相続開始時期の基準に関わる失踪宣告と認定死亡
今回の内容はvol.58「相続開始時期の基準に関わる失踪宣告と認定死亡」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
vol.1「相続を考える上で重要な基準、相続の開始時期はいつを基準に考えればよいのか?」で少し触れましたが、死亡以外の場合でも相続が発生することがあります。失踪宣告には2種類あり、それぞれで相続開始時期が異なります。では、申立てを行うにはどのようにしたらいいのでしょうか。
失踪宣告
申立方法
普通失踪の場合
音信不通となった時から7年間生死が不明
特別失踪の場合
危難が去った時から1年間生死が不明
この期間が経過して初めて申立てができます。申立てができるのは利害関係人(不在者の配偶者、相続人、財産管理人など、失踪宣告を求める法律上の利害関係を有する人)です。
調査と公示
申立て後は家庭裁判調査官が親族などに対し調査を行った後、裁判所の掲示板などに不在者に対する公告(生存している場合や生存していることを知っている人は生存の届出をするよう記載)を行います。これを「公示催告」といい、公示催告の期間内に届出などがない場合、失踪宣告の審判がなされます。
公示催告の期間は次のとおりです。
普通失踪の場合
裁判所が3ヶ月以上の期間を定めます。
特別失踪の場合
裁判所が1ヶ月以上の期間を定めます。
失踪宣告の手続き
失踪宣告の審判が確定した場合、申立人は審判確定の日から10日以内に失踪の届出を出します。これによって戸籍に失踪の記載がなされ、相続が開始します。
認定死亡
通常死亡届は、届出義務者が医師の死亡診断書か死体検案書を添付の上、死亡の事実を知った日から7日以内に市町村長に提出しますが、遺体が発見されない時はできません。そのため、災害などで死亡が確実である場合には遺体が発見されなくても、取り調べをした官公署が市町村長に報告することによって、戸籍に死亡の記載がなされる扱いが取られます。これを「認定死亡」と言います。戸籍に記載された日時に死亡したとみなされ、相続が開始します。
最後に
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