名古屋市の税理士法人、相続税申告なら相続税のクロスティ「相続順位は配偶者なしでどう変わる?子・親・兄弟のパターン別に解説」ページ

ブログ・お知らせ
Blog

ブログ

相続順位は配偶者なしでどう変わる?子・親・兄弟のパターン別に解説

近年、日本では「配偶者がいない状態で亡くなる人」が増加傾向にあります。独身である理由は人それぞれですが、いずれの立場でも避けて通れないのが「相続」です。配偶者や子がいる場合は、法定相続人が明確で、相続の流れも想像しやすいものです。しかし、配偶者がいない場合は、誰が相続人になるのかが家族構成によって大きく異なります。

本記事では、配偶者のいないケースに焦点をあて、子・親・兄弟姉妹それぞれのパターンに応じた相続順位と相続割合をわかりやすく解説します。事前にできる相続対策についてもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次
配偶者なしの相続とは
子・親・兄弟など家族構成別の相続パターン
配偶者なしの人が備えるべき相続の生前対策5選
まとめ

配偶者なしの相続とは

日本の相続制度において「配偶者なし」とは、単に未婚の人だけを指すわけではありません。亡くなった時点で、法律上の婚姻関係にある配偶者がいない状態を意味します。そのため、以下のような方はすべて「配偶者なし」に該当します。

結婚歴がない
離婚している
配偶者と死別し、その後再婚していない
内縁関係にあるが、婚姻届を出していない など

たとえ長年一緒に暮らしていたパートナーがいたとしても、法律上の結婚関係が成立していなければ「配偶者」とは認められません。そのため、内縁の夫や妻には、法律に基づく相続権は原則として与えられないのが現状です。ただし、遺言書を作成しておけば、内縁のパートナーなど法定相続人ではない人でも、遺贈という形で財産を渡すことが可能です。

配偶者がいない場合の相続順位

配偶者がいない場合、誰が財産を引き継ぐのかは、血縁関係に基づいた相続順位によって決まります。相続順位は以下のように民法によって定められており、上位の相続人がいる場合、下位の人には相続権がありません。

第1順位:子(直系卑属)
第2順位:親(直系尊属)
第3順位:兄弟姉妹

例えば、独身で子がいない場合は親が、親もすでに亡くなっている場合は兄弟姉妹が相続人になります。また、離婚していても、元配偶者との間に子がいれば、その子が相続人となります。このように、相続人となるかどうかは、家族構成や親族の状況によって異なります。

子・親・兄弟など家族構成別の相続パターン

配偶者がいない場合、相続人や相続割合は家族構成によって大きく異なります。下表は、代表的な相続パターンと、それぞれの相続人・相続割合をまとめたものです。

それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

ケース① 配偶者はいないが子がいる場合

たとえ配偶者がいなくても、子がいればその子が、財産のすべてを相続します。子が複数いる場合は、人数に応じて以下のように財産を均等に分けます。

子2人:2分の1ずつ
子3人:3分の1ずつ

なお、婚姻関係の有無や、離婚・死別の有無にかかわらず、実子である限り相続権が失われることはありません。たとえ長年疎遠であったり、非嫡出子(婚姻外の子)であったりしても、実の子であれば嫡出子と同じ相続分を受け取れます。

子にかかる相続税負担を抑える方法について知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】子にかかる相続税の負担とは?税率や未成年が相続する流れ、節税方法を解説

ケース②配偶者・子はいないが、親がいる場合

配偶者も子もいなければ、親(直系尊属)が相続人となります。両親が健在であれば、それぞれが財産の50%ずつを相続します。もし父または母のどちらか一方だけが存命の場合は、その親がすべてを相続します。

なお、両親がすでに亡くなっている場合は、その上の世代である祖父母が相続人となる可能性があります。祖父母が2人とも健在であれば、それぞれが50%ずつ相続することになります。

