名古屋市の税理士法人、相続税申告なら相続税のクロスティ「相続対策として信託を利用するにはどうしたらいいのか？」ページ

相続対策として信託を利用するにはどうしたらいいのか？

今回の内容はvol.108「相続対策として信託を利用するにはどうしたらいいのか？」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。

「遺言信託とは？法的意味での信託との違いについて」でもお話した通り、遺言と異なり、信託はあくまでも契約になるため、契約内容を被相続人がある程度自由に決めることができます。その結果、遺言による相続対策よりも柔軟に被相続人の要望に合致した対策することができる場合もあります。

受益者連続型信託

受益者連続型信託とは、持っている財産をあらかじめ決めた人に、複数世代にわたって承継することができる信託です。遺言では「自分が死んだら土地は子どもに相続させる」と決めることはできても、「相続させるはずの子どもが亡くなったら、孫に相続させる」ということを決めることはできないという考え方が有力です。ですが受益者連続型信託では、「自分が死んだら子供に財産を承継させ、その子どもが死んだら孫に財産を承継させる」ということを決めることができます。

【注意点】
財産を承継できる受益者の範囲には期間制限があります。また、民法の相続規定には従わなければいけないので、遺留分減殺請求の対象になる可能性があります。

遺言代用信託

遺言代用信託とは、遺言と同じように本人の死亡によって開始される信託です。信託銀行等に財産を信託して、生存中は本人のために管理・運用してもらい、亡くなった後は配偶者や子どもに財産を引き継ぐことができます。遺言代用信託は、亡くなった時にあらかじめ決めていた人に財産を渡せるだけではなく、生存中は自分のためにも使うこともでき、また、受取額や受け取り方法もあらかじめ決めておくことができます。

【注意点】
遺留分を侵害するような信託の設定はできません。