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相続マメ知識

相続の「遺留分」を税理士がわかりやすく解説します!

今回の内容はvol.185「相続の「遺留分」を税理士がわかりやすく解説します!」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


遺留分とは?

「遺留分」とは、相続人の中で一定範囲の人たちに一定の相続財産の取り分を保証するという制度です。つまり、相続人が最低限の金額は必ず相続できるように保障されているということです。相続人の生活を守るという意味もあります。

遺留分はだれでも認められるのか?

遺留分が認められるのは以下の相続人です。
・ 配偶者
・ 子ども
・ 直系尊属(親・祖父母)
・ 孫(子が亡くなっている場合)

遺言などによって「全財産を次男に相続する」など遺留分を侵害するような内容が書かれていても、上記の人は遺留分減殺請求を行うことで財産を受け取ることができます。

遺留分の割合

基本的には、「法定相続分の2分の1」が遺留分になりますが、直系尊属のみが相続人の場合は、「法定相続分の3分の1」が遺留分となります。

【例】夫が亡くなり、相続人は妻と子2人の場合
法定相続分は、妻が2分の1、子どもがそれぞれ4分の1ずつとなります。遺留分はその2分の1になるので、妻が4分の1、子どもがそれぞれ8分の1ずつとなります。

上記の例で、具体的な金額に当てはめると以下の通りになります。
遺産総額が2億円の場合
・3人に認められる遺留分:2億円 × 2分の1 = 1億円
・配偶者の相続分:1億円 × 2分の1 = 5,000万円
・子どもAの相続分:1億円 × 4分の1 = 2,500万円
・子どもBの相続分:1億円 × 4分の1 = 2,500万円

遺留分を侵害する遺言は書けないの?

法定相続人の遺留分を侵害することが明らかな遺言でも、遺産分割協議の段階においては一応有効です。遺留分は、遺産分割が行われた後に遺留分がある法定相続人から、遺産を実際に相続した人に対して遺留分の分配を求める訴えが起こされて初めて実現します。ですが、遺留分を侵害する遺言は争族のもとにもなりかねませんので、遺留分を侵害しないような遺言を書き、遺留分を考慮した遺産分割を行いましょう。

遺留分を減らす方法

遺留分については理解したが、それでもなるべく相続させたくないという方もいるかと思います。基本的に遺留分を減らすためだけに行ったことは無効になってしまう可能性がありますが、結果的に遺留分が減らせるという方法はあります。

遺留分を生前に放棄してもらう

遺留分は争族が発生する前に放棄してもらうことが可能です。この手続きは放棄する人が自ら家庭裁判所に出向き手続きをする必要があります。本人が遺留分を放棄することに納得しているということが大前提です。

生前贈与で遺産を減らす

相続発生前に生前贈与で財産を渡しておけば、亡くなったときの遺産が減るので、結果請求される遺留分の金額も減ることになります。ですが、生前贈与は特別受益になりますので、過去の生前贈与も含めて遺留分を計算しなくてはいけません。特別受益には10年の時効がありますので、10年が経過すれば遺留分の計算に含まなくてもよくなります。孫への贈与であれば1年で時効となります。
(※ただし、遺留分を持つ人に損害を加えることを知っていた生前贈与は10年以上前でも持戻し計算の対象となる場合があります。)

養子縁組で法定相続人を増やす

法定相続人の人数が増えることで、1人当たりの法定相続分も減り、遺留分の割合も少なくなります。

生命保険に加入する

生命保険金は法律上、亡くなった人の遺産とは考えずに受取人固有の財産として考えます。そのため生命保険金は、原則として遺留分の計算の対象ではありません。この性質を利用すれば、生命保険金という形で財産を受け取ることができますし、保険料を支払ったことで財産は減少するので遺留分も減少することになります。

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最後に

被相続人が好きなように生前贈与や遺言を行っても、相続人には一定額を保証する「遺留分」を請求できます。遺留分を侵害するような遺言や生前贈与は争族のもとにもなりかねませんので、一度専門家に相談することをオススメします。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携し、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。遺留分に配慮した遺言の作成や、遺産の分け方など、どんな些細なことでも一度ご相談ください。

運営:名古屋総合税理士法人
(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)

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