そもそも相続税対策ってどういうことなの?
今回の内容はvol.202「そもそも相続税対策ってどういうことなの?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
相続税における相続対策としては次の3つが挙げられます。
① 節税対策
② もめごと対策
③ 納税資金対策
相続税の節税対策
節税対策とは、相続が発生した時の相続税の負担をできるだけ抑えるように次のような対策を行うことをいいます。
生前贈与
生前贈与とは、相続が発生する前に個人の財産を子や孫など他の方に贈与することで相続税の課税対象額を減らしていくというものです。生前贈与は節税対策の中心になります。贈与にも贈与税がかかりますが、贈与税基礎控除110万円の活用、相続時精算課税制度の活用、住宅取得等資金の贈与税の非課税の活用、贈与税の配偶者控除の活用、といった制度や、収益不動産の贈与、保険料の贈与といった贈与対象財産の選択などの場面において、工夫することができます。
財産の評価額の引き下げ
財産評価の引き下げとは、相続税の制度に設けられている特例などを利用し、相続税を軽減させる方法です。中心になるのは不動産関連の諸規定の活用です。例えば、「小規模宅地等の特例」を使えば土地の評価額を最大80%(貸付けの場合には50%)減らすことができます。80%も評価を下げることができるので、とても大きな節税効果があります。その他にも、不動産の利用方法に着目した評価額の引き下げ、非課税財産の購入、生命保険の活用などの手段もあります。また、不動産は現金よりも7~8割程度低く評価されるので、現金を遺すよりも土地や建物にしておいた方が節税につながるケースもあります。
その他
他にも、養子縁組の活用、法人制度の利用によっても相続税の負担を軽くすることができます。
相続で避けたい「もめごと」の対策
相続で避けたいのは相続争いです。相続をきっかけに、それまで仲の良かった家族が、その後一切の付き合いを断ってしまったという話は珍しくありません。
遺言による対策
生前に遺言書によってあらかじめ「誰に何を与えるか」を明確にしておくことが争いの抑止力になります。また、遺言を作る場合はすべての相続人が納得できるような公平性に配慮する必要があります。
生前の財産整理による対策
相続税の手続きをスムーズかつ効率的に進めるために、財産の内容を把握しておく必要があります。相続財産がどれくらいあるかが分からなければ、そもそも相続税の申告をしなくてはいけないのかどうかも判断できません。ですので、あらかじめ相続人に財産内容を伝えておいたり、財産目録を作成しておくことをオススメします。
相続税の納税資金対策
納税資金の確保に苦心するのは、相続財産に現預金が少ないケースや遺産分割協議がまとまらず、預金をいつまでも引き出すことができない(亡くなった方の預金口座の凍結のため)というケースです。そこで生前に自身の遺産の棚卸を行い、相続税のシミュレーションを行います。そこで試算された相続税が保有する金融資産だけだと足りない場合は、納税資金の対策が必要になります。納税資金の対策としては、相続税額を軽減する節税対策や、生命保険の活用、不良資産の売却等が考えられます。不動産の売却等はすぐには現金化が難しいので、被相続人が存命中に現金化しておくという対策も検討しましょう。それでも金銭での一時納付が難しい場合には、延納や物納、納税猶予制度の活用も考える必要があります。
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生命保険と生前贈与~相続税の節税対策~
一つでも当てはまる方は、生前の相続対策をお勧めします。
最後に
相続が発生した時、相続税の納付に困難にならないよう、事前に対策をとる必要があります。まずは財産を把握し、どのような対策がとれるか専門家に相談することをオススメします。相続税に関する法律は度々改正されます。内容も複雑で、経験が豊富な税理士でないと大変難しい分野です。そのため、相続税を得意としている税理士にお任せしましょう。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りすべく、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。相続税シミュレーションも随時行っていますので、ぜひお気軽にお問合せください。
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