死亡退職金の規定を設けて相続税額を低くすることはできるのか?
今回の内容はvol.137「死亡退職金の規定を設けて相続税額を低くすることはできるのか?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
自社株式に与える影響
自社株式の評価は、原則、相続発生時点の財産内容や同業他社の株価などを基準に計算されます。これに対して死亡退職金の支給は相続発生後に残された経営陣らの意思によって決定されるものであり、原則に従えばこの支給は相続税評価額には影響せず評価は下がりません。しかし、会社が遺族に支払った死亡退職金はみなし相続財産として被相続人の相続財産に加算されます。ですがこれでは「受け取った側では加算し、支払った側では控除できない」という矛盾が発生してしまいます。この矛盾を解消するために、財産評価基本通達では自社株式評価のうち純資産価額の計算において、支給が確定した死亡退職金の額を「負債」としてもよいと明記しています。つまり、支払いが確定した死亡退職金の分だけ純資産額が減少し、純資産価額の株価は下がります。
死亡退職金を受け取った側の財産評価
支給が確定した死亡退職金はみなし相続財産として被相続人の相続財産に加算されます。しかしその死亡退職金を相続人が受け取った場合には、相続税の非課税制度があります。具体的には受け取った死亡退職金のうち、「500万円 × 法定相続人の数に相当する金額(非課税限度額)」までは相続税がかかりません。そのため結果的に、非課税限度額の範囲内で死亡退職金を支給すれば、その分の自社株式評価額が引き下がるのみということになります。
最後に
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