土地価格の差がより鮮明になりました。土地を保有している方の中には、「今年は相続税評価額も見直すべきだろうか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
実際に、相続税は税率だけでなく、土地の評価額によって負担額が変わります。そのため、地価が動いた年は、これまでの試算が実情と合わなくなる可能性があります。
本記事では、2026年の地価公示を踏まえ、愛知県・名古屋圏で相続税評価額に影響しやすいポイントをわかりやすく解説します。相続税評価額が上がりやすい土地の特徴もあわせて紹介するのでぜひ参考にしてください。
目次
・国土交通省が令和8年地価公示を公表|全国・愛知県の地価はどう動いた?
・そもそも地価公示とは
・地価公示価格マップの調べ方と見方
・名古屋の地価上昇局面で進めたい相続税対策
・まとめ
国土交通省が令和8年地価公示を公表|全国・愛知県の地価はどう動いた?
2026年3月、国土交通省は令和8年の地価公示を公表しました。全国平均では、全用途の地価が前年比2.8%上昇し、5年連続のプラスとなっています。住宅地は2.1%、商業地は4.3%と、景気の緩やかな回復や都市部の不動産需要を背景に、全国的な上昇基調が続いています。
一方、三大都市圏では動きに差が見られました。東京圏・大阪圏では上昇幅が拡大したのに対し、名古屋圏は上昇自体を維持しながらも、前年より伸び率がやや縮小しています。
愛知県の地価公示の推移・変動率
愛知県では、住宅地・商業地ともに5年連続で上昇していますが、令和8年は2年連続で上昇率が縮小しました。住宅地の平均変動率は1.8%(前年2.3%)、商業地は3.2%(前年3.7%)となっており、上昇基調を維持しつつも伸びはやや緩やかになっています。
地域別に見ると、住宅地は名古屋市3.1%、尾張地域1.7%、知多地域1.2%、西三河地域1.4%上昇した一方で、東三河地域は0.2%下落しました。商業地でも、名古屋市4.5%、尾張地域2.9%、知多地域1.9%、西三河地域2.1%、東三河地域0.6%上昇しています。
特に名古屋市では、住宅地・商業地ともに全16区すべてで上昇している点が特徴です。住宅地では名古屋東-7(徳川町)が14.7%、商業地では名古屋中村5-19(名駅南)が13.8%上昇しており、再開発や交通利便性の高いエリアほど価格が伸びやすい傾向がみられます。同じ愛知県内でも、所有エリアによって今後の路線価や相続税評価額の伸び方に差が生じやすい状況です。
そもそも地価公示とは
地価公示とは、国土交通省が選定した全国約26,000地点の標準地について、毎年1月1日時点における1㎡当たりの正常な価格を示す公的な指標です。国土交通省土地鑑定委員会による評価をもとに、土地売買の相場を把握する基準になるだけでなく、公共事業で土地を取得する際の価格算定や、不動産鑑定評価の基礎資料としても広く活用されています。
地価公示はいつ公表されるのか
地価公示は、国土交通省が毎年1月1日時点の価格を3月中旬から下旬頃に公表します。令和8年地価公示であれば、2026年1月1日時点の価格が同年3月17日に公表されています。
この3月公表は、7月に公表される相続税路線価の動きを先読みするうえで重要です。土地価格の上昇傾向を早い段階で把握できるため、相続税の概算試算や生前対策を見直すタイミングとして活用しやすくなります。
地価公示・路線価・地価調査(基準地価)・時価の違い
不動産には、主に以下の4つの価格基準があります。
✓ 地価公示
✓ 路線価
✓ 地価調査(基準地価)
✓ 時価
同じ不動産でも、利用目的や評価する場面によって用いられる価格が異なるため、「1物4価」と呼ばれています。下表は、地価公示・基準地価・路線価・時価の違いをまとめたものです。

一般的に「不動産はいくらなのか」といった場合にイメージされるのは、実際に市場で売買される時価(実勢価格)です。不動産の経済的価値を最も直接的に表す価格であり、売主と買主の需要と供給によって変動します。
一方で、相続税の実務では時価そのものをそのまま用いるわけではなく、国税庁が公表する相続税路線価を基準に評価額を算定します。そのため、時価と相続税評価額には差が生じるケースが一般的です。また、路線価は公示価格を基準に設定されるため、地価公示の動きもあわせて確認することで、評価額の方向性を読みやすくなるでしょう。
なお、固定資産税の算定に用いる固定資産税路線価は通常3年ごとに見直されるため、毎年公表される地価公示や相続税路線価とは更新タイミングが異なります。相続税対策では、まず毎年の相続税路線価を軸に確認する流れを押さえておくと判断しやすいでしょう。
相続税の土地評価方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】相続税の土地評価方法とは!活用できるWebサイト5選
地価公示価格マップの調べ方と見方
