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【年末対策】相続贈与一体化・7年ルールを見据えた生前贈与のポイント

相続税と贈与税の一体化が進む中、2025年も残りわずかとなりました。すでに施行されている暦年贈与の持ち戻し期間の段階的延長(3年→7年)により、生前贈与を「いつ、誰に、どのように行うか」という判断は、従来以上に重要性を増しています。

将来的には、相続税と贈与税が完全に一体化され、生前贈与でも相続時の財産移転でも税負担がほぼ同等になる可能性が高いと見込まれています。そのため、現行ルールのもとでできる対策を、今年のうちに整理しておくことが大切です。

本記事では、相続税・贈与税の一体化の概要から、年末に取り組んでおきたい生前贈与の具体的な戦略をわかりやすく解説します。家族の思いを大切にしながら、節税も実現できる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

※本記事の内容・数値は、2025年時点の公表資料および制度に基づいています。

目次
年末に生前贈与の計画を立てるべき理由
相続税・贈与税の一体化とは
相続贈与一体化で変わる2つの柱
【賢い年末戦略】7年ルール時代に取るべき生前贈与のポイント
節税と家族の思いを両立させる贈与の進め方
まとめ

年末に生前贈与の計画を立てるべき理由

年末は、今年の贈与状況を振り返り、来年以降の戦略を立てる絶好のタイミングです。暦年贈与では毎年110万円の基礎控除が年単位でリセットされるため、年末までに贈与を実行するかどうかが節税効果を大きく左右します。また、相続時精算課税制度を利用する場合でも、贈与額を「年ごと」に把握しておくことで、将来の相続税額を見通しやすくなります。特に、税制改正後は相続時精算課税でも110万円の非課税枠を毎年活用できるようになったため、年間の贈与計画を早めに整理しておくことが大切です。

さらに年末は、家族の資産状況や相続人の構成を見直す好機でもあります。どの資産を誰に引き継ぐのかを改めて確認しておくことで、節税効果と家族の意向を両立した生前贈与の設計がしやすくなるでしょう。

相続税・贈与税の一体化とは

相続税と贈与税の一体化とは、以下の考え方を基盤とした制度見直しを指します。

生前の贈与と相続を同じ基準で評価する
財産を渡す時期を問わず、税負担が均一になるよう整える
生前贈与の有利・不利といった歪みを減らす など

相続税と贈与税は、本来どちらも「財産の移転」に対する課税という共通の性質を持っています。しかし、制度が別々に運用されてきたため、贈与のタイミングや手法によって税負担に差が生じる状況が続いていました。この負担差を縮小するため、両制度を共通の基準で扱う方向へと制度改正が進められています。

制度改正の背景

相続税・贈与税の一体化が進められている背景には、以下の課題があります。

高齢世代に資産が集中し、若年層へ資産が移りにくい
贈与税の税率が高く、生前贈与が利用しづらい
暦年贈与や相続時精算課税の活用により、課税負担に差が生じる など

資産の移転方法によって税額に大きな差が出る構造は、制度の公平性を損なう要因となっていました。そこで政府は、生前・死後を問わず資産移転の総額に対して一貫した税負担となる、中立的な税制の構築を目指しています。

こうした課題に対応するため、2024年度の税制改正で以下の見直しが行われました。

相続開始前の持ち戻し期間を3年から7年へ延長
相続時精算課税制度の見直し(基礎控除の導入)

改正により、生前贈与によって相続税負担を大幅に下げる手法が取りづらくなり、財産を移転する「時期」に左右されにくい課税体系へ移行する第一歩が踏み出されています。

出典:国税庁|相続税・贈与税のあらまし(外部リンク)

相続贈与一体化で変わる2つの柱

ここでは、制度改正によって特に注目すべき2つの柱をわかりやすく紹介します。

税制改正のポイントについて振り返りたい方は、以下の記事をご確認ください。
【関連記事】2023年度税制改正によって贈与はどう変わるの?

暦年課税の持ち戻し期間が3年→7年へ拡大(7年ルール)

「持ち戻し」とは、生前に贈与した財産が、相続が発生した時に相続財産に戻され、相続税の計算に加えられることを指します。従来は、相続開始前3年以内に行われた贈与が加算対象でした。改正後は、7年に延長され、より長期間にわたり贈与が相続税に影響するようになっています。

2025年現在においては、まだ段階的な適用期間中のため、加算対象は従来通り相続開始前3年以内となります。例えば、2025年6月30日に贈与者が亡くなった場合、加算対象となるのは2022年6月30日以降に行われた贈与です。それ以前の贈与は持ち戻しの対象外となります。仮に、2031年1月1日以降に贈与者が亡くなったケースでは、相続開始前7年間に行われた2024年1月1日以降の贈与がすべて相続財産に加算されます。

相続時精算課税に110万円の基礎控除が新設

相続時精算課税制度は、60歳以上の親や祖父母が18歳以上の子や孫に財産を贈与する際に選択できる制度です。贈与額2,500万円までは贈与税がかからず、贈与者が亡くなった際に相続税の課税対象となります。

