みなし贈与~その他の利益の享受(共働き夫婦が住宅等を購入した場合)~
今回の内容はvol.56「みなし贈与~その他の利益の享受(共働き夫婦が住宅等を購入した場合)~」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
「本来の贈与財産とみなし贈与財産」では「みなし贈与財産」について解説しました。今回は、みなし贈与財産として課税対象となる「その他の利益の享受(共働き夫婦が住宅等を購入した場合)~」についてお話します。
個人が金融機関からお金を借り住宅または敷地を購入した場合、その借入金の返済がお金を借りた人以外の者の負担によってされているときは、その負担部分は贈与となります。
しかし、お金を借りた人やお金の返済をする人がいわゆる共働きの夫婦であり、かつ、借入金の返済が事実上夫婦合わせた収入で共同でされていると認められるときは、その所得あん分で負担しているとして取り扱われます。
夫8:妻2の割合でお金を出し合って4,000万円の住宅を購入した場合
所有権登記の持分割合が夫10:妻0の場合
夫は8割(3,200万円)しか負担していないにもかかわらず、10割の所有権を持っていることになるので、妻の負担分2割(800万円)が妻から夫に贈与されたとみなされます。
所有権登記の持分割合が夫5:妻5の場合
妻は2割(800万円)しか負担していないですが、2,000万円相当の所有権を持つことになります。そのため、夫から妻へ1,200万円の贈与があったとみなされます。
所有権登記の持分割合が夫8:妻2の場合
住宅購入資金と同じ割合になるので、贈与税は発生しません。
共働きの夫婦が連帯債務の住宅ローンを組んで住宅を購入した場合
所有権登記の持分割合が夫10:妻0の場合
夫が所有権を10割持っているので、妻の負担分については妻から夫へ贈与されたとみなされます。
所有権登記の持分割合が夫5:妻5の場合
夫婦の収入が同額の場合は問題ありません。収入がに差がある場合は、拠出割合が違っているとみなされるため、その差分の金額が贈与されたとみなされます。
最後に
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