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相続税申告で必要な通帳とは?通帳の役割などについて解説

相続税の申告を行う際、重要となる通帳。「通帳を提示するのはただの参考程度だろう」と考えている人もいるかもしれませんが、そうではありません。相続税申告において通帳は、申告した財産が本当に正確で潔白なものであるかどうかを見る上で、大きな役割を担っています。今回は相続税申告における通帳の役割や、実際に必要となる通帳について、相続税を知り尽くした名古屋の税理士が解説します。

目次
相続税申告に通帳はどうして必要なの?
どんな通帳が必要となる?押さえたいポイント
税務署はどうやって資金の移動を把握するの?その手段とは
10年以上前まで遡り通帳を調査されることも・・・具体的なケースとは?
まとめ

相続税申告に通帳はどうして必要なの?

税務署で手に入る相続税申告書には、必要書類に通帳は書かれていません。しかし、実務においての必要性は高く、必要書類と捉えるべき書類です。なぜなら、通帳には入出金や資金の移動が記載されている他、取引履歴から残高も知ることができる大事な書類であり、提出した相続税申告書が正しいものであることを証明できる書類でもあるからです。税務署から不正を疑われない、正確な申告であることを明らかにするには、根拠を示すことが何より重要となります。根拠はいくら口頭で主張したところで信用してはもらえませんので、物的証拠をしっかりと明示する必要があります。その大変有効な物的証拠にあたるものが、通帳なのです。

どんな通帳が必要となる?押さえたいポイント

申告した内容が正確であるということが証明できるための書類として成立させるには、具体的にどういった通帳を用意することが必要なのでしょうか?気になるポイントを見ていきましょう。

被相続人、相続人双方の通帳が必要

必用となる通帳は被相続人だけでいいだろうと思いがちですが、「相続人に渡っているお金はない」ということを証明するためには、被相続人の通帳だけでは説明がつきません。相続人に資金が渡った履歴がないということが通帳で確認できて、初めて資金移動はなかったということが明確となります。生前贈与などでお金が渡った経歴がないかなどを確認するために、相続人の通帳も必要となります。

過去5年程前からの履歴を準備する

税務署に正確な申告であるということを示すためには、通帳の最終額面だけでなく、少なくとも過去5年程度の履歴を確認しておく必要があります。税務署は過去に遡って取引履歴を見ることによって、相続税の加算対象となる保険金の支払いがあるかどうか、被相続人が亡くなるまで、または亡くなった当日に現金が引き出された形跡はないか、家に隠しているタンス預金はないかどうかなどを確認するのです。また、被相続人が亡くなる3年以内に贈与を行っていた場合、その贈与はなかったこととみなされ相続財産に加算されますので、3年以内に贈与があったかどうかも確認されます(※1)。なお、引き出した現金が手元にあるということが分かっている場合は、必ず申告をして税務署に明らかにしておきましょう。
※1:税制改正により、令和6年以降に贈与される財産については、この期間が7年まで順次延長されるため注意が必要です。

残高証明書も添付する

通帳では出入金の履歴が確認できますが、通帳だけでは、他に口座があるのではいかと税務署から疑いを持たれる可能性があります。そこで役立つのが「残高証明書」です。「残高証明書」は銀行や証券会社、信用金庫などの金融機関で発行され、預貯金や有価証券、借入金の残高、投資信託などを証明する書類です。被相続人が亡くなった日の残高を証明する書類としての役割ももちろんありますが、「残高証明書」にはその銀行・支店における全ての口座が記載されているため、持っている口座はこれだけだということを証明することが可能となるのです。「残高証明書」を取得することで、相続人が知らなかった口座を把握することができるという面もあります。また、定期預金を持っていた場合、被相続人が亡くなった日までの利息が明記されるため、利息分を把握できるというメリットもあります。ただし、「残高証明書」を取得するためには金融機関の窓口で手続きをする必要があり、手間や時間がかかります。取得をする場合、早めに行動し手続きを行う必要があります。

