税務調査で調査されるのは被相続人名義の財産だけなのか
今回の内容はvol.129「税務調査で調査されるのは被相続人名義の財産だけなのか」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
税務調査の対象は、被相続人の財産だけに限った話ではありません。税務署は必要があれば被相続人の家族の財産も調査の対象とします。
贈与税の申告が適正に行われているか
税務調査では、贈与税は相続税の補完税であるという考えから、相続税の調査だけではなく、贈与税の調査も併せて行います。調査官は被相続人及びその家族の預金取引をあらかじめ金融機関などから入手し、過去に大きな資産の移動がないか、贈与税の申告は過去に適切に行われていたかなどを事前に把握したうえで実態を調査します。調査の結果、贈与税の申告漏れが発見された場合は、贈与税の期限後申告または修正申告が必要です。調査官が贈与税について調査を行えるのは申告期限後6年なので、過去6年間は修正申告の対象になります。
生前贈与加算の対象となる財産はないか
過去に贈与が適切に行われたものであっても、被相続人の相続開始前3年以内に被相続人から相続人に対して行われた贈与については、生前贈与加算の適用を受け、贈与財産は被相続人の相続財産に加算されます。よく財産計上漏れを指摘されるのが、相続人に対し毎年110万円以内の贈与を行っていた場合です。贈与税には年間110万円の基礎控除があり、110万円以内の贈与の場合は申告・納税の必要がありません。そのため相続財産としての計上を忘れてしまいがちです。
家族名義の財産で、相続財産の対象となるものはないか
被相続人が過去に贈与などを行い家族名義になっている財産についても、実際の管理を被相続人が行っていた預金・有価証券などについては被相続人の財産とみなされる可能性があります。この財産のことを「名義財産」といいます。名義財産の相続財産計上漏れは特に財務調査で頻繁に指摘されます。生前に贈与を行う場合は、名義財産の認定を受けないよう以下の準備をしっかり行っておく必要があります。
贈与を受けた人にその事実を認識させる
贈与の証拠を残す
贈与財産は受贈者が管理する
最後に
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