ケース③配偶者・子・親はいないが、兄弟姉妹がいる場合

配偶者・子・親がいないときは、兄弟姉妹が財産を相続します。兄弟姉妹が2人いれば財産は2等分、3人なら3等分に分けられます。

また、兄弟姉妹のうち、すでに亡くなっている人がいると、その人の子(甥や姪)が代わりに相続する「代襲相続」が行われます。例えば、兄弟姉妹が3人いて、そのうち1人がすでに他界しているときは、生存している2人と亡くなった兄弟姉妹の子(甥・姪)になります。この場合、亡くなった兄弟姉妹に割り当てられる相続分を、その子たちが人数に応じて均等に分ける形となります。

ただし、甥・姪の代襲相続は1世代のみ認められており、その子(曾甥や曾姪)に相続権は及びません。代襲相続の有無によって相続分の配分が変わるため、正確な家族関係を把握することが重要です。

ケース④子・親・兄弟姉妹はいないが、特別縁故者がいる場合

法定相続人がまったくいない状態を「相続人不存在」といいます。こうした状況では、通常の相続人ではない「特別縁故者」が、遺産の承継を認められることがあります。

なお、特別縁故者として認められるためには、民法に定められた以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

亡くなった方と生計を共にしていた
亡くなった方の療養や看護に尽力していた
亡くなった方と特別な関係があった など

条件に該当する方は、家庭裁判所に申立てを行い、正式に特別縁故者として認められることで遺産の一部または全部を受け取れます。ただし、申立ては相続人不存在が確定してから3ヶ月以内に行わなければなりません。期限を過ぎると権利が失われる点に、注意が必要です。

ケース⑤相続人が誰もいない場合

相続人が一人も存在しない場合、遺産は最終的に国の所有となります。

ただし、ただちに国へ引き渡されるわけではなく、まずは家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任します。管理人は、不動産・預貯金・有価証券など、亡くなった方の財産を調査・管理し、債務があれば優先的に弁済を行います。そのうえで残った財産が国庫に帰属します。

なお、特別縁故者がいたとしても、必ず遺産を受け取れるわけではありません。申立てが認められなかったり、手続きそのものが行われなかったりすれば、その財産はやはり国のものとなってしまいます。

相続財産管理人を選任する方法を詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
【関連記事】相続財産管理人とは?選任方法や費用について徹底解説

配偶者なしの人が備えるべき相続の生前対策5選

配偶者がいない方の相続では、遺産の行き先が広範囲に及ぶこともあり、思いがけない人が相続人になるケースも珍しくありません。意図しない相続を避けるためにも、生前から以下のような対策を講じることが重要です。

遺言書を作成する
財産目録を作成する
家族信託を活用する
生前贈与を検討する
エンディングノートを作成する

それぞれを詳しく見ていきましょう。

遺言書を作成する

最も確実に「財産の行き先」を決められる方法が、遺言書の作成です。

配偶者がいなければ、相続人は兄弟姉妹や甥・姪などまで広がります。法定どおりに任せると、疎遠な親族に財産が渡り、親身になって支えてくれた人には何も残らないといった状況も起こりかねません。

例えば、「長年介護してくれた友人に財産を渡したい」「特定の団体に寄付したい」といった希望も、遺言書がなければ実現できません。遺言書があれば、誰に何を遺すかが明確なため、望まない分配を避けつつ、手続きを円滑に進められます。

ただし、遺言書を作成しても「遺留分」や「特別受益」など法定相続人の権利に配慮が必要です。確実でトラブルのない遺言を残すには、税理士や弁護士など専門家に相談することをおすすめします。

財産目録を作成する

財産目録は、相続人にとって「判断の土台」となる大切な資料です。相続手続きの混乱や負担を防ぐためにも、元気なうちに財産を整理し、誰が見ても分かる形で記録しておきましょう。