従来は、少額の贈与でも必ず申告が必要で、利用のハードルが高い制度でした。しかし、2024年の税制改正により、年間110万円までの贈与は基礎控除として贈与税が非課税となり、相続時にも課税対象から外せるようになりました。

なお、暦年課税と相続時精算課税はどちらか一方しか選択できず、一度選択すると元に戻せません。暦年課税の非課税枠との併用はできないため、制度選択の際には注意が必要です。

「暦年贈与」と「相続時精算課税」どちらを選ぶべきか悩んでいる方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】暦年贈与とは|相続税対策で押さえるべき3つの注意点と廃止リスク

【賢い年末戦略】7年ルール時代に取るべき生前贈与のポイント

年末に見直すべき生前贈与のポイントは、以下の4つです。

長期計画で持ち戻しリスクを分散する
複数人に分散して贈与し、節税効果を高める
孫への贈与で世代間の資産移転を加速させる
教育資金・住宅取得等資金贈与など特例制度と組み合わせる

それぞれを詳しく見ていきましょう。

長期計画で持ち戻しリスクを分散する

7年ルールの導入によって、生前贈与の効果は「贈与を始める時期」に左右されるようになりました。そのため、生前贈与を節税に生かすためには、「できるだけ早く贈与を始める」というシンプルな発想がこれまで以上に重要になります。相続開始まで十分な期間を確保できれば、その分だけ持ち戻し対象から外れる財産が増え、暦年贈与のメリットを確実に享受できるでしょう。

複数人に分散して贈与し、節税効果を高める

生前贈与の効率を高めるためには、受け取る人を複数に分けて贈与する方法が有効です。暦年課税の基礎控除110万円は「贈与を受ける人ごと」に適用されるため、家族に分散して贈与するほど非課税で移せる金額の幅が広がります。

例えば、配偶者や子・孫に100万円ずつ渡しても、それぞれが基礎控除の範囲に収まるため、贈与税は発生しません。贈与を分散しておくことで将来の相続財産を無理なく減らせるほか、特定の人にだけ負担や不満が集中するリスクも抑えられます。無理せず・偏らず・長く続けられる方法として、複数人への贈与は7年ルール時代の生前贈与戦略に適した選択肢といえるでしょう。

孫への贈与で世代間の資産移転を加速させる

孫への生前贈与は、「相続財産の圧縮」と「次世代のライフイベント支援」を同時に実現できる方法です。

孫は通常、法定相続人には含まれないため、相続や遺贈により財産を取得しない限り、原則として、相続前7年以内の贈与であっても生前贈与加算の対象になりません。孫に直接財産を渡すことで、相続税の計算から外れ、相続財産を無理なく減らせます。

さらに、子を経由せずに孫に財産を渡す「一代飛ばし」により、本来は2段階で課税される相続税を1度に抑えられるため、長期的な節税につながります。例えば、親が亡くなって子が相続し、さらに子が亡くなった後に孫が相続すると、2度にわたって相続税が発生します。これに対して、一代飛ばしで孫に直接財産を渡せば、相続税がかかる回数を1回に減らせるのです。

ただし、親(贈与者の子)が既に亡くなり孫が代襲相続人となる場合は、孫も法定相続人に含まれるため、生前贈与加算の対象になる可能性があります。また、遺贈や養子縁組で財産を移す場合は、相続税が2割加算されるケースもあるため、事前に制度の仕組みを確認し計画することが重要です。

教育資金・住宅取得等資金贈与など特例制度と組み合わせる

生前贈与では、年間110万円の基礎控除に加え、目的に応じた非課税特例を活用できます。

例えば、教育資金贈与の非課税制度では、祖父母や親が子や孫の教育費として最大1,500万円まで贈与しても贈与税はかかりません。専用口座の開設と支出内容の証明が必要ですが、学費や塾代、留学費用など幅広い教育関連費に充てられるため、次世代の学びを後押しする手段として活用できます。

また、住宅取得等資金贈与の非課税制度では、省エネ住宅なら1,000万円、その他の住宅でも500万円まで非課税で支援でき、早い段階から住まいの準備を後押しできます。新生活の準備を前もって支援することで、家族のライフプランを安定させながら資産を計画的に移転できるでしょう。

出典:国税庁|直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税(外部リンク)
出典:国税庁|直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税(外部リンク)

節税と家族の思いを両立させる贈与の進め方

ここでは、節税と家族の思いを両立させながら贈与を進めるポイントを紹介します。

贈与は「相続とのセット」で考える

相続税・贈与税の一体化が進む2025年現在、生前贈与は単独の節税手段ではなく、相続計画の一部として考える時代になりつつあります。なぜなら、改正により生前に渡した財産が相続財産として扱われる範囲が広がり、従来の「贈与すれば相続税を減らせる」という発想がそのまま通用しなくなっているからです。そのため、贈与を行う際は、税負担だけに目を向けるのではなく、以下のようなイメージまで含めて検討することが大切です。

家族の状況:誰に何を受け継いでほしいのか、家族の意向や生活状況を踏まえる
財産の種類:現預金・不動産・株式など、相続時にどう分けるかをイメージする
税法上のルール:贈与の時期や金額が、将来の相続税にどのように影響するか理解する

