相続したくない場合。相続放棄の方法とは
今回の内容はvol.83「相続したくない場合。相続放棄の方法とは」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
相続放棄の申し出
相続開始を知ってから3か月以内に、家庭裁判所に対して相続しない旨を申述することで、相続を放棄することができます。相続放棄の申述をするには家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。この申し出はそれぞれの相続人が各自で行えばよく、相続人全員で申し出る必要はありません。この申述書による家庭裁判所での申し出を行わない限り相続放棄は法的に意味を有しません。なので、相続人の間で相続を放棄すると伝えるだけでは相続放棄は認められません。また、3ヵ月という期間内に相続人が相続を放棄するかどうか決められない場合には、家庭裁判所に相続放棄の期間の伸長の申立てをすることで、期間延長を認められる場合があります。
事実上の相続放棄
家庭裁判所に相続放棄の申し出を行う以外にも事実上相続放棄を行える方法があります。
遺産分割協議書による方法
複数の相続人がいて、自分は相続しなくても良いというのであれば、自分以外の相続人の間で相続財産を分割してもらい、遺産分割協議書には署名押印のみしておくということだけでも、相続放棄を事実上行うことができます。ただし、この方法では借金などの債務がある場合、借金も相続しないということについては債権者の同意が得られななければ法定相続分に従って相続してしまう扱いになり、債務の相続を免れ得ないという欠点があります。
相続分皆無証明書による方法
相続したくない相続人が、既に被相続人から十分な生前贈与を受けたとして、自分の相続分はゼロであるという証明書を作成する方法があります。ただし、この方法では実際は生前贈与を受けていないのに生前贈与があったという虚偽の事実を認めてしまうことになるので、そのことによる不利益を被る危険があります。また上述の遺産分割協議による方法と同様、債務の相続を免れ得ない可能性があるという欠点もあります。
最後に
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