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投資信託の相続税評価方法を徹底解説

投資信託の相続税評価と聞くと難しそうで理解しにくいイメージがあるかと思いますが、実は種類がわかれば誰でも相続時の価値を計算することができます。今回の記事では、投資信託の相続税が一体いくらになるのか、どのように評価していくのかを、名古屋でも相続税申告件数トップクラスの税理士が解説していきます。

目次
投資信託とは?
投資信託の種類
投資信託の相続税評価方法
投資信託を相続する際に必要な手続き
投資信託の相続税評価をするうえで注意すべきこと
まとめ

投資信託とは?

ここ数年よく耳にする「投資信託」という言葉ですが、そもそも投資信託とは何なのでしょうか?投資信託とは、投資を業とするプロが投資家からお金を集め、その集めたお金を株式や債券等に投資・運用する投資商品の一つです。投資信託は、以下の3つが主体になって運営されています。

販売会社(証券会社、銀行、郵便局など)
信託銀行
運用会社

この3つのうち、販売会社が窓口になって投資家と投資信託をつないでいます。そのため、投資家は販売会社である金融機関とやり取りを行います。

投資信託の種類

一般的な投資信託には以下の種類があります。相続税を評価するうえで決算日が関係してきますので、どの種類の投資信託なのかは事前に調べておきましょう。

証券投資信託(MRFや外貨建MMFなど)
上場投資信託(ETF)
証券投資信託、上場投資信託以外の証券投資信託
不動産投資信託(J-REIT)

MRFや外貨建MMFは毎日決算ですが、ETFやJ-REITは年1~4回など、商品によって異なります。種類の確認方法ですが、金融機関や証券会社から送付される取引残高報告書の残高明細の部分に決算日が書いてあるので、そちらを確認します。もし残高証明書がないという場合は、金融機関等に取引残高証明書を請求しましょう。ただし、請求は相続人や遺言執行者、相続財産管理人のみになりますのでご注意ください。

投資信託の相続税評価方法

投資信託の種類がわかったら、次は相続税評価額を計算していきます。

MRFの評価方法

投資信託がMRFに該当する場合、相続の発生日の評価額を以下の計算式で算出します。

1口当たりの基準価格(基本的には1円)× 口数 + 再投資されていない未収分配金 - 未収分配金に対して源泉徴収されるべき所得税の額 - 信託財産留保額および解約手数料

外貨建MMFの評価方法

外貨建MMFもMRFと同じ計算式で評価します。ですが、1つ注意しなければならないのが通貨の違いです。外貨建MMFは外国の通貨を扱っている投資信託なので、評価額を計算する際に一度日本円に換算する必要があります。日本円に換算する際のレートは、原則、相続が発生した日の最終の電信買相場、または、これに準ずる相場を用います。もし、相続発生日が祝日など為替のレートが公表されていない場合は、相続発生日の前の最も近いレートで計算しましょう。

上場投資信託(ETF)の評価方法

上場されている投資信託は株式市場で売買が行われています。そのため、株式市場での取扱金額をもとに評価を行います。具体的には以下の金額の中から最も有利な(低い)金額によって評価します。

相続があった日の終値
相続があった日の属する月の取引日ごとの終値の平均値
相続があった日の属する月の前月の取引日ごとの終値の平均値
相続があった日の属する月の前々月の取引日ごとの終値の平均値

2つ以上の取引所に上場していて異なる金額で取引されている場合にも、有利な金額の方を選択することが可能です。

残高証明書に終値の記載がない場合

終値を求める際、相続があった日が休日で市場の取引がないという場合もあると思います。市場の取引がなかった場合は、その相続があった日から最も近い日の終値を相続があった日の終値とします。相続のあった日が連休のど真ん中など、最も近い日が2日ある場合は、それらの金額の平均値を終値とします。

証券投資信託、上場投資信託以外の証券投資信託の評価

証券投資信託、上場投資信託以外の証券投資信託(以下、一般的な証券投資信託)を評価する際は、まず投資信託の1口当たりの金額に口数を乗じた金額を計算します。一般的な証券投資信託は1万口当たりの金額が公表されていることが基本なので、それを基に1口当たりの金額を求めます。その後、相続が発生した日において、投資信託を換金したと仮定した場合に発生する譲渡益に課せられる所得税額と、解約に必要な手数料や信託財産留保額等を控除した金額が評価額となります。計算式は以下の通りです。

