遺言に記載する相続財産の分け方に決まりはあるのか?
今回の内容はvol.104「遺言に記載する相続財産の分け方に決まりはあるのか?」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。
遺産分割でもめないよう、あらかじめ相続財産の分け方を遺言に書くとき、財産の分け方自体に何か決まりはあるのでしょうか?
相続財産の分け方自体について
遺留分による制限
相続財産の分け方については、遺留分についての配慮が必要です。遺留分とは、遺言者の財産のうち相続人に遺さなければならない割合のことで、相続人に最低限の相続権を確保する機能を有しています。なので、遺留分を侵害する場合には受遺者・受贈者は同侵害額に応じた金銭の支払いを負うこととなり、その限度で相続財産の分け方も制限されてしまいます。
遺留分の割合
遺留分は次のとおりです。誰が相続人になるかで割合が変わります。
兄弟姉妹が相続人となる場合の兄弟姉妹の遺留分
なし
直系尊属のみが相続人となる場合の直系尊属の遺留分
3分の1
それ以外の場合の遺留分
2分の1
遺留分についてはvol.8「遺産を受け取れない遺言があったら諦める?遺留分とは」も合わせてご確認ください。
相続財産の分け方の留意点
遺留分の配慮と言っても、遺言によって不利益を受ける相続人が異議を唱えないと想定される場合は、あえて遺留分を無視して相続財産を分けても構いません。また、兄弟姉妹に関しては遺留分が無いので、相続財産を分ける上で兄弟姉妹の意向は無視しても法的には問題ありません。せっかく相続財産の分け方を決めても、遺留分を侵害していたら問題になりかねないので、遺言書を作る時点で相続財産全てについての大まかな価値を把握し、他相続人の遺留分を侵害しないような相続財産の分け方を定めておくことが重要です。
最後に
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(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)