愛知県の相続税申告なら相続税のクロスティ「遺言を活用し相続争いを未然に防いだ事例」ページ

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2020.06.05
事例紹介

遺言を活用し相続争いを未然に防いだ事例

とある家族に相続が発生しました。
被相続人は90代のお父様です。
相続人は長女、二女、三女です。

長女は未婚で子供もおらず被相続人である父と同居、二女、三女は被相続人と同じ市内ですが、それぞれ嫁いで別々に暮らしています。
三女は過去に家族間でのトラブルを起こしており、縁は切れているような状況でした。
今回の相続では相続人になりますから、連絡を取らざるを得ませんが、このような状況ですから、遺産分割がスムーズに行われるはずはありません。
結局、お互い弁護士を通して調停により話し合うという事になりました。
相続発生から8か月たった頃、初めて弊社に相談にいらっしゃいました。
相続財産は市内に100坪程度の自宅、現金預金、県外の田舎の土地、他には二女を受取人に指定した生命保険金です。

まずご相談者様にお伝えしたのは、相続税申告期限までに遺産分割がまとまらないと思われるので、相続税は法定相続分で相続したとみなして、申告せざるを得ないということです。
だれがどの財産を相続するか確定しない状態での申告なので、自宅を同居家族などが相続する場合に相続税が抑えられる「小規模宅地の特例」の適用を受けることができず、今回の申告では一旦多額の相続税を納めなければなりません。
後に遺産分割協議がまとまり、長女が自宅やその他財産を相続することが決まれば、「更正の請求」手続きにより多く納付した税金を取り戻すことができます。
※小規模宅地の特例とは、亡くなった人が住んでいた土地、事業をしていた土地、賃貸していた土地について、一定の要件を満たせば、最大で80%評価額を下げることが出来る特例です。今回のケースですと、長女以外が自宅の土地を相続するとこの特例は適用できません。

次に、ご提案したのは、長女の遺言作成です。
長女と二女・三女は年が離れており、長女も高齢でしたので、被相続人の遺産分割がまとまる前に亡くなってしまうと、長女の相続財産についても二女、三女で遺産分割を行う必要があります。
現状を考慮すれば、長女に相続が発生すれば、財産の分割が上手くいかないことが容易に想像できます。
ご提案の結果、長女も自分の財産については二女に引き継いでほしいという想いから、「相続財産は全て二女が相続する」といった内容の遺言を作成することになりました。

ここで、遺留分について少し触れておきます。
遺留分とは遺言により相続人が相続する遺産額につき、相続人に法律で保障されている一定の割合の遺産額の事で、相続人は最低でも法定相続分の2分の1を受け取ることができることとされています。
例えば、今回の父の相続時に、仮に「すべての財産を長女に二女に均等に相続させる」という内容の遺言があったとしても、三女の法定相続分である3分の1のさらに2分の1(つまり全体の6分の1)が三女の相続財産として保障されますから、三女から請求された場合は、遺産総額の6分の1に相当する金額を三女に支払わなければいけません。

実はこの遺留分という権利は民法上、配偶者、子供、両親(およびそれらの代襲相続人)だけに保障されている権利です。
ですから、今回ケースですと長女が「財産の全てを二女に相続させる」といった内容の遺言書を作れば、長女に相続が発生しても、三女は姉妹の為、遺留分はなく、何も権利を主張することが出来ず、スムーズに二女に財産を相続させることが出来るのです。
言い換えれば、長女の遺言を作成することにより、父の遺産分割についての調停がまとまる前に、仮に長女に相続が発生しても、そこで起きるトラブルを未然に防いだことになります。
遺産分割の調停はまとまるまで10年以上かかるケースもありますので、リスクを解消する意味で、弊社ではこういったご提案をさせていただいております。

また、長女より二女の方が先に亡くなってしまい、次に長女が亡くなった場合、遺言が無効になってしまうため、長女の財産は代襲相続人である二女の子供と三女との間で、遺産分割することになります。この場合もおそらく、話し合いはうまくいかないと考えられます。
ですから遺言には「二女が先に亡くなった場合は、二女の子供に財産を相続させる。」といった内容を記載し、万一の遺言無効リスクにも備えました。
※代襲相続人とは、相続人となるはずであった人が亡くなっていた場合、本来相続人であった人に代わって相続人となった子供のことを指します。

今回のケースですが、実際には1年ほどで調停がまとまりました。
相続財産の全てを長女が相続し、二女、三女には長女から代償財産として1千万円ほど支払うことで決着したのです。
※代償分割とは、遺産分割にあたり相続人のうちの1名又は数名が相続財産を現物(実際の相続財産)で取得し、その現物を取得した人が他の相続人などに対して金銭を支払うことで遺産分割を行う方法を言います。

調停がまとまったとの連絡を受けたため、調停調書で父の自宅を長女が相続することを確認し、当初の申告では適用できなかった「小規模宅地の特例」を適用し、一度納付した相続税を還付させる手続きを行いました。