名義預金には要注意

通帳で一つ注意したいのは、名義人は相続人であるものの、相続人自身が預金をしていたのではなく、実質的には被相続人が預金し管理をしていた場合です。これを「名義預金」といいます。例えば、名義人は被相続人の妻となっていますが、通帳やカード、印鑑は亡くなった夫が持っており、妻はその預金を自由に使っていなかったといったケースです。この場合、相続税の対象となる可能性があります。相続税申告での税務調査ではこの「名義預金」が調査対象となることが多く、相続税の申告漏れも指摘されやすいため、注意が必要です。「誰にも言っていないことだから、黙っていたら分からないだろう」と思うかもしれないですが、税務署は被相続人だけでなくその家族の預金情報も金融機関に開示させることが可能です。例えば相続人の収入に対して不自然に預金残高が多いといったように、不自然なお金の動きは必ず調査が及び、判明する可能性は極めて高いです。相続人名義の通帳についても動きや内容をしっかりと確認し、「名義預金」が存在すると分かった場合は必ず申告しましょう。

税務署はどうやって資金の移動を把握するの?その手段とは

税務署の調査能力や情報ネットワークは大変高度であるため、「これくらいはばれないだろう」は通用しません。申告漏れがあると罰則的な意味合いの延滞税が発生することもありますし、意図的なものであった場合には後に重加算税として多額の追徴課税を支払わなければならなくなります。したがって、通帳は最終額面だけでなく、お金の動きが分かるように提出するということが必要なのです。では、実際にどうやって税務署は資金移動を把握しているのか、主たる手段を見ていきましょう。

相続人や親族も対象になることも。取引履歴は過去に遡り徹底的に調査

不正を疑われることがないよう正確な相続税申告は必須ですが「相続税申告が終わり一安心と思っていたら、忘れた頃に税務調査が来てしまった」といったこともあります。税務署は職権で預貯金や不動産、株式や国債などの保有状況、生命保険など、相続に関わるさまざまな情報を相続人の同意なく入手できます。その情報と実際の申告内容とを照らし合わせ相違があった場合に、税務調査が行われます。なお、税務署は、全国の金融機関を調査することが可能であり、その職権は法律で規定され、金融機関は預金残高や取引履歴の開示を求められたら必ず行わなければなりません。金融機関は10年分の取引履歴を残しておくことが法律で定められているため、過去10年間分の預金の移動が確認できます。そのため、通帳や取引履歴を廃棄してもいずれは判明します。税務署は被相続人だけでなく、相続人や親族の取引履歴も調査し、不正がないかどうかを徹底的に調べます。被相続人の最終的な財産だけでなく、生前のお金の動きや内容をしっかりと把握し、正直に正しく申告することが何よりも重要なのです。

海外送金も把握。資金の移動は確実に判明する

生前に財産を海外に送金しておくことで、節税できると考える人もいるかもしれません。そのような考えがまかり通っていた時代もありましたが、過度な送金が増えてきたために法律が改正され、今は贈与税・相続税の対象となります。「海外に送金することがどうして税務署に分かるのだろう?」と思うかもしれませんが、税務署は海外の送受金を把握しており、資金を国外に移動しても確実に見つかります。100万円を超える国外送金を行った場合、金融機関は税務署に国外送金等調書を提出しなければならない決まりがあります。100万円以下であっても、税務署は銀行調査も可能であるため、通帳や銀行と交わした契約書などの書類も確認され、送金の事実はすぐに判明します。したがって、相続税申告書に国外にある財産が未記載だった場合、申告漏れが疑われることとなり、税務調査の対象となる可能性が高くなります。

確定申告書類も重要な情報源

疑わしい事柄があった場合、調査の入り口は必ずしも口座から始まるわけではありません。被相続人が生きている間どのようにして財産を形成したかということは、所得税の申告書類からも得られます。したがって、税務署で管理されている確定申告書類も入念に調査され、取引のあった金融機関はどこか、掴める手がかりは徹底的に調べられます。例えば還付金がどこの口座に振り込まれているかを見れば、所持している口座を知ることができますし、株式の申告があれば、売買をしている証券会社がどこかも分かります。このようにして税務署はさまざまな角度から金融機関の情報を調べ上げているのです。

10年以上前まで遡り通帳を調査されることも・・・具体的なケースとは?

