災害が起こった場合遺産分割手続きにはどのような問題が生じるの?
今回の内容はvol.140「災害が起こった場合遺産分割手続きにはどのような問題が生じるの?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
大天災によって通常の遺産分割手続きができなくなる可能性
民法などの法律上の規定は、通常の平穏な生活が送れる社会情勢下で適用されます。しかし、大震災などの大天災が起きた場合の特例のような条文は記載されていません。そうなると大天災が起きてしまっても、現在の法律では通常の場合と同様に遺産分割手続きをすることになります。しかし、例えば相続放棄は相続発生を知ってから3カ月間と短い期間が定められており、そのような期間が短いものは遺産関係の調査も十分にできない状態で判断することができなくなる可能性があります。その場合には、特別法によって通常の遺産分割手続きとは異なる対応や、運用について特例を認める対応を国側が示すことになると思われます。実際、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の時は以下の対応がなされました。
① 被相続人の生死自体が不明である場合
この時の対応としては、遺体が発見されていない行方不明者についても死亡届を提出できるようになりました。また3か月間行方不明者の生死が分からない場合に、遺族年金等受給の場面における死亡推定の規定が設けられました。
② 相続関係者の死亡時期の先後が不明である場合
死亡の先後が不明である場合には、死亡の先後によって相続関係が異なり得るため、混乱が生じかねません。
【例】両親が健在で子はいない夫婦、この夫婦が同時に津波に巻き込まれた場合
夫が先に亡くなり、次に妻が亡くなった場合
夫の財産は妻と夫方の父母が相続し、次にその妻の相続分を妻型の父母が相続することになるので、最終的には夫の財産は夫方の父母と妻方の父母が相続することになります。
妻が先に亡くなり、次に夫が亡くなった場合
夫の財産は夫方の父母のみが相続人となり、妻方の父母は相続人とはなりません。
死亡の先後が不明である場合には、同時に死亡したと推定することで解決が図られています。
③ 相続放棄すべきかの判断がつかない場合
本来、相続財産関係が分からず相続放棄すべきかの判断がつかない場合には、3カ月以内に相続放棄をするかどうか検討する期間の伸長を家庭裁判所に申し立てる必要があります。しかし、避難生活の方も多くいる中で、すべての対象者がそのような手続きを行うことは期待できません。そこで熟慮期間が延長される法律が成立し、震災の年の11月30日まで延長されました。
最後に
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