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相続マメ知識

未分割の遺産がある場合の相続税申告の注意点とは?

今回の内容はvol.210「未分割の遺産がある場合の相続税申告の注意点とは?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


相続税の申告は基本的には遺産分割を済ませてから行います。しかし、相続人の間でもめている場合など遺産分割がスムーズにいかず相続税申告ができないケースがあります。遺産が未分割の場合、法定相続分で仮の計算をし相続税の申告を行うことが可能です。ただし、遺産分割を仮の計算で行い申告する場合、デメリットがあります。

遺産が分割できないときの申告

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った翌日から10ヶ月です。そのため、この期限までに遺産分割をする必要があります。もし、遺産分割ができない場合は、民法の規定による法定相続分で遺産を分割したと仮定して申告をします。その後、遺産分割が正式に確定したら、実際の遺産分割の割合で申告をやり直します。もし税額が仮で納めた場合より増え、追加で納める場合は「修正申告」、仮で納めた場合より減って還付を受ける場合は「更正の請求」を行います。

期日までに申告をしなければならない理由

未分割の遺産がある場合、申告期限までに仮の申告をして、後日、修正申告または更正の請求をするため二度手間になってしまいます。それなら遺産分割が決まってから申告すればいいのでは?と思われるかもしれませんが、二度手間になるとしても期限までに申告をしなければならない理由が2つあります。

① 相続税の申告期限を過ぎると翌日から税額が加算されてしまう

申告期限までに申告・納税しなかった場合、翌日から延滞税と無申告加算税が課されます。

② 相続税の申告期限は延長できない

原則申告期限の延長はできません。特殊な事情がある場合は延長が認められることもありますが、相続人間でもめているといった理由では認められません。

未分割のまま相続税申告をする場合の注意点

遺産が未分割のまま相続税を申告するときは、以下の問題点に注意が必要です。

① 配偶者の税額軽減の特例を適用できない

配偶者の税額軽減とは、相続財産が法定相続分以下、または1億6,000万円以下である配偶者には相続税がかからないという特例です。遺産が未分割だとこの特例を受けることができません。ですが、期限内の申告の際「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出すれば、後日税額軽減を受けることができます。

② 小規模宅地等の特例を適用できない

小規模宅地等の特例とは、相続財産のうち居住や事業のために使っていた宅地について、相続税を計算する際の財産評価額を最大80%減額できる制度です。この特例も遺産が未分割だと受けることができません。配偶者の税額軽減の特例同様、期限内の申告の際に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出すれば、後日特例を適用できます。

③ 農地・非上場株式の納税猶予が受けられない

農地の納税猶予の特例では、農地を相続して農業を続ける場合、一定の要件のもとで農地に係る相続税の納税が猶予されます。また、非上場株式の納税猶予では、非上場株式を相続して事業を続ける場合、一定の要件のもとで非上場株式に係る相続税の納税が猶予されます。どちらの制度も遺産が未分割のままでは受けることができません。

④ 物納ができない

相続税は現金納付が基本ですが、一定の要件のもと物納が認められる場合があります。しかし、所有権が確定していない財産は、物納の要件の1つである「管理処分不適格財産に該当しないもの」を満たしていないため物納することはできません。

⑤ 遺産を納税に充てれない

遺産が分割できていないと預金を引き出すことができません。そのため手持ちの資金から相続税を納税する必要があります。

未分割の遺産から得られる不動産の所得はどのように申告するのか

相続財産のうちアパートなどの賃貸物件が未分割の場合、どのように申告すればいいのでしょうか?そもそも遺産分割が確定するまでは、相続人全員の共有の財産となります。ですので、未分割の賃貸物件から得られる不動産所得は、相続人全員が法定相続分で分け合うことになります。たとえ特定の相続人が収益を管理していたとしても、不動産所得に関する所得税は相続人の全員が申告する必要がありますので注意しましょう。

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最後に

相続税の申告期限までに遺産分割ができなければ、実質2回の申告を行うことになります。相続手続きを行いながら2回の申告をミスなく行うのはとても大変です。申告期限に間に合いそうにない場合は税理士に一度相談することをオススメします。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

運営:名古屋総合税理士法人
(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)

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