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事業承継税制とは?適用条件やメリット、デメリットを解説!

事業承継を考える際に、贈与税と相続税は会社にとって大きな負担となる場合があります。そのような負担を軽減するために、平成30年度の税制改正で従来からの「事業承継税制」がの要件が大幅に緩和され、非常に使い勝手が良い制度になりました。「事業承継税制」の適用を受けると、税金を負担することなく後継者へ事業を承継することが可能です。そこで今回は、事業承継税制の適用条件やメリット、デメリットを詳しく解説していきます。

目次
事業承継税制とは?
事業承継税制を利用すると贈与税・相続税がゼロになる
事業承継税制の適用条件
事業承継税制を利用するメリット
事業承継税制を利用するデメリット
まとめ

事業承継税制とは?

計画的に事業承継を行わなければ、後継者に事業を引き継ぐ際に大きな税金の負担が生じてしまう可能性があります。そして場合によっては納税資金が足りなくなり事業の継続が難しくなることもあるでしょう。「事業承継税制」は後継者へスムーズかつ計画的に、事業を引き継ぐことができるように制定されました。令和5年3月までに特例承継計画書を提出することにより、10年以内に事業承継を行う企業が支援されることとなります。

事業承継税制を利用すると贈与税・相続税がゼロになる

事業承継税制の適用を受け、一定の要件を満たすことができれば、贈与税・相続税がゼロになります。
贈与税・相続税がゼロになる仕組みはどのようなものでしょうか。
ここでは、事業承継税制を利用して、贈与税と相続税がゼロになる仕組みを詳しく解説していきます。

贈与税がゼロになる仕組み

事業承継税制を利用して贈与税をゼロにするためには、まず先代経営者から後継者が自社株式を贈与されなければなりません。通常、贈与した際、贈与した株式の価値が110万円以上の場合、贈与税が課されます。しかし、事業承継税制を利用すると贈与税が納税猶予されます。この時点ではまだ免除になっておらず、先代経営者が死亡した際に猶予されていた贈与税が免除されることとなります。

相続税がゼロになる仕組み

先代経営者が死亡すると後継者が自社株を相続することとなります。通常この時、相続した財産の総額が一定以上の場合、相続税が課されます。そのためここで事業承継税制を利用すると、その相続税が納税猶予されます。しかしまだこの時点では相続税は免除となっていません。そして後継者が死亡すると、猶予されていた相続税が免除される仕組みです。贈与税の免除と違う点は、先代経営者でなく、経営を譲り受けた後継者が死亡した際に免除されるという点です。

事業承継税制の適用条件

事業承継税制の適用を受けるためにはいくつかの条件があります。条件は大きく分けて以下の4つです。

先代経営者と後継者が満たすべき条件
企業の条件
5年間は事業を継続
5年経ってもすぐに免除にならない

先代経営者と後継者が満たすべき条件

先代経営者と後継者が満たすべき条件には次のようなものがあります。

【先代経営者】

会社の代表取締役を経験している
贈与または相続の直前に会社の筆頭株主である
贈与時において代表取締役ではない

先代経営者は、会社の代表取締役を経験していれば贈与直前まで代表取締役でいる必要はありません。実際の例として、代表取締役を退任して、取締役会長や相談役となっている場合が多いです。

【後継者】

贈与を受ける時に会社の代表取締役となっている
贈与または相続を受けることにより会社の筆頭株主となる
事業承継税制を受ける場合は、贈与前3年間継続して会社の役員である必要がある

相続において、事業承継税制を受ける場合は、その時に代表取締役になる必要はありませんが、相続が発生してから5年以内に代表取締役に就任する必要があります。ただ、相続が発生した時には必ず役員でなければなりません。そのため、事業承継税制を利用すると考えているのであれば、万が一のためにも後継者を役員として早めに登記しておいた方が良いでしょう。

企業の条件

事業承継税制の適用を受けるためには、企業にもいくつかの条件があります。まずは会社が中小企業に該当しなければなりません。中小企業の定義は業種によって様々です。詳しくは中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」(外部リンク)をご覧ください。

中小企業の要件を満たしていない場合、従業員数要件か資本金要件のいずれかを満たせば事業承継税制を利用することができます。従業員数を減らすことは容易には出来ないことが多いので、資本金を減額することを検討するのも一つでしょう。従業員数については社会保険加入者の人数で判断することとなります。また、資産管理会社は事業承継税制を利用することができませんのでご注意ください。