特に、配偶者がいない方の相続では、兄弟姉妹や甥・姪など、普段あまり接点のない親族が相続人となる可能性があります。亡くなった方と交流が少なかった相続人にとっては、どの銀行に預金があるのか、不動産がどこにあるのかさえ分からないケースも珍しくありません。その結果、必要な書類を集めるのに時間がかかり、相続手続きが停滞したり、財産の分配をめぐって他の相続人と意見が食い違うなど、思わぬトラブルに発展することがあります。

混乱を避けるために有効なのが「財産目録」の作成です。生前に以下のような情報を明記しておくことで、相続人は遺産の全体像をすぐに把握できます。

不動産:所在地、地番、登記内容
金融資産:現金、株式、投資信託
預貯金:金融機関名、支店名、口座番号、残高
負債:借入金、ローン、未払い金 など

注意すべきは、借金やローンといったマイナスの財産も漏れなく記載することです。万が一、負債が資産を上回る場合には、相続人は「相続放棄」という選択ができますが、申請期限は原則として死亡を知ってから3ヶ月以内に限られています。財産目録があれば、相続人は情報不足による判断ミスを避け、冷静に最善の選択を下せるでしょう。

家族信託を活用する

家族信託は、信頼できる人に財産の管理や承継を任せる制度です。

遺言書では「誰に財産を渡すか」までしか指定できませんが、家族信託なら「妻の次は甥へ」といったように、二次・三次の承継先まで柔軟に決められます。また、あらかじめ信託契約を結んでおくことで、将来、認知症などにより判断能力が低下しても、受託者が代わりに財産を管理・運用できます。

信託と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、目的は「自分の意思に沿って財産を次世代に引き継ぐこと」にあります。ただし、比較的新しく導入された仕組みであるため、実務に詳しい専門家がまだ少ないのが現状です。また、制度の柔軟性が高い反面、信託内容の設計には専門的な知識や慎重な判断が求められます。そのため、活用を検討する際は、信託に詳しい税理士や専門家と相談しながら、最適なスキームを構築することが大切です。

生前贈与を検討する

生きているうちに大切な人へ財産を渡す「生前贈与」は、自分の想いを確実に届ける手段の一つです。

相続では、法定相続人にしか財産が渡らないため、親しい人や日ごろ支えてくれた方に何も残せないケースも少なくありません。生前贈与なら、贈与する相手も時期も自由に決められるため、自分の意思を直接反映させられます。ただし、年間110万円を超える贈与には贈与税がかかるため、税負担を考慮しながら計画的に行うことが大切です。

生前贈与の概要について振り返りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】暦年贈与とは|相続税対策で押さえるべき3つの注意点と廃止リスク

エンディングノートを作成する

エンディングノートとは、自分に万が一のことがあったときに備え、家族が困らないように必要な情報や想いを記録しておくノートです。法的効力はありませんが、ご家族が葬儀や相続などの判断を迫られたときに、大きな助けとなります。特に、「誰に祭祀財産(仏壇・お墓など)を引き継いでほしいか」「葬儀の希望」などは、あらかじめ書面にしておくことで、家族間の認識違いやトラブルを避けられるでしょう。

最近では、市販のノートや無料テンプレートも多く出回っており、インターネットや法務局からも入手可能です。自分の思いを整理し、家族に安心を残すためにも、早めの準備をおすすめします。

相続税のクロスティでは、相続税・贈与税申告はもちろん、遺言書家族信託生前の相続対策など、将来の不安に寄り添った「相続セミナー」を定期的に開催しております。「何から始めればいいのかわからない」という方は、ぜひお気軽にご相談・ご参加ください。

参照:法務局|エンディングノート(外部サイト)

まとめ

配偶者がいない方の相続は、家族構成によって大きく状況が変わるため、一般的な相続よりも複雑になりやすいのが特徴です。思いがけない親族が相続人となったり、相続人が存在せず財産が国庫に帰属したりする可能性もあります。財産を望む相手に確実に託すには、相続順位や法定相続人の範囲を正しく理解し、自身の状況を把握することが大切です。