財産を実際に形成できるのは、働くことが可能な若い年齢であることが考えられます。そのため、高齢で亡くなった場合、10年以上前まで遡って財産を形成した内容や資金の動きを調査されることがあります。いつ、どれだけの財産が形成されたのかということだけでなく、被相続人の仕事や生活の状況にまで調査が及びます。具体的にどういったケースが該当するのか、見ていきましょう。

被相続人が一代で財産を形成している

被相続人が一代で財産を築いた場合、現役時代にどういった仕事をしていて、どのような生活を送っていたか、過去に遡って調査が行われます。財産を一代で形成するとなれば、その財産に相当する収入と年数が必要となりますから、例えば被相続人の仕事が例えば医師や弁護士といった高収入が見込めるものであった場合、その収入に見合った申告であるかどうかも、調査が行われます。現役時代は一番収入が望める期間ですので、税務署はその期間を中心に年収や、取引の内容などを確認します。

相続財産に不動産がある

相続財産に不動産が含まれている場合は、購入した状況が調査されます。不動産は相続によって取得した場合は別ですが、多くの場合住宅ローンを組んで購入しています。住宅ローン返済中は貯蓄を形成することが難しいため、財産を形成できるとすれば返済後である可能性が極めて高いと考えられます。そのため、税務署では住宅ローンを完済した後の時期を中心に、調査を進めていきます。

被相続人が生前、相続によって財産を得たことがある

被相続人が生きている間に、相続によって株式や不動産などを取得していることもあるでしょう。そのため、生前に得た財産についても、税務署から調査されます。また、古くからある先代からの土地は、遠方にあることが多く申告に漏れやすいものです。申告漏れしやすいということは税務署も承知しているため、前回行われた相続税申告の内容と、今回の内容とで違いはないかどうかも含めて見られます。

まとめ

いかがでしたか?通帳は財産の動きや流れを確認できる書類として、大きな役割を担っています。通帳から得られる情報は大変多く、相続人だけでなく、税務署にとっても大切な資料となります。また、今回の解説で、税務署ではさまざまな方法により金融機関の情報を把握することも可能であるため、正確に、そして正直に申告することがいかに大切かも、分かっていただけたのではないでしょうか。相続人だけで申告を行うとなると、具体的にどれくらい遡って通帳の取引履歴を準備するのが適当か、漏れなく正確に手続きできるだろうかといった不安もつきないと思います。申告で不備や漏れがあり後に税務調査となれば、相続人自身の負担が増えるどころか、対応を誤ればさらにペナルティが課せられてしまう可能性もあります。税務調査に至るのを防ぐためにも、できれば申告手続きの段階で、早めに専門家に相談することを検討するといいでしょう。長年名古屋で相続税の実績と経験を積み、税務調査の対応にも長けた税理士が、親身に相談に応じます。

最後に

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私たち、相続税のクロスティは、税理士法人の相続税を専門とする事業部から発足し、母体である名古屋総合税理士法人は創業以来50年以上、愛知県名古屋市にて東海エリアを中心に相続税専門の税理士として、皆さまの相続手続きをお手伝いしてまいりました。

相続税は税理士にとっても特殊な分野の税目です。相続税の高度な知識だけでなく、民法や都市計画法など幅広い知識が必要な他、年月をかけ培った経験やノウハウが大変重要になる分野です。税額を安くする制度は多数ありますが、その選び方ひとつで大きくお客様の納税負担は変わります。
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