特別受益とは？どのような場合に特別受益は認められるのか？④
今回の内容はvol.89「特別受益とは？どのような場合に特別受益は認められるのか？④」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
参考：特別受益とは？どのような場合に特別受益は認められるのか？①
参考：特別受益とは？どのような場合に特別受益は認められるのか？②
参考：特別受益とは？どのような場合に特別受益は認められるのか？③
親との同居と特別受益
親と同居をしていた場合、生活に必要な食費や居住費用などを親から贈与されていたと考えることもできるので、「生計の資本としての贈与を受けた場合」に該当するかどうかを検討します。被相続人の自宅に住まわせてもらっている相続人（特に被相続人に扶養されている相続人）は、独立して別のところに住んでいる相続人と比べて親から援助を受けているのですから、不公平とも思われます。ですが、親が子を扶養するのは直系血族間の扶養義務として当然のことなので、通常は特別受益には該当しません。小遣いをもらっていたとしても社会通念上相当と言われる額であれば、扶養義務の一環として特別受益には該当しません。ただし、成人になって働こうと思えば働けるのに職に就かず、親に頼り切った生活をしていた等がある場合には、その生活費相当額が特別受益に該当する可能性もあります。
生命保険金と特別受益
生命保険金は相続財産ではありません。生命保険金が相続財産ではないとしても、被相続人の生命保険金を相続人の誰か1人が受け取った場合、他の相続人からすれば不公平な扱いを受けたと思ってしまいます。そのため、生命保険金を受領することが特別受益に該当するかどうか検討する必要があります。そもそも生命保険は遺贈でもなく生前贈与でもないので、通常は特別受益に該当しません。しかし、生命保険金の保険料は被相続人が生前に支払っていたものであることに鑑みると、不公平が生じる可能性も否定できません。このような視点から、保険金を受け取った相続人と受け取っていない相続人の間の不公平が到底是認できないほどのものであると評価されたときには特別受益に準じて持戻しの対象になりうると考えられています。
最後に
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