名古屋市の税理士法人、相続税申告なら相続税のクロスティ「遺産分割協議のやり直しをすることはできるの?」ページ

ブログ・お知らせ
Blog

相続マメ知識

遺産分割協議のやり直しをすることはできるの?

今回の内容はvol.300「遺産分割協議のやり直しをすることはできるの?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


相続人全員が合意して成立した遺産分割協議書は、法的に有効なので、一部の相続人の希望だけでやり直すことはできません。ですが、相続人全員が合意すればやり直すことができます。いつまでにやり直さなければいけないという決まりはないので、相続人全員が合意していればいつでもやり直すことが可能です。

遺産分割協議が無効になるケース

遺産分割協議が無効になれば、遺産分割協議は初めから成立していなかったとみなされます。無効に時効はありません。以下のようなケースは無効になります。

① 相続人全員が遺産分割協議に参加していない

遺産分割協議を成立させるには、相続人全員の合意が必要です。遺産分割協議で一人でも相続人が欠けていた場合は、その遺産分割は無効になってしまいます。この場合、欠けていた相続人の方を加えて遺産分割協議をやり直す必要があります。

② 遺産分割協議の内容に重要な事実の誤解があった

相続人全員が合意をしていても、その内容について相続人が重要な誤解をしていた場合には、無効となる可能性があります。例えば、「相続人の一部の人が、意図的に相続財産を隠していた状況で遺産分割協議を行っていた」あるいは「手続きはやっておくから署名と捺印してくれればちゃんと財産を分けるよ、と言われ遺産分割について把握する機会を知らずに逃していた」など、重要な事実の誤解といえる理由があるならば、遺産分割協議の無効を主張できます。また、後から遺言書が見つかり、「遺言内容を知っていたら、遺産分割協議に同意しなかった」という場合も無効になります。

③ 判断能力のない相続人が遺産分割協議に参加していた

遺産分割協議は法律行為なので、判断能力のない人が単独で参加していた場合は無効となり、やり直しが必要です。認知症の人は成年後見人、未成年者には特別代理人を専任して、遺産分割協議には代理人が参加しなくてはいけません。

遺産分割協議を詐欺や脅迫により成立させた場合

遺産分割協議の取り消しは、一度成立した遺産分割協議を初めに遡ってなかったことにすることです。だまされたり、脅迫によって行われた場合は取り消すことができます。遺産分割協議のやり直しに時効はありませんが、この取消権には時効があり、詐欺や脅迫により錯誤していたと気づいたときから5年です。

無効や取り消し以外の「遺産分割協議のやり直し」にかかる税金

無効や取り消しで遺産分割協議をやり直す場合は、初めから協議が成立していなかったとみなされるため、新たに税金が追加されるということはありませんが、すでに相続税を支払っていた場合は修正申告をする必要があります。しかし、相続人全員の合意によってやり直しになった場合は、新たに税金が発生する可能性があります。特に、相続税の申告納税を済ませていた場合は贈与税などが課税される可能性があり、二重に課税されることになりかねないので注意する必要があります。

遺産分割協議のやり直しにおける注意点

① 不動産取引済みの第三者は保護される

初めの遺産分割協議後に相続人ではない第三者に不動産が売却され、すでに登記が済んでいる場合、たとえ遺産分割協議をやり直しても、原則、売却した第三者の方に不動産の返還を求めることはできません。

② 調停により成立している場合はやり直せない

調停や審判で遺産分割協議を行い成立していた場合、特別に理由がない限り、やり直しは認められません。

遺産分割協議のやり直しが必要ないケース

① 遺産分割協議成立後に新たな財産が見つかった場合

この場合、初めから遺産分割協議をやり直す必要はなく、後から見つかった相続財産についてだけ、遺産分割協議で引き継ぎ方を決めます。
(※但し、後から見つかった相続財産の内容によっては、相続人全員の合意が得られれば初めから遺産分割協議をやり直すことができます。)

② 遺産分割協議成立後に相続人が亡くなった場合

遺産分割協議中や成立後に相続人のうちの一人が亡くなった場合、遺産分割協議をやり直す必要はありません。初めの相続が発生した時点で相続人は確定しており、遺産分割協議中であってもその人が引き継ぐはずであった財産は、そのまま亡くなった相続人の相続人に引き継がれることになります。

関連記事

遺産分割協議の進め方
多くの経験と知識を持つ税理士が相続税の申告をサポート

最後に

一度成立した遺産分割協議に納得いかず、やり直すにはその条件など注意が必要です。すでに相続税を納めていた場合、追加で税金を納めなければいけない可能性もあります。遺産分割協議をやり直したい場合は、税理士に相談をすることをオススメします。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

運営:名古屋総合税理士法人
(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)

Contact us お問い合わせ

お電話・メールフォームからのお問い合わせは
24時間365日受け付けております。