生前贈与はどのような場合に考えるべきなのか
今回の内容はvol.113「生前贈与はどのような場合に考えるべきなのか」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
相続準備における生前贈与の意義
生前贈与は、相続財産を減少させるという点で相続税対策としての意味を持つほか、相続財産の分け方を事前に決定してしまうという点で、折り合いが悪い相続人同士の相続争いなど、相続トラブルの予防としての意味を持っています。
遺言書による遺産分割指定との比較
相続財産を分け方を決めるという点では、遺言書で遺産分割方法を指定するという方法がありますが、この場合には、遺言の効力発生の時点で遺言者は亡くなっているため、遺言が本当に遺言者の真意に基づくものなのかということが問題になる可能性があります。ですが、生前贈与の場合は被相続人の真意に基づくことが明白なので、より確実に相続トラブルを予防することができます。一方で、被相続人の生活資金を確保しなければならないので、相続財産の全てを生前贈与することはできないという問題があります。
死因贈与との比較
死因贈与は遺贈と似ていますが、遺贈が受遺者の同意なくできるのに対して、死因贈与は受遺者の同意のもと行われる契約です。ですが、基本的な性格は遺贈と同様であり、生前贈与と比べたメリット・デメリットは遺言書での遺産分割と同じです。
検討しなければならない点
ライフプランニング
生前贈与により、被相続人の生活資金が無くなってしまっては意味がありません。被相続人が想定する今後の生活と、それに要する生活資金についての検討が不可欠です。
税金面
生前贈与により相続財産は減少するので、相続税の節税に繋がります。一方で贈与税の負担が生じる可能性がありますので注意が必要です。
特別受益による持戻しへの配慮
生前贈与を行った場合、これが特別受益にあたるかどうかが問題になる可能性があります。生前贈与の趣旨を明確にし、必要であれば持戻免除の意思表示を行っておく必要があります。
最後に
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