1口当たりの基準額 × 口数 - 相続が発生した日において換金した場合に譲渡益に源泉徴収されるべき所得税額 - 信託財産留保額および解約手数料

一般的な証券投資信託を相続する場合、譲渡益に課されるべき所得税額や信託財産留保額の金額を控除することを忘れがちです。控除を忘れるとその分投資信託評価額が高くなり、支払うべき相続税の額も高くなってしまいます。そうすると損をしてしまいますので、必ず忘れないで控除しましょう。

不動産投資信託(J-REIT)の評価方法

不動産投資信託は、不動産に投資することで運用益を得ることを目的としています。国内では上場投資信託と同じように評価することが定められています。ですので、

相続があった日の終値
相続があった日の属する月の取引日ごとの終値の平均値
相続があった日の属する月の前月の取引日ごとの終値の平均値
相続があった日の属する月の前々月の取引日ごとの終値の平均値

の金額の中から最も有利な(低い)金額で評価します。なお、現在国内で不動産投資信託を扱っているのは東京証券取引所のみのため、2つ以上の取引所に上場されている場合については考えなくて大丈夫です。

投資信託を相続する際に必要な手続き

投資信託は証券口座で管理されており、通帳がないタイプも多いため、家族が投資信託をしていたかどうか全く知らないというケースも少なくありません。また、もし知っていたとしても投資信託の運用報告書や取引残高報告書が被相続人宛てに宛にメール等で送信されていて、詳細がわからないという場合もあります。投資信託を相続するには、金融機関で名義変更するなどいくつかの手続きが必要になってきますが、遺言書の有無によって対応が変わりますので、投資信託の情報だけではなく、遺言の有無も確認しましょう。一般的な手続きの流れは以下の通りです。

① 証券会社への連絡

被相続人が亡くなったことを証券会社に連絡します。死亡の連絡をすると証券口座は凍結されてしまいます。

② 残高証明書の発行を請求

相続発生時の残高を確認するために、残高証明書の発行を請求します。信託銀行によって請求方法が変わりますので、事前に確認しておきましょう。

残高証明書の発行手続き

残高証明書の発行は、証券会社または銀行の窓口で行います。証券口座を作った支店で手続きするとスムーズに発行できるのでオススメです。残高証明書を発行する際には、以下の書類が必要です。

亡くなった人の除籍謄本(死亡の事実を確認するために必要)
戸籍謄本(手続きする人が相続人であるということを証明する際に必要)
手続きする人の印鑑証明・実印
手続きする人の本人確認書類
残高証明書の発行依頼書

手続きをするには700~800円程度の手数料がかかります。発行までは1週間~10日ほどかかりますので、余裕をもって手続きしましょう。残高証明書の発行手続きには相続人が一人いれば大丈夫ですので、相続人全員が集まる必要はありません。また、代理人に手続きを依頼することも可能ですが、その場合は相続人からの委任状が必要です。

③ 遺言書がある場合

被相続人が自筆証書遺言書を作成していた場合は、開封するのに家庭裁判所の検認が必要です(公正証書遺言は検認不要)。検認済証明書の発行には1カ月以上かかる場合がありますので、スケジュールには余裕をもっておきましょう。遺言書にしたがって相続するときは以下の書類を証券会社または信託銀行に提出します。

証券会社指定の相続手続き請求書
遺言書と検認済証明書(自筆証書遺言の場合)
被相続人の死亡がわかる戸籍謄本
印鑑証明書(相続人または遺言執行者)

④ 遺産分割協議を行う場合

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行います。協議がまとまったら遺産分割協議書を作成しましょう。投資信託の相続人が決まったら、証券会社または信託銀行に以下の書類を提出し、相続手続きを行います。

証券会社指定の相続手続き請求書
遺産分割協議書
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書

⑤ 口座開設と証券口座の移管

投資信託を現金化せず相続する場合、被相続人の口座を解約して現金化する手続きではなく、信託残高の口座移管手続きとなります。つまり、相続人名義の証券口座がなければ相続手続きに応じてもらえません。事前に口座を開設しておきましょう。その際、被相続人とは別の信託銀行で口座を開設して手続きすることもできますが、同じ銀行にしておいた方がスムーズに手続きを行えます。

