特別受益とは？どのような場合に特別受益は認められるのか？③
今回の内容はvol.88「特別受益とは？どのような場合に特別受益は認められるのか？③」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
参考：特別受益とは？どのような場合に特別受益は認められるのか？①
参考：特別受益とは？どのような場合に特別受益は認められるのか？②
留学費用と特別受益
規定上は留学費用は特別受益として挙げられていませんが、普通教育以上の学資はその本人にとって就職先やそれによる所得に影響が出ることなどから、「生活の資本としての贈与」に該当する可能性があります。例えば、相続人のうち1人だけが留学をして、他の相続人は留学をしておらず、しかもその留学をした相続人の学費等の費用が、留学しなかった相続人との学費等の費用と比べて不相応に多額であれば、留学費用が特別受益に該当する可能性はあります。
自宅の贈与と特別受益
規定上、特別受益に該当するのは「遺贈」「婚姻または養子縁組のための贈与を受けた場合」「生計の資本としての贈与を受けた場合」とされます。自宅の贈与の評価が問題となりますが、自宅を譲り受ければ生計の基礎として役立つのでその自宅の贈与は通常は「生計の資本としての贈与」に該当し、特別受益に該当します。
また、相続人から自宅を贈与されたわけではないが、被相続人所有の土地を無償で使用していいと言われ、その土地上に建物を建てる場合や、被相続人所有の建物を無償で使用していいと言われ、その建物に住み続ける場合は、相続人側では土地や建物の占有権限を与えられるとともに地代や家賃の支払いを免れるという利益を与えられたことになります。ですが、被相続人側では使用借権（地代の支払いのない土地の貸し借り）の負担がある分だけ土地や建物の評価額が減少すると考えられます。このような場合にも特別受益は認められると考えられています。
最後に
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