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税理士報酬は相続税の債務控除対象?該当する11のケースを徹底解説

相続税の申告は複雑であり税理士などの専門家へ申告業務を依頼することが一般的となっています。相続税申告を依頼する際の税理士報酬は相続税申告に関連する費用のため「税理士報酬も債務控除に該当する」と考えている方も多いのではないでしょうか?債務控除は相続税の申告時に利用できる控除のひとつですが、税理士報酬は相続税の債務控除に含まれません。相続財産から控除できる債務は、相続発生前に支払いが確実と認められる借入金や未払金などに限られます。相続人が相続時に負担する必要のある債務の額を相続財産から差し引くことで、相続税の課税対象額を軽減できます。今回は債務控除について、相続税の11のケースを用いて解説します。

目次
債務控除における税理士報酬の扱い
債務控除とは
債務控除に該当する11のケース
債務控除を利用する際の注意点
まとめ

債務控除における税理士報酬の扱い

税理士報酬は相続財産の評価や相続手続きのサポートなど相続税申告に関連する費用ですが、相続税の債務控除に該当しません。相続は亡くなった方の立場を引き継ぐことになり、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も引き継ぐことになります。債務控除は相続税の課税対象額を算出する際に、一定の債務と葬式費用などを差し引いて相続税を軽減する制度です。一方、税理士報酬は相続発生後に相続手続きの支援や税務上のアドバイスを受けるために発生する費用であり、債務とは直接的な関係がないので注意しましょう。

債務控除とは

債務控除は相続税法第13条・14条で定められており、被相続人が亡くなった時点で支払いが確実と認められる借入金や未払い医療費、葬式費用などが該当します。相続人が相続した財産に対して、相続発生時に残っている借金など相続人が負担する必要のある債務の額を差し引き、相続税の課税対象額を減らせます。債務控除額が大きいほど相続税を節税できるでしょう。1億円の現金を相続するのと同時に9,000万円の借金もあわせて相続した場合を例に挙げて解説します。この場合、1億円から9,000万円を差し引いた1,000万円に対して税金が課せられます。相続税の計算をする際は、プラスの財産だけでなくマイナスの財産にも着目して計算しましょう。

利用できる条件

債務控除を利用できる方は、相続人と包括受遺者に限られます。相続財産に控除できる債務が含まれていても、条件に当てはまらなければ債務控除を利用できません。包括受遺者とは、相続人が相続した財産を包括的に受け継ぐ人を指します。たとえば、被相続人の遺言によって「全財産の4分の1を遺贈する」など一部もしくは全部の割合を指定されている場合、包括的な遺贈にあたります。

しかし、相続人であっても下記の条件に当てはまる方は債務控除を利用できません。

相続放棄者
特定受遺者
制限納税義務者

他にも、債務が実際に存在している金銭消費貸借契約書や葬式費用の明細書などを証拠として添付する必要があります。請求書や領収書はもちろん、領収書などが発行されない場合はメモなどをきちんと残しておくことが重要です。

債務控除に該当する11のケース

債務控除は相続人が相続時に負担する必要のある債務が存在し、確実に支払う必要があると認められる場合に利用できます。たとえば、相続発生時に相続人が既に支払いを済ませてある債務については債務控除に該当しません。しかし、相続発生前に支払った債務でも相続人が被相続人の代わりに立て替えて支払いを済ませた場合などは債務控除の対象となる場合があります。ここでは一般的によく利用されている債務控除について、具体的に説明します。

case1:銀行等からの借入金

借入金は亡くなった人がいつかは返済する必要がある債務です。相続発生時点で確実に債務として認められる債務控除のひとつです。

case2:親族からの借入金

配偶者や子からお金を借りていた場合、金融機関から借りていた場合と比較して税務署から指摘される可能性が高くなります。もちろん、親族であろうとお金を借りていれば債務として認められます。しかし、親族だからこそ本当に借入だったのか、贈与ではなかったのかを証明する必要があると言えるでしょう。契約書の有無や借入れの経緯、契約内容、返済状況などを加味し、借入金として本当に認められるかを判断する必要があります。

case3:住宅ローン

住宅ローンは金融機関からの借入金となるので債務控除の対象です。しかし団体信用生命保険付き住宅ローンは債務控除の対象外となります。団体信用生命保険は債務者が亡くなった際に、保険金により住宅ローンの残債が補填されます。そのため、相続人が引き続き住宅ローンを支払う必要はなく債務はゼロ円です。

case4:所得税・住民税・固定資産税、社会保険料などの租税公課

被相続人が亡くなった後に納付した所得税・住民税・固定資産税、社会保険料などの租税公課も債務控除の対象です。固定資産税の場合、仮に生前1期だけ支払いを済ませ、残りの3期分が未払いでも2〜4期分も同様に債務控除の対象になります。また共有不動産にかかる固定資産税などは、共有持ち分に応じた金額のみ債務控除の対象です。

case5:医療費

被相続人が亡くなった後に、相続人が負担した未払いの医療費は債務控除の対象です。たとえば、被相続人の入院費用や手術費用、診療費、薬代などが未払いのまま残っていた場合などが挙げられます。相続人がこれらの費用を相続発生後に支払った場合には、その支払額が債務控除の対象です。しかし、債務控除できるのは被相続人にかかる医療費だけです。所得税法の医療費控除は生計一親族も対象ですが、相続税上の債務控除の対象にはできないので注意しましょう。また、最後の入院費用などと一緒に死亡診断書にかかる文書料を支払うケースもあります。文書料も債務控除の対象ですが、正確には債務ではなく葬式費用として債務控除の対象です。

