税理士が教える「遺族年金」の種類と支給要件
今回の内容はvol.157「税理士が教える「遺族年金」の種類と支給要件」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
遺族年金とは
遺族年金は公的年金である国民年金、厚生年金の被保険者(または被保険者だった人)が亡くなったとき、被相続人(亡くなった人)が保険料納付などの支給要件を満たしていた場合、故人の所得で生計を維持していた遺族が受けられる年金です。
遺族年金には種類があります。
① 国民年金の「遺族基礎年金」
② 厚生年金の「遺族厚生年金」
どちらの遺族年金が受け取れるかは、故人がどちらの被保険者に該当するかで決まります。
国民年金の被保険者の種類
国民年金の被保険者には第1~3号までの3タイプがあります。第2号の場合のみ厚生年金との同時加入になります。
・第1号被保険者
国民年金のみに加入。自営業者や農業に従事する人など。
・第2号被保険者
国民年金と厚生年金どちらにも加入。会社員や公務員など。
・第3号被保険者
国民年金のみに加入。第2号被保険者に扶養されている主婦など
遺族年金の支給要件
遺族基礎年金の場合
① 国民年金被保険者の死亡
② 国民年金被保険者だった60歳以上65歳未満で日本国内に住所がある人の死亡
③ 国民年金の受給資格期間が25年以上ある人の死亡
上記①~③のいずれかに該当する必要があります。
①②の場合は、死亡日の前々月までに国民年金の保険料納付期間等が加入期間の2/3以上ある、または、死亡日の前々月まで1年間の滞納がないことが更に必要です。
遺族厚生年金の場合
① 厚生年金加入中の死亡
② 厚生年金加入中に初診日のある病気やけがが原因で、初診日から5年以内に死亡
③ 障害厚生年金1級または2級の受給権者の死亡
④ 受給資格期間が原則25年以上あって厚生年金の加入期間がある人の死亡
上記①~④のいずれかに該当する必要があります。
①②の場合は遺族基礎年金と同様、死亡日の前々月までに国民年金の保険料納付期間等が加入期間の2/3以上ある、または、死亡日の前々月まで1年間の滞納がないことが更に必要です。
請求手続き
第1号と第3号の加入期間だけの人が亡くなった場合は遺族基礎年金、第2号が亡くなった場合は遺族基礎年金+遺族厚生年金の支給対象となります。遺族基礎年金や遺族厚生年金のほかにも、「寡婦年金(夫を亡くした60~64歳の寡婦を対象とした年金)」や「死亡一時金(被相続人と生計を同一にしていた家族が一度だけもらえる)」を受け取れることがあります。また、遺族厚生年金は条件によって「中高齢寡婦加算(夫を亡くした妻が40~64歳の間に加算される給付)」や「経過的寡婦加算(1956年4月1日以前に生まれた妻などに支給)」がプラスされます。遺族年金の支給要件を満たす場合は、請求手続きを行うことで支給を受けることができます。遺族年金の請求手続きは市区町村役場、年金事務所、年金相談センターで行います。
時効
国民年金や厚生年金には5年間の時効があります。年金の受給者が発生してから5年以内に請求をしないと、5年を超過した分の年金は受け取れなくなってしまいます。請求手続きはなるべく早めに行うことをオススメします。
最後に
遺族年金は、遺族の生活を支えてくれる公的年金です。速やかに請求を行うことでまとまったお金を受け取ることができます。どの保険に加入しているのかを確認し、早めに手続きを行いましょう。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携し、お客様にあったプランをわかりやすく説明させていただきます。申告さえ終わればよいというわけではありません。相続についてお困りごとがあれば全力でサポートさせていただきます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでもお守りすべく、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にご相談ください。
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