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相続マメ知識

相続放棄した人がいる場合の相続税申告を解説!

今回の内容はvol.244「相続放棄した人がいる場合の相続税申告を解説!」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


相続放棄は、相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内が期限です。また、相続放棄をした場合、初めから相続人とならなかったものとみなされます。相続放棄をした場合、相続税申告の手続きでどのようなことに注意しなければいけないのでしょうか?

① 基礎控除

相続の放棄があってもなくても計算します。例えば相続人が3人いて、そのうちの一人が相続放棄したとします。この場合の基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円」となり、相続放棄で相続人が減っても、本来の相続人の人数で基礎控除額を出します。

② 相続税の総額

相続税の計算過程で、相続財産から相続税の基礎控除を差し引いた金額を法定相続分で按分するというものがありますが、この法定相続分も相続放棄がなかったものとして計算します。

③ 生命保険金、死亡退職金の非課税枠と、それを使える人

生命保険、死亡退職金の非課税枠は「500万円 × 法定相続人の数」で計算します。この法定相続人の数も、相続放棄がなかったものとして計算します。生命保険金、死亡退職金は本来、受取人固有の財産であり遺産ではないため、相続放棄をしたとしても受け取ることができます。ですが、非課税については相続放棄をした人は適用することができません。非課税を使えるのはあくまで民法上の相続人に限られているため、相続放棄をして相続人ではなくなった場合は適用できないので注意しましょう。

④ 債務控除

相続放棄した人は、原則、債務控除を適用することができません。相続放棄をしていれば基本的には財産も債務も相続しないので、債務控除の適用は現実的にはあり得ません。相続放棄をしても葬式費用を負担する場合がありますが、葬式費用についてはその負担した部分に限り、相続放棄をした人であっても財産から差し引くことが可能です。

⑤ 配偶者の税額軽減

相続放棄をした配偶者が受取人となっている死亡保険金があった場合、その保険金に対する相続税につき配偶者の税額軽減の適用が可能です。相続放棄したとしても配偶者に変わりはないので配偶者の税額軽減は適用できます。

⑥ 未成年者控除・障がい者控除

未成年者控除や障がい者控除の要件に該当する相続人が相続放棄した場合にも、これらの税額控除の適用が可能です。相続放棄をして民法上の相続人に該当しなくなったとしても、その者が無制限納税義務者で18歳未満、障がい者であれば控除の適用が可能となります。

⑦ 相次相続控除

相続放棄した場合、相次相続控除は適用できません。

⑧ 3年以内生前贈与加算

相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた相続人が相続放棄をした場合、その放棄した相続人が被相続人から遺贈により財産を取得していれば贈与財産は加算の対象となります。被相続人から一切財産を取得していなければ、3年以内加算の必要性ありません。

⑨ 2割加算

被相続人の一親等の血族(子、親、代襲相続人である孫)と配偶者以外の者が相続した場合には、本来の相続税額につき2割を加算して納税する必要があります。これを2割加算といいます。相続放棄をした一親等血族や配偶者は、2割加算の対象とはなりません。相続放棄したとしても、一親等血族や配偶者の地位は揺るぎません。ただし、代襲相続人である孫に限っては、相続放棄した場合に2割加算の対象となるため注意が必要です。

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最後に

相続放棄をすると、民法上では初めから相続人ではなかったものとみなします。しかし相続税申告においては民法上のようにシンプルに考えることはできません。もし、相続人の中で相続放棄をした人がいる場合は、相続税計算に注意して相続税の申告をする必要があります。相続税の申告書作成は手間や時間もかかりますので、相続に強い税理士にぜひ相談してください。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

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