次に提案したのが、長女の遺言を新たに作り直すことです。
調停がまとまる前に作成した遺言は、あくまでも調停がまとまる前に長女が亡くなってしまった場合に、二女、三女が遺産分割でトラブルにならないことを目的とした、緊急の対策でした。調停もまとまったので、父から相続した財産も含めて、財産を改めて精査し、将来を見据えたシミュレーションを改めて行った結果、より将来の相続税が抑えられるよう、「一代飛ばし」スキームを行うこととなりました。このため、二女だけでなく一部の財産については二女の子供に対する遺贈を含めた内容の遺言を作成しました。

弊社の遺言書作成報酬には「相続診断」という相続税のシミュレーション及び生前対策が含まれています。「相続診断」は相続が発生した場合に、一体相続税がいくらかかるのか、相続税を納付することが可能なのかといった試算、この生前対策を行うと将来的に相続税をどれくらい抑えることができるかといった提案がセットになったパッケージ商品です。
   
自分自身で作成した自筆遺言や他で作成された遺言書を拝見すると、「この財産は誰に」「どうやったら相続人が争わないか」といったことは考慮されているものもあるのですが、相続税の負担や納税資金のことについて検討されているものはほとんど見受けられません。
極端な例ですが「不動産は長男に、預金は二男に」という遺言があったとします。金額にもよりますが、長男が相続税を支払えない(あるいは苦労する)ことは明らかです。
相続人が争わないようにとの想いで作った遺言が、トラブルの種になりかねませんので、弊社では特殊なケースを除いて、「相続診断」と「遺言の作成」はセットで行っています。

さて、今回のケースでも「相続診断」を行いました。
「相続診断」の結果、父から相続した長女の自宅が高額であり、二女は「小規模宅地の特例」の要件を満たさないため、相続税が多額の相続税が課せられ、相続税の納付が難しいということが判りました。 
そこでまずは長女に一時払いの終身保険を提案しました。一時払い終身保険は大雑把に言うと支払った保険料と同等の保険金が死亡時に支払われるという商品です。
万一の備えという言う意味では、それほど有用ではない保険商品ですが、相続税の計算上、相続人1人あたり500万円までは相続税が非課税という規定がありますので、二女、三女の2人分の非課税枠である1,000万円分の一時払い終身保険に加入することで、1,000万円は相続税の対象から除外することが出来ます。また生命保険金の受取人を二女に指定することで、トラブルなく二女へ財産を引き継ぐことが出来ます。
次に父から相続した県外の田舎の土地についても全く利用していなかったため、売却することとなりました。土地の売却利益に対して、譲渡所得税がかかってきますが、父の相続発生から3年10か月以内に売却することで、「取得費加算の特例」を適用し譲渡所得税を節税できます。
※取得費加算の特例とは、相続により取得した土地、建物、株式などを、相続後3年10か月以内に譲渡した場合に、売却財産を取得するために支払った相続税額を売却財産の取得費に加算することができるという制度です。今回のケースですと、土地の売却額から県外の田舎の土地の購入費に加え、その土地を相続する際に支払った相続税を控除して所得税を計算することができます。
  
生命保険の加入と利用していない土地の売却により、相続税の納付ができることが試算できたため、遺言を作成し、争いの無い相続の準備が出来ました。

また、二女は現在暮らしている自宅が別にありますので、長女から相続する予定の自宅について、利用方法に迷っていました。ただ所有するだけでは毎年の固定資産税がかかってくるので、負担になるのではないかということを心配しているのです。

そこで長女自宅について、①売却、②不動産活用の2つの案を提案しました。
売却については「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」という制度があるので、その制度を活用して売却した場合の譲渡所得税のシミュレーションを行っていました。
※被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例とは、相続又は遺贈により取得した被相続人の自宅とその敷地等を、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売却した場合に、一定の要件を充たすことで、譲渡所得税額を最大600万円減らすことができる制度です。
先に記載した「取得費加算の特例」とは選択適用となる為、併用することはできません。

不動産活用については、賃貸マンションの建設を提案しました。相続税の圧縮効果と賃貸マンションの30年収支シミュレーションを具体的に提示して、相談者様の判断にお役立ていただきました。

今回ご紹介した事例のように、相続トラブルが予測されるケースでは遺言を作成しトラブルを未然に防いでおくべきです。また既に遺言書が作成してある場合は内容に不具合がないかどうかを確認し、場合によっては再作成することもあります。
ご相談者様の意向に沿った遺言書を作成することは、最優先すべきことではありますが、それがもとでトラブルに発展することや相続税が納められないといった事態が予測される場合には、そうならないように「相続診断」を行った上で、様々なご提案をさせていただきます。
また弊社には士業ネットワーク、提携不動産業者も御座いますので、相続診断、不動産の見積もり、マンション建築シミュレーション、不動産登記など全て弊社が窓口となることが可能です。お悩み事がありましたら、是非お気軽にお問合せ下さい。

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