5年間は事業を継続

事業承継税制の適用を受ける場合、5年間は事業継続しなければなりません。5年間事業を継続することができなければ、猶予されていた税金に利息が付くこととなります。

「5年間事業を継続」とは主に以下のようなこととなります。

後継者が会社の代表であり続ける
後継者が会社の株式を保有し続ける
会社の雇用の8割を維持する

その中でも特に重要なものは雇用の8割を維持することです。この条件を満たすには、安定して事業を継続できる会社でないといけません。中小企業であれば従業員数も少ないため、雇用の8割を維持することは難しい場合があります。しかし、この条件を満たすことができなかった場合でも、「経営状況の悪化や正当な理由」があれば打ち切りとはなりません。

5年経ってもすぐに免除にならない

事業承継税制を利用した場合、5年間の事業継続が終わってもすぐに税金が免除となるわけではありません。税金が免除となるには次の代へ事業承継する必要があります。つまり、事業承継税制を利用して株式を次の代へ贈与しなければなりません。万が一、次の代へ事業承継せず、 会社を売却する場合は税金を納めなければならなくなります。5年経ってもすぐに税金が免除となるわけではないので気をつけておきましょう。

事業承継税制を利用するメリット

事業承継税制を利用する一番のメリットは、贈与税と相続税が全額免除になるということです。特に自社株式の評価額が増えれば増えるほど、将来的に発生する相続税も大きくなります。相続税の納税は現金でしなければならないため、納税資金の確保が難しくなるでしょう。納税資金の確保ができなければ、相続税を納めるために銀行から融資を受けたり、物納したりすることも検討しなければなりません。また、税金面の負担から相続トラブルにもつながる場合があるので、事業承継税制を利用するメリットはとても大きいです。

事業承継税制を利用するデメリット

贈与税と相続税が全額免除となる事業承継税制ですが、もちろんデメリットもあります。
デメリットとしては以下のようなものがあります。

打ち切り事由に注意する
届出書の提出が必要
M&Aができない
専門的な内容となるため知識が必要

打ち切り事由に注意する

事業承継税制を利用する場合、打ち切り事由に注意しなければなりません。上記で紹介した、以下の事由の他にも細かなルールが設けられています。

後継者が会社の代表であり続ける
後継者が会社の株式を保有し続ける
会社の雇用の8割を維持する

ルールを知らなければ、気づかないうちにルールを犯してしまい納税猶予が打ち切られる場合もあるので注意が必要です。専門的な内容となるので、事業承継税制を利用する場合は専門家とともに検討することをおすすめします。

届出書の提出が必要

事業承継税制を利用するためには届出書の提出が必要となります。5年間は毎年、都道府県と税務署に提出しなければなりません。届出書の作成は専門的な知識が必要で、簡単に作成できるものではありません。また、毎年提出しなければならないため届出書の提出忘れには注意しておきましょう。万が一提出し忘れた場合には、納税猶予が打ち切りとなります。

M&Aができない

事業承継税制の適用を受けた場合は会社を売却することができません。つまり、M&Aができないということとなります。M&Aをした場合、猶予されている税金を全額納税しなければなりません。事業承継税制を利用する場合、会社を売却することなく、次の代へ事業を承継しなければならないのでその点においては気を付けておきましょう。

専門的な内容となるため知識が必要

事業承継税制を利用するメリットは非常に大きいですが、細かなルールがあり専門的な知識が必要となります。特に打ち切り事由をしっかりと把握していなければ、思いもよらないところで打ち切りとなり猶予されていた税金を納税しなければなりません。自身の手で手続きを進めると、事業承継税制について誤った理解をしていたり、把握していなかったりする部分も多いです。特に打ち切りとなれば、その後の事業計画に大きな狂いが生じてしまいます。そのため、事業承継税制を利用したいと検討している方は税理士へ相談するようにしましょう。

まとめ

事業承継税制のメリットは贈与税と相続税が全額免除されることです。特に、自社株式の評価が高い場合などは、利用するメリットも大きくなります。しかし、事業承継税制を利用する場合、事業を5年間継続しなければならず、打ち切り自由にも細かなルールが定められています。そのため、しっかりと内容を把握した上で利用するかどうか検討するようにしましょう。また、相続税が免除されるのは、後継者が死亡した時です。贈与税と相続税の免除時期は異なるので、その点においては注意しておきましょう。事業承継を成功させるためのポイントとしては、「早めに対策をする」ことです。専門家に相談して、適切なアドバイスやサポートを受けることができるように努めましょう。

最後に

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相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
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