case6:電気や水道料金などの公共料金

電気や水道料金などの公共料金についても、被相続人が亡くなるまでにかかった費用は債務控除の対象です。しかし、亡くなった後にかかる費用に関しては、相続人が負担すべき費用であり債務控除には含まれないので注意しましょう。

case7:保証債務

保証債務とは、主たる債務者が債務不履行などに陥った場合、債務者に代わって履行する債務を指します。たとえば、被相続人が第三者の借金の保証人になっているケースなどが挙げられます。保証債務は将来の支払いは未確定となり、原則として債務控除の対象外です。しかし、主たる債務者が弁済不能かつ主たる債務者に請求できない場合、弁済不能の金額のうち被相続人が負担すべき金額については債務控除の対象になります。

case8:連帯債務

連帯債務とはひとつの借入を複数人で全ての債務を負う契約です。被相続人が連帯債務者であり、負担すべき金額がきちんと契約で明確になっている場合は、明らかになっている金額を債務控除が可能です。たとえば、夫婦の連帯債務で住宅ローンを借入れる場合などが挙げられます。この場合、1人が主債務者、もう一人が連帯債務者として同じ債務を追う必要があります。

case9:賃貸不動産経営を行っていた場合の敷金

被相続人が賃貸不動産経営を行っていた場合、テナントや入居者から預かっている敷金や預かり資金などがあります。これらは一般的に預金で構成されていますが、あくまでも預かり金なので、債務控除の対象です。しかし、被相続人の預かり金が増えている場合のみ対象となるため、不動産管理会社を間に挟んでいたり共有不動産の場合などは注意が必要です。

case10:特別寄与料

相続人が特別寄与料を支払う場合は、支払いをした相続人の遺産取り分に対し、債務控除の対象となります。特別寄与料は、令和元年7月1日以降の相続開始から適用される新しい項目です。法改正される前は、法定相続人以外が被相続人に対して介護などに貢献しても相続財産について分配請求はできませんでした。しかし、法改正後は法定相続人でなくても被相続人の療養監護をし、財産の維持・増加などに寄与した者は、寄与に応じた金銭の支払い請求ができる制度です。

case11:葬式費用

葬式費用は債務ではありませんが、債務控除の対象です。

死亡診断書
葬儀費用
通夜などにかかった費用
火葬や納骨費用
お寺などのお礼
死体の捜索や運搬にかかった費用

お寺へのお礼など領収書などがない場合は、誰にいくら支払ったのかなどをきちんとメモしておくことが重要です。

債務控除を利用する際の注意点

債務控除の対象となる債務は、被相続人が亡くなった時点で支払いが確実と認められる借入金や葬式費用などに限られます。相続時点で相続人が既に支払いを済ませてある債務などは控除の対象外となる場合があるので、自身のケースが債務控除対象か正確に把握することが重要です。また、債務控除は相続税の節税対策のひとつですが、債務を引き継ぐということは、相続後に返済が発生することを意味します。被相続人が多くの不動産などの財産を有していても、同じくらいの負債を抱えていたらどちらが得なのか分かりにくいでしょう。債務引き継ぎによる返済負担や利益のバランスを考慮し、自身の状況に合った判断をすることが重要です。相続税申告においては、債務控除など相続税の負担を軽減する特例や控除の制度がたくさんあります。しかし、こういった制度を知らないで申告してしまうと相続税を多く払うことにもなりかねません。相続税に強い税理士など専門家のアドバイスを受けることで、正確な手続きや計算ができ、節税対策を効果的に行えるでしょう。

相続税に強い税理士の選び方についての詳細が知りたい方はこちらの記事「相続に強い税理士を選ぶおすすめポイントとは?」もぜひ参考にしてください。

まとめ

債務控除は、相続人が相続時に負担する必要のある債務の額を相続財産から差し引くことで、相続税の課税対象額を軽減する制度です。しかし、税理士報酬は相続税申告の支援や税法上のアドバイスなどに対する費用であり、相続税の債務控除に含まれません。相続財産から差し引くことができるのはあくまでも「債務」と「葬式費用」のみとなるので注意しましょう。相続税のクロスティでは、税理士業界でトップクラスの申告実績を誇り、相続税に関する豊富な知識と経験を持つ税理士が多数在籍しています。名古屋で相続税に強い税理士をお探しの場合は「相続税のクロスティ」へご相談ください。

最後に

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私たち、相続税のクロスティは、税理士法人の相続税を専門とする事業部から発足し、母体である名古屋総合税理士法人は創業以来50年以上、愛知県名古屋市にて東海エリアを中心に相続税専門の税理士として、皆さまの相続手続きをお手伝いしてまいりました。

相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携し、お客様におすすめの制度と対策をご提案させていただいております。私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。「相続の仕組みを知りたい」「相続税申告が必要かわからない」「まずは見積りだけほしい」など、まずはどんなことでもお気軽にご相談ください。ぜひ、お会いできる日を楽しみにしております。

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