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相続マメ知識

相続において、死亡退職金はどのように扱われるの?

今回の内容はvol.189「相続において、死亡退職金はどのように扱われるの?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


遺族が受取人となる死亡退職金は、原則「みなし相続財産」として相続税が課税されます。死亡退職金には相続税の非課税枠があり、全ての金額に税金がかかるわけではありません。死亡退職金の受け取り人が誰なのか、法定相続人が何人いるかで非課税枠の金額が変わるので、注意が必要です。

死亡退職金には相続税がかかる

被相続人が亡くなった日から3年以内に給付が確定した死亡退職金は、「みなし相続財産」として相続税が課税されます。死亡退職金は被相続人が死亡した時点で保有している財産ではないので相続財産ではないのでは?という疑問が生じるかと思いますが、死亡退職金は「被相続人の死亡を契機として支払われる金銭」ですので、実質的には財産を相続したのと同じ扱いになります。そのため「みなし相続財産」となります。

死亡退職金とは?

死亡退職金とは、亡くなった人が務めていた会社から受け取るはずだった退職金手当や功労金等のことです。日本では一定年数以上勤続した従業員に対しては、退職時に退職金を支払うことが多いです。通常は定年に達した時に退職ということになりますが、定年よりも前に従業員が亡くなってしまった場合でも退職金は支払われます。その場合、亡くなった方は退職金を受け取れないので遺族が代わりに受け取ります。

① 死亡によって退職した場合

死亡によって退職した場合、受取人が決まっていれば「受取人固有の財産」、受取人が決まっていない場合は「相続財産」として扱います。受取人が決まっている場合は遺産分割協議の対象にはなりませんが、決まっていない場合は遺産分割協議の対象になります。

② 退職後に死亡した場合

被相続人が生前に退職をし、退職金を受け取る前に死亡した場合は死亡退職金ではなく、「未払い退職金の請求権」といいます。この未払い退職金の請求権は相続財産として扱いますので、遺産分割協議の対象となります。

死亡退職金の受取人

「受取人固有の財産」として扱う場合

受取人が誰になるかが被相続人が務めていた会社の退職金規定などにより決まっている場合です。多くの企業では以下の順位で受取人が決められていることが多いです。

受取人の順位

① 労働者の配偶者(事実婚含む)
② 労働者の死亡当時、その収入によって生計を維持していた労働者の子、父母、孫および祖父母
③ ②に該当しない労働者の子、父母、孫および祖父母、兄弟姉妹、もしくは遺言書によって指定された者

※法定相続人の順位とは異なりますので注意が必要です。

「相続財産」として扱う場合

法定相続人全員で行う遺産分割協議によって、死亡保険金の受取人を決定します。受取人は複数人いても構いません。誰が受取人になるかは、法定相続人の順位、遺産分割の内容、遺言書の有無などをもとに、総合的に判断する必要があります。

死亡退職金に課税される税金の種類

退職金手当等の支給が確定したタイミングによって課税される税金の種類が変わります。

死亡後3年以内に支給が確定 → 相続税

被相続人の死亡日から3年以内に退職金手当等の支給が確定した場合、その退職手当金等はみなし相続財産として扱われます。ですので、死亡退職金の受取人には相続税が課税されます。実際に死亡退職金を受け取ったのが死亡日から3年以上経過していても、確定した日が3年以内であれば相続税の課税対象になりますので注意が必要です。

死亡後3年経過後に支給が確定 → 所得税(一時所得)

被相続人の死亡日から3年経過して退職手当金の支給が確定した場合、受取人の一時所得として所得税の課税対象になります。死亡退職金に一時所得として所得税が課税される場合は確定申告を行う義務があります。

死亡退職金の非課税枠

死亡退職金は、以下の計算式で算出した金額分は非課税となります。

法定相続人の数 × 500万円

※法定相続人の中に養子がいる場合は計算方法が異なります。

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最後に

死亡退職金は、「死亡による退職」と「退職をしてから死亡」の2種類の考え方があります。また、会社の規定等も絡み扱い方や判断が難しいものです。そのため、ご自身での判断や手続きに自信のない方は、一度、相続税に強い税理士に相談することご検討ください。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。

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(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)

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