税理士がオススメする相続生前対策、亡くなる前にやっておくこととは?
今回の内容はvol.164「税理士がオススメする相続生前対策、亡くなる前にやっておくこととは?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
最近は「終活」という言葉をよく耳にするようになりましたが、そもそも終活とは「人生の終わりを迎えるにあたっての活動」の略で、残された家族のために、生きているうちに身の回りの整理を行っておくことを言います。終活といわれるもののすべてを行う必要はないかもしれません。人それぞれですが、具体的にどのようなことを意識しておけばよいのか、下記にまとめておりますので参考にしてみてください。
終活リスト
・断捨離
今後生活に不要なものは処分する
・医療・介護の際の意思表示をする
病名・余命の告知、延命治療、臓器提供など
・資産の口座の一覧表を作る
金融資産、証券、保険、暗号資産、海外資産など
・銀行口座をまとめる
使わない講座は解約しておく
・不動産の一覧表を作る
名義など確認して問題があれば解決しておく
・葬式の希望を伝える
形式、呼んでほしい人など
・遺影の撮影をする
・遺言書を作成する※
・お墓を決める
先祖代々のお墓なのか新たに作るのか
・エンディングノートを書く※
・老後資金の確認
・交友関係の整理
・住まいの計画を立てる
リフォームや高齢者住宅の見学など
相続争いを避けるためにも遺言書の作成をオススメします
終活の代表的なものが「遺言書」の作成です。以下に当てはまる人は遺言書を作成しておくことをオススメします。
① 遺産を特定の相続人に多くあげたい
② 遺産を特定の相続人には渡したくない
③ 土地や家屋など分割しにくい不動産を多く所持している
④ 子どもがいない夫婦である
⑤ 事実婚状態で入籍をしていない
⑥ 身寄りがなく、財産は友人やボランティア団体に寄付したいと考えている
遺言書がない場合、基本的には民法で決められた相続分(法定相続割合)に従って分割しますので、分割方法について希望がある場合は遺言書を作成しておくとよいでしょう。ただし、遺言書の内容がすべて優先されるというわけではありません。法定相続人には「遺留分」というものがあり、相続人は民法に基づいた一定の割合を受け取る権利があります。
エンディングノートを書いておくこともおすすめです
エンディングノートとは、過去を振り返り、自分の考えやさまざまな情報を家族が困らないように記しておくためのものです。
エンディングノートを残す意味
エンディングノートを残すことで、残された家族は多くの法的な手続きや決め事に悩まなくて済みます。必要な情報をまとめておくことで遺族はスムーズに手続きを終えることができたり、トラブルなく遺産分割ができます。また、機能的な情報だけではなく、家族に対する思いや感謝の気持ちなど遺族にとって役に立つことや思い出になることがエンディングノートを残す重要な意味になります。
遺言書との違い
遺言書とエンディングノートの大きな違いは「法的な効力があるかないか」です。遺言書は自分の財産を誰にどのように分配するかを明記し、そこに法的な効力が生じます。遺言書には押印をすることや書き方の形式が決まっていたりなど規則が明確に定められています。一方でエンディングノートには法的な効力はなく、形式も決まっていないので、自分の思いを自由に書くことができます。自分の死や老後についての備えでもあるので、誰にでも書くべき価値があります。
エンディングノートに書くべき内容
・自分に関する情報
自分に関する個人情報を記録します。自分の趣味や好みを書いておくのもよいでしょう。思い出の品として遺ります。
・契約情報
身の回りのさまざまな契約に関する情報です。解約や名義変更のために後に必要となることが多いです。契約名、ID、パスワードなど、遺族が困らないように記しておきましょう。
・口座や財産に関する情報
金融機関や保険、不動産など財産に関する情報も整理して記録しておきましょう。
・医療について
常備薬、持病など、本人にしかわからない情報があります。救急搬送時や認知症が進行してしまった時など、家族に説明できない状況になる前に記しておきましょう。
・介護や施設、認知症への対応について
もしも介護が必要となった時などのために、家族と事前に話し合いをして記録しておきましょう。誰に介護内容の方針を任せるか、希望の介護施設、介護をお願いする可能性のある人に伝えておきたいことなど記しておくとよいでしょう。
・葬儀や納骨、参列者などについて
葬儀の形式や喪主を任せたい人など、自分の希望するプランをエンディングノートに記しておきましょう。
・ペットの情報
残されたペットに関する問題も近年では増えてきています。大切なペットのためにも必要な情報を記しておきましょう。
これらは書かなければいけないというものではありませんが、一つの例としてご紹介しています。
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最後に
相続とは全てが亡くなってからスタートするわけではなく、生前にもできることや思いを残す手段があります。自分が亡くなったときに家族にこうしてほしいとか、伝えたいメッセージがある方は早い段階から遺言書を作成したり、エンディングノートを活用することをオススメします。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携しておりますので、様々な角度からお客様のお悩みや困りごとを解決することができます。生前贈与や、遺言の作成など、相続が始まる前のご相談も心よりお待ちしております。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしておりますので、どんな小さなお悩みでもお気軽にご相談ください。
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