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相続マメ知識

生前贈与か名義預金かはどうやって判断するの?

今回の内容はvol.248「生前贈与か名義預金かはどうやって判断するの?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


相続税申告を進めていく中で、名義預金に該当するのか、生前贈与に該当するのか迷うときがあります。相続税法や財産評価基本通達には、名義預金なのか生前贈与なのかという判定方法は実は明記されていません。そのため、過去の判例などを参考にしながら、あらゆる角度からどちらに該当するのかを総合的に検討する必要があります。この記事ではどのように判定されるのかをわかりやすく解説していきます。

名義預金とは

名義預金とは、亡くなった方の名義ではないのに相続税の対象となってしまう預金のことです。例えば、妻や子、孫名義などの預金でその原資を被相続人(亡くなった方)が拠出し、口座の管理を被相続人が行っていた場合、名義預金に該当します。

生前贈与(特別受益)とは

生前贈与とは、自身の財産を無償で相手に交付することを言います。相続対策として自身の子や孫に贈与税の非課税枠である110万円以内で贈与するといったケースが多いです。生前贈与は、渡す側ともらう側の双方の合意が必要な諾成契約(当事者が口頭で意思表示を行い、合致することで成立する契約)です。また、贈与を成立するためには、もらった財産の管理は、もらった人がしなければいけません。

生前贈与か名義預金かの判定方法

生前贈与に該当するのか、名義預金に該当するのかの判定は、以下の事項を総合的に勘案して検討していきます。

① 贈与契約書の有無

贈与契約書が適正なものであるならば、贈与が成立していると判断していいでしょう。贈与契約書が適正ではない場合とは、贈与者に意思能力がなかった(認知症や昏睡状態)場合などが想定されます。また、贈与契約書の真実性を高めるためにも、贈与者、受贈者ともに自署押印しておきましょう。まれに、贈与契約書があるにもかかわらずその後の預金の管理を贈与者がやっているケースがあります。この場合は贈与が成立したとは言えません。契約通りに贈与を実行しましょう。

② 預金口座開設時のサイン

名義預金で問題になるのは、受贈者名義の口座を誰が開設したのかです。その口座を贈与者である被相続人(亡くなった方)が開設していた場合は、名義預金と疑われる可能性が高いので、名義人である受贈者が開設しましょう。

③ 銀行届出印

名義預金の判定でその口座の銀行届出印が贈与者のものと同一かどうかが問題となることがあります。名義預金と疑われないためにも、贈与を受けたお金を保管しておく口座の届出印は、受贈者独自の届出印にしておくことをオススメします。

④ 届出印、通帳、キャッシュカードの保管場所

受贈者名義の預金口座にかかる届出印やキャッシュカードなどは、保管者が贈与者になっていた場合は、名義預金と疑われてしまいます。贈与が成立していると立証するためにも受贈者が管理しましょう。

⑤ 金融機関からの郵送物

金融機関からの郵送物が受贈者ではなく贈与者に届いていた場合には名義預金と疑われてしまいます。郵送物は受贈者に届くようにしておきましょう。

⑥ 受贈者が自由に使える状態か

贈与を受けたお金を受贈者が自由に使える状態でないと贈与が成立したとは言えません。自由に使える状態でも手を付けていなかった場合は、なぜ手を付けていなかったかという理由も確認しましょう。

⑦ 贈与者の意思能力

贈与当時に被相続人に意思能力があったかどうかも必ず確認しましょう。もし、その後認知症になってしまった場合、発症時期等も確認し、贈与日との前後関係を確認しましょう。

⑧ 贈与税申告書の有無

年間110万円を超える贈与をして贈与税申告書を税務署に提出していた場合、贈与成立と認定される可能性が高いです。ただし、こちらも贈与者側で実施していた場合には贈与不成立と認定される可能性もありますので、申告書を出しているので安心というわけではありません。

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最後に

生前贈与なのか名義預金なのかの判断は、はっきりと判定するルールがあるわけではないので、判断がとても難しいです。過去の事例や、相続人の状況などをもって総合的に判断していきます。判断が個人では難しい場合には、名義預金とした場合と生前贈与とした場合の2パターンで税額シミュレーションを行うことをオススメします。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

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