山林を相続するメリット・デメリットを解説!
今回の内容はvol.205「山林を相続するメリット・デメリットを解説!」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
親が田舎に住んでいて、山林を所持していた場合、相続についてしっかりと考える必要があります。山林は活用しにくく、管理も大変ですし、所有しているだけでも固定資産税がかかってしまいます。山林の相続は宅地とは異なる手続きも必要になるので、相続が起きたら速やかに対応できるよう、山林を相続するしないに関わらず基礎知識をもっておきましょう。
山林の相続
山林を相続する場合、亡くなった方から山林の所有権を引き継ぐことになります。その引き継いだ相続人が新たな山林の所有者です。親が山林を所有している場合、基本的には子どもが山林を相続することになります。相続人が複数いる場合には、全員で遺産分割協議を行い「誰が山林を相続するか」を決定します。遺言書があれば、遺言書で指定された人が山林を相続します。
相続される財産には、「動産」や「不動産」などの種類がありますが、山林は「不動産」に当てはまります。不動産を相続したら「登記名義の変更」などの手続きが必要です。山林の場合はほかにも「届出」などの手続きも必要になります。
山林を相続するメリット・デメリット
メリットについて
山林を貸し出して活用できる
場所や大きさにもよりますが、自治体や林業を行っている業者に貸し出すことで利益を得ることができる可能性があります。また、山林内で採れるキノコや山菜などを採取する業者も借り手となります。
木材の売却(林業)
林業を営む方は、木材を売却して利益を得ることができます。自分で林業を行わなくても人を雇って収益化する方法があります。
レクリエーションの場として活用、地域貢献
山林をキャンプやハイキングなどの地域のレクリエーションの場として役立てれば、地域貢献が可能です。
太陽光発電に活用
山林は広大なので、太陽光発電用の機材を置けば効率よく売電できるケースもあります。
デメリットについて
売りにくい
山林は宅地などと比べると買い手がなかなか見つからない傾向にあります。また、広さのわりに売却価格は安いので、売却によって利益を得るのは難しいです。
収益化がしにくい
山林は商業地に比べると収益化が難しいです。林業を行ってもなかなか利益が出ないケースも多くなっています。
管理の手間や固定資産税の負担
所有している土地は管理をする必要があります。山林は放置しているとどんどん荒れていきますし、自分で管理するのは難しいです。業者に依頼すると管理コストもかかってしまいます。また、所有しているだけで毎年固定資産税の負担が発生します。
引継ぎ負担をかけてしまう
山林は、将来自分が亡くなったときに自分自身の子どもに引き継ぐことになります。子どもにとって山林が荷物になる可能性があります。子どもが亡くなったら孫にと、子孫に負担をかけ続けることになってしまいます。
山林を相続したくない場合
山林を相続したくない場合は以下のような対処法をとることを考えましょう。
寄付
自然保護のために有用な山林や、レクリエーションの場として活用しやすい山林であれば、自治体が寄付を受け入れてくれる可能性があります。寄付する場合でも、事前に法務局で不動産の名義変更は行わなければいけません。
相続放棄
相続放棄すると山林の相続を避けられます。ただし、山林以外の財産も全く受け取れなくなるので注意する必要があります。
売却
自分で山林の買い手を探すのは容易ではないので、森林組合や山林売買のマッチングサイトなどに相談するのも一つの方法です。寄付の場合と同じで、事前に法務局で不動産の名義変更を行わなくてはいけません。
相続したら行う手続き
山林を相続したら、以下の手続きを行います。
所有者届出の手続き
山林を相続したら、90日以内に市区町村へ「所有者の届出」をしなければなりません。その際に、戸籍謄本や山林の位置を示す図面などの書類が必要です。届出をしないと10万円以下の罰金が科せられる場合があります。
名義変更
法務局で山林の名義変更をしなければいけません。その際に、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本、住民票の除票、相続する人の住民票や印鑑登録証明書などの書類が必要です。
森林組合へ報告
森林組合に報告をして、売却や管理の希望を伝えておくことをオススメします。自分一人で山林を管理するのは難しいので、森林組合の力を借りましょう。
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最後に
山林を相続するメリット・デメリットを十分に理解しておくことで、今後の対処方法をしっかりと検討することができます。活用するのか売却するのか事前に考えておくことで、スムーズに相続を進めることができます。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしておりますので、ぜひお気軽にお問合せください。
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