遺言で寄附をした場合の相続税はどうなるのか?
今回の内容はvol.109「遺言で寄附をした場合の相続税はどうなるのか?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
相続税が課税されるかどうかは寄附をした相手先やその相手先の財産運用方法などで変わります。
個人に遺贈した場合
①原則的取扱い
個人に遺言で寄附(遺贈)を行った財産は、相続税の課税対象です。
②公益を目的とする事業の用に使われる場合
個人が相続財産を取得した場合でも、その取得した人が公益を目的とする事業を行っている場合はその財産が非課税になる場合があります。ただし、取得者がその財産取得日から2年以内に公益事業の用に使用しない場合には、その財産に相続税が課税されます。
人格のない社団等に遺贈した場合
人格のない社団等に対して遺言で寄附を行った財産も、相続税の課税対象です。個人の場合と同様に、寄附を受けた人格のない社団等が公益を目的とする事業を行っている場合には、その財産が非課税となる場合があります。
法人に遺贈した場合
①原則的取扱い
法人に遺言で寄附を行った財産は、相続税の対象にはなりません。国や地方団体に行った場合も同じです。これは財産を受け取った法人側で法人税課税が行われるためです。現金以外の現物資産を寄附した場合は、その資産を法人に譲渡したとみなされ、被相続人の譲渡所得税の対象になります。
②法人への遺贈が相続税の対象となる場合
法人への寄附でも、以下の場合には相続税の課税対象になってしまう場合があります。
持分の定めのない法人への寄附または同法人を設立のための寄附
寄附により遺贈者等の親族やこれらの人の特別関係者たちの相続税や贈与税が不当に減少するような場合
最後に
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