葬式費用は誰が支払うの?葬式費用と相続の関係
今回の内容はvol.81「葬式費用は誰が支払うの?葬式費用と相続の関係」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
葬式費用と相続
被相続人の葬式費用は、通常は被相続人が亡くなった後に発生します。そのため葬式費用は被相続人の遺産には当たらず、相続手続きの対象にはなりません。そのため、法定相続分に応じて各相続人が負担するということにはなりません。では、誰が葬式費用を負担すべきなのでしょうか。これについては法律上で定められていることはなく、過去の裁判例においても、
葬儀主宰者が負担する(葬儀主宰者説)
相続財産から支出する(相続財産説)
共同相続人が分担する(共同相続人説)
慣習、条理によって負担者を決める(慣習、条理説)
などの説に分かれていて、一般的には葬式費用は実質的な葬儀の主宰者が支払うものとされています。
香典の取扱い
一般的に香典は、葬式費用の負担を軽くするための相互扶助の慣行によって供えられるものでもあるので、香典の受取人も葬儀の主宰者である喪主と考えられています。香典はまず喪主によって葬式費用に充てられ、その残りが出た場合は、法事や墓守をしていく主宰者が祭祀費用として取得するのが香典の性質に合っていますが、香典の残りを遺族に分配しても問題はなく、遺産分割として位置づけられるものではありません。
被相続人の勤務先から香典のほかに弔慰金が支給されることがありますが、弔慰金は生計を共にしていた遺族を慰め、援助するという性質が強いので、多くの場合、勤務先の規定で受け取る遺族が定められています。弔慰金も受領した相続人固有の財産となるので、葬式費用に充てるべきかなど法律上の定めはなく、相続人の考えに委ねられています。
最後に
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