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日本の相続税は本当に高いのか?世界と日本の相続税の違いと特徴

海外移住をすれば相続税を免れることができるのではないか?と考える方もいるのではないでしょうか。日本の相続税は他の国の相続税に比べて高いのでしょうか?そもそも外国の相続税はどうなっているのでしょうか?このページでは、日本の相続税は本当に高いのか?について、世界の相続税と比較しながら解説し、外国移住で相続税が安くなるかについてお伝えします。

目次
世界の相続税はどうなっている?
日本の相続税は高いのか?
そもそも、相続税が存在する理由とは
海外移住で相続税は安くなる?
まとめ

世界の相続税はどうなっている?

まず、日本と外国の相続税について確認しましょう。

日本の相続税

日本の相続税について、概要を確認しておきましょう。日本の相続税の基礎控除額は「3,000万円 +(相続人の数 ✕ 600万円)」です。例えば相続人が3人だとすると、4,800万円が基礎控除額となります。この基礎控除額を超える遺産がある場合に、金額に応じて10%~55%の累進課税で相続税が課されます。なお、平成27年1月1日以降の相続について上記の基礎控除額となっており、それ以前は「5,000万円 +(相続人の数 ✕ 1,000万円)」が基礎控除額となっていました。この改正によって、相続税の対象となる人が非常に増えたことになります。

アメリカの相続税

アメリカの相続税にあたるものは、「EstateTax」というもので日本語では「遺産税」と翻訳されます。アメリカでは、連邦遺産税(国税)と州遺産税(地方税)があり、連邦遺産税には1,140万ドル(日本円で約12億円)の基礎控除があります。この基礎控除額を超える遺産がある場合に、18%~40%の累進課税となっています。なお、州遺産税は州によって異なります。日本の基礎控除額が相続人3人だと4,800万円であることにくらべると非常に大きな差があり、すこし裕福であるくらいであれば相続税はかからないのが通常といえるでしょう。

イギリスの相続税

イギリスの相続税の基礎控除額は、32万5,000ポンド(日本円で約5,700万円)です。基礎控除額を超える遺産がある場合に、一律40%の相続税がかかります。日本やアメリカの累進課税と異なり、一律40%なので、遺産の額が少ないほど税負担の割合は増えるといえるでしょう。

フランスの相続税

フランスの相続税の基礎控除額は、相続人が誰かによって異なるのですが、子・孫など直系の子孫である場合には10万ユーロ(日本円で約1,400万円)となっています。なお、フランスでは夫婦の財産は共有であるという考え方があり、これに基づいて配偶者には相続税はかかりません。基礎控除額を超える遺産がある場合には相続税が、金額によって5%~45%の累進課税で課せられます。

ドイツの相続税

ドイツの相続税の基礎控除額は、配偶者が約6,500万円、それ以外の場合には約5,200万円となっています。相続税がかかる場合には7%~30%の累進課税になっており、日本よりも安いといえるでしょう。

相続税がない国

なお、このような相続税がない国があり、主な国としては次のようなものがあります。
香港・中国・シンガポール・マレーシア・タイ・オーストラリア・ニュージーランド・ロシア・スイス・スウェーデン・イタリア・モナコ

日本の相続税は高いのか?

では、日本の相続税は高いのかについて具体的に比較をして見ていきましょう。

主要国の相続税の負担率

財務省が公表している「主要国の相続税の負担率」というものが参考になります。

参考:「主要国の相続税の負担率|財務省」(URL:https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/itn_comparison/j05.htm(外部リンク))

上表は、次のような前提です。

相続人は配偶者子2人の3人
配偶者が半分を、残りを子が半分ずつ相続する
相続財産は3億円

相続税の負担率で順位をつけると次のようになります。
1位:イギリス(13.33%)
2位:日本(9.53%)
3位:フランス(8.11%)
4位:ドイツ(1.69%)
5位:米国(0%)

基礎控除額が非常に高い米国は、上記の遺産の額では相続税がかからない(課税価格が約27.4億円までは負担率が0%である)一方、基礎控除額を超えた場合の税率が一律40%であるイギリスが一番高いという結果になりました。日本はそれに次ぐ2位なので、日本の相続税も高いといえるでしょう。なお、累進課税をとっているため、日本は遺産の額が多ければ多いほど、税率が高くなります。そのため、遺産が11億円を超えるあたりで、イギリスの相続税負担率よりも高くなります。

相続税の税率を比較する

次に、相続税の税率で比較してみましょう。

比較をした5カ国の中で、最高税率は日本の55%です。

日本の相続税が比較的高い背景

日本の相続税が比較的高い背景として、相続税は比較的増税しやすいことが挙げられます。国が各種事業を行うための財源を確保するには、税収が必要です。相続税が問題となるのは、一定程度の資産を持っている少数の人たちのみで、所得税や消費税などを増税するよりもハードルが低いという側面があります。また、所得税や消費税を値上げするときの批判を交わすために相続税が改正されることがあります。上述のとおり、相続税の基礎控除額が改正され、基礎控除額が下がったのですが、このときは、2014年に消費税が5%から8%に増税され、国民の反発が高い状態でした。その批判を緩和するために、このような増税を行ったという考え方もあります。

