デジタル遺品についての基礎知識と処理方法
今回の内容はvol.182「デジタル遺品についての基礎知識と処理方法」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
もし自分が亡くなったら、スマホやパソコンなどに残っている写真や個人情報などの連絡先はどうなってしまうのでしょうか?また、残された方たちはどのように処分すればいいのでしょうか?
デジタル遺品の種類
主なデジタル遺品は以下の通りです。
○ パソコン、スマホに保存してある住所録、メールアドレスなどの個人情報に関わるもの
○ パソコン、スマホに保存してある写真、動画
○ パソコン、スマホ上のクレジットカード情報
○ 被相続人が運営しているホームページ、ブログ、Facebook等
○ ネット上の金融資産(インターネットバンキング、株取引、FX、ネットローン等)
○ 被相続人が利用しているネット上の各種サービス
○ ネット上の各種サービスを利用するためのアカウント
○ 被相続人が使用していたパソコン、スマホ等の機器
パソコンやスマホ内のオフラインデータ及びネット上に有している権利義務全てが「デジタル遺品」です。デジタル遺品は相続財産として、遺産分割協議の対象です。しかし、ネット上の各種サービスについては相続人に引き継がれるものとそうでないものがあるので、サービスを運営している会社に確認しましょう。
デジタル遺品の注意点
デジタル遺品で注意しなくてはいけないことは、「現物がない」ことです。不動産や預貯金などは、不動産登記簿謄本や通帳を調べれば確認をとることができますが、デジタル遺品はデータで管理されているものなので、実際の手元に具体的に形があるわけではありません。なので、デジタル遺品の存在に気づかず見落としてしまう可能性があります。また、相続人がデジタル遺品内の財産を見落としてしまうと、遺産分割の対象から抜け落ちてしまい、結果相続税の申告漏れのリスクが生じてしまいます。この見落としによって追加で相続税の納税が必要になることも考えられますので、相続人に与える影響は決して小さくありません。
相続が発生する前に準備しておくこと
① デジタル遺品の存在とアクセス方法の開示
デジタル遺品を放置することは様々な問題が生じます。そこで必要なのが、生前にデジタル遺品の存在やアクセス方法を家族に伝えたり、遺言やエンディングノートに記入しておくことです。相続人がネット上のデータにアクセスできるように、IDやパスワードを記載しておくと、スムーズに手続きを行うことができます。生前にIDやパスワード、どのような財産があるのかなどを秘密にしておきたい場合はエンディングノートにまとめておくことがオススメです。法的効力はありませんが、遺族への想いなどとともに自由に記載することができます。
② 使わないネットバンキングやアカウントを整理する
必要のないネットバンキングは解約したり、一つの銀行口座にまとめておくなど、生前のうちに整理をしておきましょう。
デジタル遺品の整理手順
被相続人が亡くなった後、遺族は以下の手順でデジタル遺品を整理しましょう。
① 相続に必要な財産情報を発掘する
② 写真などの残しておきたいデータをバックアップする
③ キャッシュレス決済や企業ポイントなどの残高引継ぎをする
④ 各種サブスクリプションなどのネットサービスを解約する
⑤ SNSやネットサービスのアカウントの削除
⑥ 携帯電話の解約
⑦ スマホやパソコンなどのハードウェアの処分
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最後に
情報の電子化がどんどん進み、これからデジタル遺品は増えていくといわれています。大切なことは生前に家族に伝えておいたり、遺言書やエンディングノートにまとめておきましょう。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携しており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。デジタル遺品の対応を含め、公正証書遺言の作成サポートなど、気になることがありましたらどんなことでもお気軽にご相談ください。
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