投資信託の相続税評価をするうえで注意すべきこと

投資信託の相続税評価額を算出する際には、様々な注意点があります。遺産分割のタイミングによっては大きく損をする可能性もありますし、相続税以外の税金が課せられるケースもありますので注意しましょう。

株式の配当金に漏れがないかチェックする

株式の種類によっては証券会社や金融機関に預けられてないものもあります。例えば、亡くなった人が株式を券面で保有していた場合、その株式は残高証明書に掲載されません。ですので、残高証明書に記載されている株式以外にも株式があるかどうか確認する必要があります。亡くなった人の所有していた株式をチェックするためには、生前受け取っていた配当金の額を参考にしましょう。把握している株式数と配当金額を掛けて金額が合えば、把握している株式がすべてと判断できます。株式は正しく申告することで配当控除(配当金額に応じて住民税や所得税が控除される制度)を受けられます。控除をしっかりと受けるためにも、株式の見落としが本当にないのか必ずチェックしましょう。

配当期待権にも税金が発生する

株式の配当基準日を過ぎると「配当期待権」という権利が生じます。配当基準日以降、配当を受け取る前に亡くなった場合、配当期待権も相続人に引き継がれます。そうすると、この配当期待権も税金の対象になりますので注意しなくてはいけません。忘れないように相続財産として申告しましょう。基準日よりも前に亡くなっていれば配当期待権は生じませんので考慮する必要はありません。

含み益や含み損も相続人に引き継がれる

含み益や含み損とは、株式取得時と現在の価額の差を指す言葉です。取得時よりも価値が上がっていれば含み益が生じ、価値が下がっていれば含み損が発生します。この含み益や含み損も相続人に引き継がれてしまいます。含み益が出ている債権を手放す場合は譲渡税がかかるので、タイミングに注意しましょう。

価値が日々変動することを意識

投資信託は株式市場の状況や運営結果によって価値が日々変動していきます。場合によっては相続を開始した日から実際に財産を分配する日までの間に価値が大きく変動していたなんてことも起こりえます。そのため、投資信託を相続した人が現金や不動産などの他の財産を相続した人よりも上回る価値の財産を受け取ることになったり、逆に本来受け取ることができるはずだった金額を下回ってしまうことも考えられます。そうなると親族内でトラブルのもとになりかねませんので、そのような事態を事前に防ぐためにも、投資信託については相続の際に先に売却し、現金化したものを相続人全員で分配したり、投資信託を相続する人が受け取る財産の合計金額をあらかじめ遺産分割協議等で話し合うなどの対策が必要です。

相続税評価額は必ず計算する

相続税の計算は専門的で非常に複雑です。投資信託の評価額を計算するうえでも面倒だと感じるかと思いますが、証券会社から受け取った残高証明書の金額をそのまま相続税の申告書に記入してはいけません。残高証明書に記載されている金額はあくまでも投資信託の額であって、評価益に対する税金や信託財産保留額などの金額は考慮されていないので、そのまま記入してしまうと本来受けられるはずだった控除を受けられず、本来支払うべき金額よりも高い税額を納めることになってしまいます。また、源泉徴収税額や信託財産留保額の控除を受ける場合は、それぞれの金額を納税者側が計算して申告書類に記載する必要があります。自分で計算をするのが難しい場合には、残高証明書などの相続税に関する資料一式をそろえて、税理士法人などの専門的な知識を持った人に相談することをオススメします。

まとめ

投資信託を相続するには、投資信託の評価額を計算する必要があります。基本的には投資信託の投資価値や市場の売買価格などを基に行いますが、その際に利益に対して払うことになる所得税や留保額の分だけ評価額を控除できます。しかし、投資をしたことが無い人にとっては難しい分野でしょう。被相続人が複数の投資信託を保有していた場合、金額が大きい場合には早めに相続税専門の税理士に相談することをオススメします。

最後に

相続税の申告手続きは、相続税のクロスティにお任せください

私たち、相続税のクロスティは、税理士法人の相続税を専門とする事業部から発足し、母体である名古屋総合税理士法人は創業以来50年以上、愛知県名古屋市にて東海エリアを中心に相続税専門の税理士として、皆さまの相続手続きをお手伝いしてまいりました。

相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
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(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)





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