地価公示価格の調べ方は、以下の通りです。
1. 国土交通省の不動産情報ライブラリ(外部リンク)を開く
2. 名古屋市・愛知県など所有地の住所を検索する
3. 地図上で所有地に近い標準地を選ぶ
4. 公示価格を確認する
実際に、相続税のクロスティ(名古屋総合税理士法人)がある名古屋市中区錦3丁目周辺で検索すると、標準地の価格データを地図上で確認できます。

所有地に近い標準地である「名古屋中5-17」をクリックすると、1㎡あたりの価格に加え、前年からの変動率や用途区分も確認できます。

特に名古屋駅周辺や栄、東区など再開発や住宅需要が強いエリアでは、前年より大きく上昇している地点も少なくありません。こうした地点が所有地の近くにある場合は、その年の路線価や翌年の相続税評価額にも影響しやすいため、早めに概算の税額を見直しておくと良いでしょう。
名古屋の地価上昇局面で進めたい相続税対策
地価上昇が続く局面では、土地の評価額が大きく上がる前に、以下のような承継方法と評価減の使い方を整理しておくことが重要です。
● 生前贈与を検討する
● 小規模宅地等の特例を活用する
● 土地分割・土地活用による評価減を狙う
● 二次相続まで見据えた土地承継を検討する
地価上昇局面では、相続税率が据え置かれていても、路線価の見直しによって前年より税負担が増える可能性があります。値上がりが見込まれる土地や収益不動産は、早めに移転することで将来の値上がり分を次世代へ移しやすくなります。
ただし、不動産は「早く贈与すれば必ず得」とは限りません。すでに評価額が高い土地は、相続時に基礎控除や小規模宅地等の特例を活用した方が有利になるケースもあります。そのため、移転時点の評価額と今後の上昇余地を確認したうえで、生前贈与と相続のどちらが適しているか見極めることが重要です。
さらに、承継設計は一次相続だけで完結させず、二次相続まで通算して考える必要があります。例えば、一次相続で配偶者に資産を集中させると、その場の税額は抑えやすい一方で、次の相続で子世代に大きな負担が生じるケースも珍しくありません。配偶者控除だけで判断せず、将来どの土地を誰が引き継ぐのか、二次相続まで含めてどのタイミングで承継するのかまで整理することで、家族全体の税負担を抑えやすくなるでしょう。
相続税の計算方法について振り返りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】相続税はいくら?税理士が計算方法を徹底解説
「評価額」だけでなく「換価しやすさ」まで見据える
地価が上昇している局面では、土地の評価額を抑える対策だけでなく、「相続人が無理なく納税し、落ち着いて承継判断できる状態をつくれているか」まで確認しておきましょう。
最近では、故中山美穂さんの遺産をめぐり、約20億円規模の資産に対して約11億円の相続税負担が生じる可能性が報じられ、大きな注目を集めました。一見すると巨額の資産は「恵まれた相続」に映りますが、相続の実務では必ずしもそうとは限りません。重要なのは総額の大きさではなく、10ヶ月の申告期限内に納税資金を現金で用意できるかどうかです。
例えば、資産の多くが不動産のような換価に時間を要する資産で占められている場合、帳簿上の評価額が高くても、すぐに現金化できない可能性があります。こうした状態は、相続実務でいう「資産の流動性不足」にあたります。
期限内に現金を確保できなければ、やむを得ず資産を急いで売却し、本来の価値より低い価格で手放す、いわゆる投げ売りに至るケースも珍しくありません。つまり、多額の資産であっても、構成次第では「受け取りたい財産」ではなく、相続人にとって大きな負担へと変わり得るのです。
だからこそ、財産を残す側には、相続人が申告期限に追われて不動産を売り急ぐ事態を避けられるよう、資産の内訳まで踏み込んで整えておく視点が欠かせません。現金や換価しやすい金融資産を一定割合で組み込んでおけば、納税資金を確保するために本来残したい土地を手放すリスクを抑えやすくなるでしょう。
相続税のクロスティでは、不動産オーナー向けに、生前贈与・不動産の法人化・遺言作成まで含め、換価性と税負担の両面を見据えた総合的な承継プランをサポートしています。不動産の承継方法についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
※不動産の法人化節税®は、名古屋総合税理士法人の登録商標です。
まとめ
2026年の地価公示では、全国平均に加え、愛知県全体で上昇基調が続いています。ただし、相続税の実務で注目すべきなのは、県平均ではなく、ご自身の土地があるエリアの上昇率です。名古屋市中心部や再開発エリアでは、県平均を大きく上回るケースもあり、同じ愛知県内でも相続税評価額の伸び方に差が生まれます。
