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相続マメ知識

暦年課税とはどういう制度?計算方法や申告方法を解説

今回の内容はvol.219「暦年課税とはどういう制度?計算方法や申告方法を解説」です。
相続税は難しい言葉が多く、内容も複雑です。「相続マメ知識」は、そんな複雑で難しい相続税の知識を毎日少しずつ学べるよう1つ5分程度で読める内容にまとめたものです。これから相続について知りたいと思っている初心者から税理士試験受験者、税理士事務所や会計事務所の職員まで、まずは軽い気持ちで読み進めてください。
もっと詳しく知りたいと思われましたら過去の「相続マメ知識」や、更に詳しく解説した「ブログ」も見てみてください。


暦年課税とは

暦年課税とは、1月~12月までの1年間に受けた贈与に対して課税する制度です。暦年課税はだれでも利用でき、贈与者についても受贈者についても制限はありません。また、贈与財産の種類にも制限はなく、現金や預貯金、有価証券、不動産などのあらゆる財産の贈与が暦年課税の対象となります。財産を贈与された場合だけではなく、債務の免除を受けたり、市場価格よりも著しく低い価格で物を売ってもらったりした場合も、享受した経済的利益について暦年課税の対象となります。

基礎控除

暦年課税には、年間110万円の基礎控除があります。ですので、年間110万円までは贈与を受けたとしても贈与税が課されることはありません。もし110万円を超えてしまった場合は、その超えた分に対してのみ贈与税が課されます。贈与税を納める義務があるのは受贈者なので、たとえ複数人から贈与を受けた場合でも、基礎控除額は増えることなく年間110万円と変わりませんので注意が必要です。

暦年課税による贈与税の計算方法

暦年課税による贈与税の計算方法は、以下の通りです。

① 贈与税を合計する

その年の1月~12月までに受けた贈与財産の価額を合計します。贈与財産の種類は現金だけとは限りません。

② 基礎控除を差し引く

①で算出した課税価格から、基礎控除の110万円を差し引きます。

③ 税率をかけて贈与税を計算する

贈与税の税率は、一般贈与財産と特例贈与財産で変わります。

一般贈与財産

一般贈与財産とは、特例贈与財産に該当しない財産のことを言います。税率は以下のとおりです。

例えば、基礎控除後の課税価格が500万円の場合、贈与税は以下のとおりです。
500万円 × 30% ― 65万円 = 85万円

特例贈与財産

特例贈与財産とは、直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上の直系卑属への贈与財産のことです。配偶者の直系尊属からの贈与には適用できないので注意しましょう。税率は以下のとおりです。

暦年課税の申告方法

申告が必要な場合

1月~12月の1年間に基礎控除額の110万円を超える贈与を受けた人は申告が必要です。配偶者控除や住宅取得等資金の非課税の特例の適用を受けて贈与税が非課税となる場合でも申告は必要ですので注意しましょう。

申告する時期

暦年課税の申告時期は、贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日です。例えば、2020年の6月に贈与を受けた場合は、2021年の2月1日~3月15日の間に申告します。なお、申告期限が過ぎてしまった場合でも申告をすることはできます。ただし、利用できない減税制度があったり、加算税や延滞税が課せられる可能性がありますので、必ず期限内に申告しましょう。

申告場所

申告は住所地を管轄する税務署で行います。

暦年課税の贈与に相続税が課される場合

暦年課税は原則相続税がかかりませんが、相続または遺贈により財産を取得した者に対して、亡くなる前3年間に行われた贈与は、相続税の計算に足し戻されてしまうため相続税が加算されます。すでに贈与税を支払っている場合は贈与税と相続税の2重課税になってしまうので、相続税からすでに支払った贈与税の金額を差し引いた金額を相続税として納めます。ただし、贈与税として支払った金額が、課されるべき相続税よりも大きかったとしても、差額の贈与税は還付されません。

最後に

暦年課税を活用すれば、110万円 × 年数分は非課税で贈与を受けることができます。ですが、毎年110万円ずつ贈与を受けていても実態として1つの贈与であれば控除を受けることができません。また申告にも期限がありますので、必ず期限を守って申告しましょう。贈与について気になることがある場合は、なるべく早く相続に強い税理士に相談することをオススメします。私たち、相続税のクロスティは、相続税を専門として取り扱っており、創業以来50年以上にわたって相続手続きをお手伝いしてまいりました。また、各士業(司法書士、弁護士、不動産鑑定士、行政書士など)や国税OBなど各専門家と提携をしており、様々な視点からお客様へアドバイスをすることができます。故人から受け継いだ大切な遺産を、少しでも多くお守りし、私たち相続税のクロスティは「相続でお困りの方を一人でも減らしたい」という想いから、初回のご相談は無料で対応いたしております。ぜひお気軽にお問合せください。

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(所属税理士会:名古屋税理士会 法人番号2634)

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