相続における遺産分割の流れを税理士が徹底解説!
今回の内容はvol.187「相続における遺産分割の流れを税理士が徹底解説!」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
相続が発生し、いざ遺産分割をしようと思ったとき、どのような流れで進めていけばいいのでしょうか。
遺産分割の流れ
① 相続人および相続財産の範囲を調査
↓
② 遺言書の有無を確認 → 遺言書があった場合は遺言書に従い遺産分割
↓ 遺言書がない場合
③ 遺産分割協議 → 遺産分割協議がまとまった場合、遺産分割協議書の作成とそれに従った遺産分割
↓ 遺産分割協議がまとまらない場合
④ 遺産分割調停 → 遺産分割調停が成立した場合、調停内容に従い遺産分割
↓ 遺産分割調停が成立しない場合
⑤ 遺産分割の審判 → 審判結果を受け入れた場合、審判内容に従った遺産分割
↓ 審判の結果に不服がある場合
⑥ 即時抗告
遺産分割の大まかな流れです。基本的には上記に沿って進んでいきます。
① 相続人および相続財産の範囲を調査
亡くなった方の出生から死亡した時までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本を調べた上で「誰が相続人なのか」を確定させる必要があります。また、現金や預貯金、株式などの有価証券、ゴルフ会員権、宝飾品、車などの財産、土地・自宅や別荘・アパート・マンション・ビルなどの不動産に加え、借金や未払いの税金などマイナスの財産についても調査します。
② 遺言書の有無を確認
遺言がある場合は遺産分割協議を待たず、遺言の内容を優先する必要があります。遺言の残し方にはいくつか種類があり、遺言の種類によっては内容等が正当であるかどうかを判断する必要があります。
③ 遺産分割協議
財産の分け方についての話し合いです。ここですべての相続人が納得できる話し合いができれば円満解決となりますので、お互いの譲歩や、過度な自己主張がないよう配慮することもポイントです。相続人同士で話し合って決めた内容は「遺産分割協議書」にまとめます。まとめることによって後々言った言わないなどのトラブルを未然に防ぐことができます。
④ 遺産分割調停
遺産分割協議で話がまとまらない場合は、遺産分割調停を申し立てます。申し立てには書類や費用の準備が必要です。
⑤ 遺産分割の審判
遺産分割調停が成立しない場合は、遺産分割の審判を申し立てます。申し立てには書類や費用の準備が必要です。
⑥ 即時抗告
遺産分割審判に不服がある場合は、審判結果の告知を受けてから2週間以内に高等裁判所に即時抗告をすることができます。即時抗告をすると、家庭裁判所での審判は確定せず、今度は高等裁判所でだれがどの遺産を相続するのかが審理されることになります。
相続 遺産分割調停の申立てに必要なもの
遺産分割調停に必要な書類
・ 申立書1通および、その写しを相手方の人数分
・ 申立添付書類
・ 被相続人の出生時から死亡時までのすべての除籍戸籍・改製原戸籍謄本
・ 相続人全員の戸籍謄本
・ 相続人全員の住民票または戸籍附票
・ 遺産に関する証明書(登記事項証明書、預金通帳の残高証明書等)
遺産分割調停の申立てにかかる費用
・ 被相続人1名につき1,200円の手数料(収入印紙)
・ 郵便切手代
・ 弁護士に依頼した場合は、相談料や着手金、報酬金等
遺産分割が終了した後に遺言書が出てきた場合
遺言の存在を知らずに遺産分割協議が成立していたとしても、遺言の内容に反する部分があった場合は無効になります。相続人全員が遺言の内容を無視して遺産分割をすることに納得し、相続人全員の合意があれば遺言を無視した遺産分割協議が優先されますが、一人でも異議を唱える者がいた場合は、改めて遺言書に沿った再分割をしなければなりません。
関連記事
遺産分割協議がまとまらず調停申し立て。手続き当日の流れと争点検討の順序とは
遺産分割協議で話し合う、その内容とは?
遺産の相続方法(共有分割、現物分割、代償分割、換価分割など)
最後に
相続税には申告期限がありますが、遺産分割には決まった期限はありません。しかし、遺産を共有状態で相続すると、後々トラブルの原因になる可能性もあります。そのようなトラブルを未然に防ぐためにも、専門家に早いうちから相談することをオススメします。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしております。そのため、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。どんな些細なことでもまずは一度お気軽にご相談ください。
運営:名古屋総合税理士法人
(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)