特に、名駅・栄周辺の収益不動産や、東区・昭和区など住宅需要の強い土地を保有している場合は、来年以降の路線価上昇を見越し、今のうちに相続税の試算をやり直しておくことが重要です。評価額が上がる前に生前贈与や土地活用、法人化まで含めた承継方法を整理しておけば、将来の税負担を抑えやすくなるだけでなく、納税資金や遺産分割をめぐる不安の軽減にもつながるでしょう。
最後に
相続税の申告手続きは、相続税のクロスティにお任せください
私たち、相続税のクロスティは、税理士法人の相続税を専門とする事業部から発足し、母体である名古屋総合税理士法人は創業以来50年以上、愛知県名古屋市にて東海エリアを中心に相続税専門の税理士として、皆さまの相続手続きをお手伝いしてまいりました。
相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携し、お客様におすすめの制度と対策をご提案させていただいております。私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。「相続の仕組みを知りたい」「相続税申告が必要かわからない」「まずは見積りだけほしい」など、まずはどんなことでもお気軽にご相談ください。ぜひ、お会いできる日を楽しみにしております。
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運営:名古屋総合税理士法人
(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)

名古屋総合税理士法人 代表税理士 / 行政書士 / 宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士
監修者プロフィール:
相続税に関するセミナー講師を年間100回程度務めるほか、大手信託銀行・不動産管理会社等の税務顧問や、日経新聞社講師、南山大学非常勤講師を務めている。
現在代表を務める名古屋総合税理士法人は、資産家の生前節税対策・法人化節税を得意とし、累計 1,000 件を超える名古屋最大級の相続税申告実績を誇り、相続税相談についての面談数は年間 500 件を超えるほか、数多くの不動産オーナーの顧問税理士を務めている。
【主な活動実績】
・著書「知識ゼロからの相続の教科書」は相続税/贈与税カテゴリーにて、出版週で第1位を獲得
・プロフェッショナルな会計ファームに授与される「Best Professional Firm」を3年連続で受賞
・書籍「相続に強い頼れる士業・専門家50選」に選出
・南山大学の非常勤講師
本記事のよくある質問
Q. 令和8年(2026年)の愛知県や名古屋市の地価公示はどうなりましたか?
A. 愛知県の地価は住宅地・商業地ともに5年連続で上昇しています。特に名古屋市は全16区すべてで上昇しており、名駅南や徳川町など再開発や利便性の高いエリアでは10%以上も価格が伸びています。お持ちの土地のエリアによっては、相続税評価額に大きな影響が出る可能性があります。
Q. 地価公示とは何ですか?相続税とどのような関係がありますか?
A. 地価公示とは、毎年1月1日時点の標準地の価格を示す公的な指標で、3月に公表されます。相続税の計算に使われる「路線価」は7月に公表されますが、地価公示の動きを先読みすることで、評価額の上昇傾向を早い段階で把握し、相続税対策を見直すタイミングとして活用できます。
Q. 愛知県内の地価公示価格はどのように調べればよいですか?
A. 国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」というWebサイトで調べることができます。名古屋市など所有地の住所を検索し、地図上で近くの標準地を選ぶと、1㎡あたりの価格や前年からの変動率が確認できます。評価額の目安を知るための第一歩としておすすめの手順です。
Q. 名古屋など地価が上昇しているエリアでの相続税対策のポイントは何ですか?
A. 土地の評価額が上がる前に、生前贈与で将来の値上がり分を次世代へ移すことや、小規模宅地等の特例の活用、土地分割・土地活用などを検討することが重要です。また、一次相続だけでなく、二次相続まで見据えて誰がどのタイミングで承継するかを整理すると家族全体の税負担を抑えやすくなります。
Q. 地価上昇時に不動産を相続する際の注意点はありますか?
A. 評価額の高さだけでなく、「換価しやすさ(現金化のしやすさ)」に注意が必要です。相続財産の多くを不動産が占めると、10ヶ月の申告期限内に納税資金を現金で用意できず、土地を安く手放す「投げ売り」のリスクが生じます。現金や換価しやすい金融資産もバランス良く組み込んでおくことが大切です。
Q. 相続税の計算に使われる「路線価」と市場の「時価」の違いは何ですか?
A. 一般的に不動産の価格と言われる「時価」は、市場での実際の売買価格の目安です。一方、相続税の計算には時価をそのまま使わず、国税庁が7月に公表する「相続税路線価」を基準に評価額を算定します。そのため、実際の売却額と相続税評価額には差が生じるのが一般的です。




