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相続マメ知識

限定承認とは?相続放棄との違いを徹底解説!

今回の内容はvol.268「限定承認とは?相続放棄との違いを徹底解説!」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


亡くなった人の財産や債務を引き継ぐ際に選択できる方法の一つに「限定承認」というものがあります。債務がある場合に利用されることがあります。

限定承認とは

限定承認とは、亡くなった方が残した債務について、相続財産の範囲内で引き継ぐために行う手続きです。債務の額の方が相続財産より大きい場合、財産の額相当分のみの債務を負担し、それを超える金額については負担しなくてもよいというものです。限定承認が利用されるのには主に2つの理由があります。

● 亡くなった方が財産も債務も残していて、その額がそれぞれどのくらいあるのかがわからない場合
● 財産より債務の方が大きいとわかっているが、どうしても相続したい財産がある場合

相続放棄をしてしまうと、一切財産を相続できなくなるので、上記のように財産を相続できるなら相続したい、という場合に利用されます。

相続放棄との違い

限定承認を検討するうえで混同しやすいのが「相続放棄」です。どちらも被相続人(亡くなった方)の債務があり、そのまま相続してしまうと相続人が債務を引き継いでしまうという場合に利用されます。限定承認は相続財産の範囲内で債務を引き継ぎますが、相続放棄は財産も債務も一切引き継ぎません。また、限定承認はすべての相続人で行いますが、相続放棄は相続人ごとに利用するかどうかを決めることができます。

一方で共通点もあります。それは、家庭裁判所での手続きが必要になるということと、相続開始(亡くなったこと)を知ってから3ヶ月以内が申し立ての期限というところです。どちらも申し立ての期間が決まっているので、利用するかどうかを早めに決める必要があります。

限定承認のメリット・デメリット

メリット

① 巨額な債務を相続しなくてもよくなる
限定承認を行う最大のメリットは「巨額な債務を相続しなくてもよくなる」ということです。債務の額が財産の額を超える場合、その財産以上の債務は引き継ぎません。そのため、債務の額が財産の額を超えるかわからない場合は限定承認をしておけば、実質的な不利益を被ることはなくなります。

② 特定の財産を残すことができる
限定承認を行えば、自宅などの特定の財産を残すことができます。限定承認を行う際に裁判所の手続きにおいて、債務をプラスの財産で清算します。この時プラスの財産が不動産である場合、不動産に相当する金額を支払えば不動産を手放す必要はなくなります。また、限定承認を行うと、不動産が競売にかけられた場合でも限定承認をした相続人が優先的に購入する権利が認められます。相続人に支払う財力があることが前提ですが、どちらも相続放棄では認められないことです。

デメリット

① 相続人全員の同意を得るのが難しい
限定承認の最大のネックが「相続人全員の同意を得ることが難しい」という点です。1人でも限定承認に反対の者がいると、限定承認を行うことができません。

② 手続きが複雑で時間がかかる
限定承認は、家庭裁判所に申述を行えばよいというだけではなく、相続した財産の範囲内で債務の弁済を行う必要があるため、財産を換価し、債権者に対して清算する必要があります。そのため手続きが複雑になり手間と時間がかかります。

③ 被相続人に譲渡所得が発生する可能性がある
限定承認では、財産を換価するために被相続人に譲渡所得が発生する可能性があります。ただ、譲渡所得が発生するかどうかは売却した時の財産の価格や債務の状況によって変わるため、準確定申告が必要かどうかを確認する必要があります。

限定承認が向いているケースとは

相続により引き継ぐ財産と債務のどちらが多いかわからない場合

特に債務の額がわからない場合に向いています。債務を引き継ぎたくない場合、相続放棄も考えられますが、相続放棄を行うとすべての財産を相続することができなくなるので、限定承認であれば、もし債務の方が少なかった場合に一部の財産を相続することが可能になります。

絶対に相続したい財産がある場合

債務の額が上回っていても、絶対に相続したい財産がある場合は限定承認が向いています。ただし、その財産に相当する資金を支払うことができなければ、たとえ限定承認を行っても財産を残すことはできません。そのため、資金を準備できるかどうかを検討する必要があります。

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最後に

限定承認は制度の内容が少し難しく、相続人全員で行う必要があるなど利用しにくい部分があります。どれくらいの債務があるかわからない場合など、利用を検討したいと思っている方は、相続に強い税理士に早めに相談しましょう。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

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