名古屋市の税理士法人、相続税申告なら相続税のクロスティ「医療法人の持分とは?持分あり、なしの違いを解説!」ページ

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相続マメ知識

医療法人の持分とは?持分あり、なしの違いを解説!

今回の内容はvol.206「医療法人の持分とは?持分あり、なしの違いを解説!」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


医療法人の持分とは?

医療法人の持分とは、簡単に言うと「医療法人の財産権」のことです。財産権のある医療法人を「持分あり医療法人」、財産権のない医療法人を「持分なし医療法人」と言い換えることができます。平成19年4月1日に医療法が改正され、新たに設立した医療法人は出資持ち分というものをなくしました。つまり、平成19年4月1日以降に設立した医療法人は「持分なし医療法人」です。反対に、平成19年3月31日までに設立されている医療法人は「持分あり医療法人」ということになります。

持分あり医療法人と持分なし医療法人の違い

解散時の財産の行方

持分あり医療法人の場合

医療法人を解散させた場合、医療法人の財産はもともとのお金を出した人に戻ります。例えば、ドクターAが1,000万円を元手に医療法人を設立し、数十年後1億円の財産を築いたとします。この場合、もともとの医療法人のお金を用意したドクターAに医療法人に残っている財産すべて(1億円)がわたります。

持分なし医療法人の場合

医療法人を解散させた場合、医療法人の財産は国(またはほかの医療法人)のものになります。持分ありと同様にドクターAが1,000万円を元手に1億円の財産を築いたとしても、持分なし医療法人の場合は出資者に財産は戻ってきません。

持分の買取り請求

持分あり医療法人の場合

もともと出資した割合に応じて、医療法人の財産の払い戻しを請求することができます。例えば、ドクターAがドクターBと二人で500万円ずつお金を出して1,000万円で医療法人を設立したとします。数十年後2億円の財産を築くことができましたが、二人は経営方針の違いから、ドクターBは会社を辞めることになりました。この場合二人は半分ずつ出資していたので、医療法人の財産の半分(1億円)はドクターBのものです。

持分なし医療法人の場合

出資をしていたとしても、医療法人の財産の払い戻しを請求することはできません。上記の持分ありと同様な状況でも、ドクターBには1円も払う必要はありません。就業規則に従って退職金を支給します。

出資者が死亡した場合

持分あり医療法人の場合

医療法人の財産権は相続することができますが、多額の相続税が課税されます。例えば、ドクターAが100万円を出資して医療法人を設立し、数十年後5億円の財産を築くことができました。ドクターAは将来、この医療法人の財産は娘に残していきたいと考えています。この場合、娘に相続させることは可能です。ですが5億円の財産に相続税がかかってしまい、相続税の負担も大きくなってしまいます。

持分なし医療法人の場合

医療法人の財産権は相続できません。そのため、相続税が課税されることもありません。

持分ありの問題点

買い取り請求

医療法人の出資金の払い戻しを請求された場合、医療法人の財産を出資した割合に応じて返還しなければなりません。ですが、医療法人の財産を必ずしも現金で持っているとは限りません。設備投資に充てていることが多いため現金がない場合が多く、最悪の場合、設備を売却したり保険を解約して現金を用意する必要があります。

相続税

亡くなったドクターが相続税を払えるだけの現金を用意していればいいのですが、現金がない場合は買い取り請求のときと同様、何とか現金を用意しなければいけなくなります。

「持分あり」から「持分なし」への移行

「持分あり」から「持分なし」には変更することが可能です。(逆はできません)

移行手続きの流れ

必要な手続きは主に定礎変更です。新しく変更した定礎を都道府県に持っていき、認可を得られれば持分なしに移行できます。ですが、移行すると医療法人に対して贈与税が課税されてしまいます。

令和5年9月30日までの特例

持分なし医療法人に移行するにあたって、一定の条件を満たすと贈与税が非課税になるのですが、条件が厳しく移行がなかなか進んでいません。そこで政府は令和5年9月30日まで条件を大幅に緩和しています。詳しくは厚生労働省のHPをご確認ください。

最後に

医療に係る税金には2種類があります。医療法人に係る法人税と、医療法人を経営するドクターに係る相続税です。法人税に強い税理士は多くいても、相続税に強い税理士は多くありません。ですので、法人税だけではなく相続税にも特化している税理士に相談することをオススメします。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。医療法人に対しても対応実績がございますので、ぜひお気軽にお問合せください。

運営:名古屋総合税理士法人
(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)

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