今後の相続税の見通し

現在、相続税に関しては、生前贈与の持戻しについて3年分の持戻しを10年分に改正することが検討されていたり、生前贈与の基礎控除額110万円を廃止するなどが検討されています。いずれも相続税の課税を強化しようとするものです。「富の再分配」という考え方が進む可能性があり、その一つとして相続税の課税は強化される可能性が高いといえるでしょう。

そもそも、相続税が存在する理由とは

相続税が存在するのはどうしてなのでしょうか、国によっては相続税をなくしている理由とあわせて確認しましょう。

相続税が存在する理由は「富の再分配」

相続税が存在する理由の一つが「富の再分配」です。富の再分配とは、税制などを通じて、お金のある人からお金のない人に財産を移転させて格差をなくそうというものです。富の再分配をしなければ、お金がある人はずっとお金があるままで、お金がない人はずっとお金がないままであるという状態になり、固定化してしまうことになります。そのため、社会的な公平性や社会を活性化するために、富の再分配が成されます。相続税の存在そのものが「富の再分配」であり、所得税でも法人税でも存在している「累進課税」が富の再分配という考え方に基づくものです。

不労所得に対しては課税すべき

相続のように労働によらず得た財産のことを「不労所得」と呼びます。労働によって得た所得に対しても所得税などの税金がかかるのに、たとえそれが親から受け継いだものであったとしても、不労所得に税金がかからないというのは、不労所得を得ることができない人からすると不公平です。この不公平を解消するために、相続税があるといわれてます。

所得税を補完する機能がある

相続税には所得税を補完する機能があるとされています。つまり、相続税は所得税として支払うべきだったもので、課税の対象にならなかったものを支払ってもらうという側面があるのです。所得税には、多くの控除や非課税・軽減がされる制度があり、これらを使うことによって節税することが可能です。ここで節税したものが遺産として残っているというのであれば、本来は課税すべきであったものといえるため、相続税で課税することで所得税を補完しようという考えです。

相続税がない国の目的は?

一部の国では相続税そのものが無いことをお伝えしました。これらの相続税をなくしている国は、国内の富裕層が流出してしまうのを防いだり、また国外の富裕層を呼び込むことを目的としていると考えられています。相続税の課税の対象となる富裕層としては、重税を課税されるのであれば遺産を国外に移したり、より相続税が軽い・相続税のない国に帰化するという考えにもなりかねません。また、相続税がなければ、外国で相続税を課されている人々の移住先に選ばれる可能性もあります。

海外移住で相続税は安くなる?

では実際のところ、海外に移住をしたり、海外に資産を移せば相続税はかからなくなるのでしょうか。

相続税のない国に財産を移した場合

相続税のない国に財産を移した場合、相続税はどうなるのでしょうか?これは、日本に居住しているか、外国に居住しているかによって異なります。

日本に居住している場合

まず、日本に居住している以上、外国に財産を移しても、日本の相続税法が適用され、相続税の課税対象となります。

海外に移住したが10年を超えていない場合

海外に移住をした場合でも、10年を超えていなければ国外の資産も日本の相続税の対象になります。

海外に移住して10年を経過している場合

海外に移住して10年を経過すると、日本の相続税の対象となりません。

海外に財産を移した場合に税務署は見つけることができるのか?

海外に財産を移した場合に、税務者はこれを見つけることができるのでしょうか。まず、銀行口座の流れは税務署はいつでも見ることが可能です。そのため、外国への送金については税務者は容易に見つけることができます。また、富裕層の国外財産を調査するために、税務署に重点管理富裕層プロジェクトチームというものが設けられており、富裕層の資産を調査しています。(参考:富裕層=1億円以上の金融資産を持っている人)また、3億円以上の財産または1億円以上の有価証券等をもっているような場合には、財産債務調書の提出を求めています。さらに5,000万円超の国外資産がある場合には、国外財産調書の提出を求めています。相続税がかかるような人の海外資産については、基本的には把握可能であるといえるでしょう。

まとめ

このページでは、日本の相続税は高いのか、外国の相続税と比較して解説しました。最高税率では主要国の中でもトップで、比較的高いといえるでしょう。とはいえ、節税のために国外に資産を移しても、完全移住と10年経過が必要であり、海外移住もハードルが高いといえます。節税を考える際は安易な節税方法に頼らず、資産の構成や家族構成などを考慮して最適な方法を検討すべきです。まずは税理士に相談してみてください。

最後に

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