納税資金を確保するために会社を利用することはできるのか?②
今回の内容はvol.139「納税資金を確保するために会社を利用することはできるのか?②」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
自社株式譲渡によるみなし配当課税の特例の活用
法人が自社株式を相続人から買い取る場合、自社株式を売却した個人に対して通常の譲渡所得だけでなく「みなし配当」というものが生じる場合があります。このみなし配当は配当所得となり、総合課税の対象となります。つまり、自社株式をその法人に売却した場合は、ほかの株式を売却した時よりも高い税金が課せられる可能性があるということです。(※配当所得:所得が高い人にとってはたくさんの税金がかかってしまう所得)
ただし、相続により取得した自己株式を相続開始から3年10カ月以内に売却した場合には、みなし配当課税は生じないで通常の譲渡所得のみとなります。この特例は納税資金を確保するために会社を利用することはできるのか?①で解説した相続税の取得費加算の特例と併せて利用することができ、うまく併用することでより納税資金が確保しやすくなります。
支払利息を法人の経費に
会社に相続財産を買い取るだけの現預金がない場合でも、会社が銀行等の金融機関から買い取り資金を借り入れできる場合があります。会社に借入金を返済できるだけの十分なキャッシュフロー計画や担保物件があれば、借り入れできる可能性は高くなります。
相続人が手元に現金がない場合は延納による納税を選択する方法もあります。ただし、延納を選択した場合、その延納の利子税は個人・法人どちらの経費にもなりません。あえて会社の借り入れとして会社に財産を売却することにより、法人税の節税につなげることも可能となります。ただし、借り入れする場合の金利等の条件は会社によって様々です。延納と比べた場合の金利差や、その他の条件を吟味して判断する必要があります。
最後に
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