相続の準備は、残された人の負担を軽くするだけでなく、あなたの想いや価値観を次の世代に伝える行為でもあります。後悔のない相続を実現するためにも、今できることから少しずつ準備を始めてみましょう。

最後に

相続税の申告手続きは、相続税のクロスティにお任せください

私たち、相続税のクロスティは、税理士法人の相続税を専門とする事業部から発足し、母体である名古屋総合税理士法人は創業以来50年以上、愛知県名古屋市にて東海エリアを中心に相続税専門の税理士として、皆さまの相続手続きをお手伝いしてまいりました。

相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携し、お客様におすすめの制度と対策をご提案させていただいております。私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。「相続の仕組みを知りたい」「相続税申告が必要かわからない」「まずは見積りだけほしい」など、まずはどんなことでもお気軽にご相談ください。ぜひ、お会いできる日を楽しみにしております。

初回の無料相談は「ご来社による相談」「オンラインツールを使った相談」が可能です。名古屋に限らず日本全国の相続のご相談に対応いたします。
ご来社いただく場合、本社(名古屋市中区栄)または池下駅前本部(名古屋市千種区池下)のいずれかにてご対応させていただきます。
電話でのお問い合わせは24時間受け付けております。ぜひお気軽にご相談ください。

「個別説明会」開催のご案内 相続のことは実績と経験が豊富な相続税専門の税理士にご相談を。

運営:名古屋総合税理士法人
(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)





監修者名の写真

監修者:細江 貴之

名古屋総合税理士法人 代表税理士 / 行政書士 / 宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士

監修者プロフィール:
相続税に関するセミナー講師を年間100回程度務めるほか、大手信託銀行・不動産管理会社等の税務顧問や、日経新聞社講師、南山大学非常勤講師を務めている。
現在代表を務める名古屋総合税理士法人は、資産家の生前節税対策・法人化節税を得意とし、累計 1,000 件を超える名古屋最大級の相続税申告実績を誇り、相続税相談についての面談数は年間 500 件を超えるほか、数多くの不動産オーナーの顧問税理士を務めている。
【主な活動実績】
・著書「知識ゼロからの相続の教科書」は相続税/贈与税カテゴリーにて、出版週で第1位を獲得
・プロフェッショナルな会計ファームに授与される「Best Professional Firm」を3年連続で受賞
・書籍「相続に強い頼れる士業・専門家50選」に選出
・南山大学の非常勤講師


本記事のよくある質問

Q. 独身で子どもがいない場合、遺産はどうなるの?
A. 親が相続人になります。親もすでに亡くなっている場合は兄弟姉妹が相続人になります。

Q. 離婚していて元配偶者との間に子どもがいる場合、子どもに相続させることはできる?
A. できます。婚姻関係の有無や、離婚・死別の有無にかかわらず、実子である限り相続権が失われることはありません。

Q. 相続人が誰もいない場合、遺産はどうなるの?
A. 相続人が一人も存在しない場合、遺産は最終的に国の所有となります。

Q. 配偶者がいない場合、生前にできる相続対策はありますか?
A. 遺言書の作成、財産目録の作成、家族信託の活用、生前贈与を検討、エンディングノートの作成などがあります。

Q. 亡くなった方の看護を行っていたが、遺産をもらうことはできないのか?
A. 「特別縁故者」として遺産の承継を認められることがあります。家庭裁判所に申立てを行い、正式に特別縁故者として認められると遺産の一部または全部を受け取れます。

Q. 配偶者・子・親がいないとき、遺産はどうなるの?
A. 兄弟姉妹がいる場合、兄弟姉妹が財産を相続します。


Contact us お問い合わせ

お電話・メールフォームからのお問い合わせは
24時間365日受け付けております。