これらを踏まえて計画することで、「毎年110万円を贈与する」といった形式的な対応ではなく、将来の相続まで踏まえた、一貫性のある資産承継が可能になります。「相続はまだ先」と考えがちですが、贈与を始めた時点で資産承継はすでに動き出しています。早めに全体像を描いておくことが、安心できる計画につながるでしょう。

専門家の知見も取り入れて、無理のない贈与プランを整える

相続・贈与の税制は毎年の改正や非課税枠の変更があり、ニュースや過去の記事だけでは正確な判断が難しいのが現状です。例えば、教育資金贈与の非課税制度は10年以上経過し、これまで何度も改正されてきました。

2024年度の改正では適用期間が3年延長され、2026年3月31日まで利用可能です。しかし、今後の延長は未定です。適用期間や口座残高の管理によっては、贈与者が死亡した際に課税関係が複雑になる可能性もあります。そのため、税理士などの専門家に相談し、最新の制度内容を確認しながら、家族の希望や財産状況に合った無理のない贈与プランを立てることが重要です。専門家の助言を取り入れることで、節税効果を最大化しつつ、将来の相続トラブルも防げるでしょう。

相続税のクロスティは、生前贈与事業承継対策など、一人ひとりに合った節税プランを提案します。二次相続まで見据えた対策に興味がある方は、お気軽にご相談ください。

まとめ

年末は一年の区切りとして相続対策を始める絶好の機会です。特に生前贈与は、タイミング次第で成果が大きく変わります。相続・贈与の制度は見直しが続いているため、将来の改正を前提にするのではなく、現行制度の下でできる準備を進めておくことが重要です。

最後に

相続税の申告手続きは、相続税のクロスティにお任せください

私たち、相続税のクロスティは、税理士法人の相続税を専門とする事業部から発足し、母体である名古屋総合税理士法人は創業以来50年以上、愛知県名古屋市にて東海エリアを中心に相続税専門の税理士として、皆さまの相続手続きをお手伝いしてまいりました。

相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携し、お客様におすすめの制度と対策をご提案させていただいております。私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。「相続の仕組みを知りたい」「相続税申告が必要かわからない」「まずは見積りだけほしい」など、まずはどんなことでもお気軽にご相談ください。ぜひ、お会いできる日を楽しみにしております。

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運営:名古屋総合税理士法人
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監修者:細江 貴之

名古屋総合税理士法人 代表税理士 / 行政書士 / 宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士

監修者プロフィール:
相続税に関するセミナー講師を年間100回程度務めるほか、大手信託銀行・不動産管理会社等の税務顧問や、日経新聞社講師、南山大学非常勤講師を務めている。
現在代表を務める名古屋総合税理士法人は、資産家の生前節税対策・法人化節税を得意とし、累計 1,000 件を超える名古屋最大級の相続税申告実績を誇り、相続税相談についての面談数は年間 500 件を超えるほか、数多くの不動産オーナーの顧問税理士を務めている。
【主な活動実績】
・著書「知識ゼロからの相続の教科書」は相続税/贈与税カテゴリーにて、出版週で第1位を獲得
・プロフェッショナルな会計ファームに授与される「Best Professional Firm」を3年連続で受賞
・書籍「相続に強い頼れる士業・専門家50選」に選出
・南山大学の非常勤講師


本記事のよくある質問

Q. 相続税・贈与税の一体化とは?
A. 生前の贈与と相続を同じ基準で評価する、財産を渡す時期を問わず、税負担が均一になるよう整える、生前贈与の有利・不利といった歪みを減らすという考え方を基盤とした制度見直しを指します。

Q. 暦年課税の「持ち戻し」とは?
A. 暦年課税の「持ち戻し」とは、生前に贈与した財産が、相続が発生した時に相続財産に戻され、相続税の計算に加えられることを指します。

Q. 暦年課税の持ち戻し期間は、どのように変更となったのでしょうか?
A. 従来は、相続開始前3年以内に行われた贈与が加算対象でした。改正後は、7年に延長され、より長期間にわたり贈与が相続税に影響するようになっています。

Q. 相続時精算課税制度とは?
A. 相続時精算課税制度は、60歳以上の親や祖父母が18歳以上の子や孫に財産を贈与する際に選択できる制度です。贈与額2,500万円までは贈与税がかからず、贈与者が亡くなった際に相続税の課税対象となります。

Q. 年末に見直すべき生前贈与のポイントとは?
A. 長期計画で持ち戻しリスクを分散する、複数人に分散して贈与し、節税効果を高める、孫への贈与で世代間の資産移転を加速させる、教育資金・住宅取得等資金贈与など特例制度と組み合わせる、などがポイントとなります。

Q. 相続税・贈与税の一体化が進められているのはなぜ?
A. 高齢世代に資産が集中し、若年層へ資産が移りにくい。贈与税の税率が高く、生前贈与が利用しづらい。暦年贈与や相続時精算課税の活用により、課税負担に差が生じる。などが理由です。


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