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2021.10.19
事例紹介

実際にあった遺言に関するトラブルとは~遺言と相続について~

私ども相続税のクロスティでは、不動産オーナーの方々に対し、相続の生前対策として公正証書遺言の作成を欠かさずご提案しています。これは、遺言書の有無が、ご一家の未来を大きく左右するからです。相続が発生した際、不動産は現預金のように、たとえば均等に分け合うことが困難です。そのため、財産の大部分が不動産という方は、財産全体の財産分けが難しいといえます。「うちは後継者が決まっているから、争いの心配はないし、遺言まで作成しておく必要はない」とお考えの方もいらっしゃいます。しかし、たとえ後継者が決まっていたとしても、いざ相続となると争いに発展してしまうケースにこれまで何度も遭遇しました。

また、遺言書は書いていたけど、法的に無効であったり、内容があまりに不平等であったりして、逆に争いを招いてしまったというケースにも大変多いです。遺言を作る際は、法的に有効であることと、遺留分に配慮するなど相続人が納得できる内容にすることが非常に重要です。

目次
遺言書を作らず相続を迎えてしまった地主様の事例
遺言書が無効だったために争いに発展してしまった事例
元夫との間に子供がいるため、生前に対策した事例
まとめ

遺言書を作らず相続を迎えてしまった地主様の事例

被相続人:Aさん
相続人 :Aさんの妻(同居)、長男(同市内在住)、二男(県外在住)
Aさんの死亡時の財産(合計3億円)の内訳

賃貸用不動産が1億8,000万円、自宅が3,000万円、預貯金9,000万円

Aさんは定年退職後、亡き父親から相続した先祖代々の土地を活用し、不動産賃貸業を営んでいました。後継者は、近所に自宅を建てて暮らしている長男に任せることに決めていました。これについては家族全員が納得していたため、遺言書は作成していませんでした。

相続税申告の依頼者であった長男は、当初、財産分けについて、
母には、自宅と今後の生活費を少し渡してあげたい。
自分は、事業用不動産の全部(1億8,000万円)と相続税を払えるだけの金融資産を相続したい。
二男からは、「後継者は自分でないので、兄より相続財産が少ないのは構わない。ある程度の金融資産を受け取れたらそれでいい。」と聞いている。
というようにお話されていました。

ところが、上記の通りに財産分けをしたシミュレーション表を作成すると、長男が納税できるだけの金融資産を相続した場合、二男が取得できる資産は、本人が考えていた額を大きく下回ってしまうことが判明しました。これにより、遺産分割協議は一気に難航しました。先祖代々の土地を守っていくため、二男に譲歩をするよう家族内で話し合いを何度も重ねましたが、最後まで二男の承諾は得られませんでした。最終的には、二男は自身が納得できるだけの金融資産を取得し、長男は不足した納税資金を捻出するため、先祖代々受け継いできた土地の一部を売却することになってしまいました。この事例でラブルとなった一番の原因は、相続財産の大半が不動産という財産分けがしにくい財産であったため、相続人間で公平感のある分割協議が出来なかった点にあります。

もし、Aさんが公正証書遺言を作成していたら、どうなっていたでしょうか。

通常、被相続人が遺産の全部について有効な遺言を作成している場合、相続人間での財産分けについて話し合う必要がなく、その遺言内容に従って財産分けが行われます。
例えば、今回の事例において、「妻に自宅と生活資金1,000万円を、二男には預金4,000万円、長男に自宅以外の不動産及び残りの金融資産を相続させる」という内容の遺言を作成していたら、財産分けについて話し合う必要が無いため、トラブルを未然に防ぐことができました。さらには長男の納税のために、生前に対策をしておくべきだったでしょう。そして、この遺言は、二男が4,000万円を取得する内容となっており、二男に認められている相続財産を最低限確保する権利である遺留分の金額を超えているので、弁護士などに相談に行ったとしても財産分けの話し合いが長引いてしまったり、調停になったりするリスクは避けることができます。

相続財産の大半が金融資産である場合には、財産分けがしやすいので、相続人の間で柔軟に話し合いができます。
しかし、Aさんのケースのように、不動産オーナーの方が遺言書を作成しないまま相続を迎えると、先祖代々の土地を守れないだけなく、残された家族の関係性を悪化させてしまう可能性が大きいのです。

遺言書が無効だったために争いに発展してしまった事例

被相続人:Bさん。Bさんのご主人はすでに他界されています。
相続人 :Bさんには長女のCさん 、長男のDさんと2人の子供がいましたが、Dさんはすでに他界されており、Dさんの子供であるEさんが代襲相続人となるので、相続人はCさんとEさんの2名です。

代襲相続人であるEさんと長女であるCさんとの間で被相続人Bさんが生前に居住していた富裕層向け高級分譲マンションをどちらが相続するか話し合いがまとまらず、争いに発展してしまいました。
争いの発端は、被相続人Bが生前に残した一枚のメモでした。そこには、次のことが記されていました。
マンションを長女Cに渡したい
マンション以外の財産は、相続人で話し合って決めてほしい

長女のCさんは、そのメモの内容は、母の意思であると信じていました。そのため、自分がマンションを相続し、残りの財産についても、自分も含めて財産分けの話し合いを行って決めたいと考えていました。一方、孫であるEさんも、立地が良い場所にあるこのマンションを相続したいと考えていました。長女Cさんは、そのメモをEさんに見せ、マンションを相続するのは自分である旨を主張しました。しかし、そのメモは、日付の記載や押印がなく、遺言書としては法律的に明らかに無効なものでした。そのため、孫のEさんは長女Cさんの主張を受け入れることが到底できなかったのです。結果として、長女Cさんと孫Eさんとの間でマンションについて遺産分割協議がまとまらず、それぞれ弁護士を立てて調停を行うことになってしまいました。

相続人に代襲相続人である孫がいる場合、他の相続人との関係が希薄であったり、相続があるまでに十年以上顔を合わせていなかったりするケースもあります。こういった場合、お互いの権利主張がぶつかって遺産分割協議がまとまらないことも多いのです。

Bさんのような争いが起こらないようにするためには

被相続人であるBさんは長男のDさんが亡くなった時点で、自分に相続が発生したときは、長女Cさんと代襲相続人である孫Eさんとの間で、財産分けの話し合いになってしまうことを避けるために、対策を行っておくべきでした。また、今回は被相続人Bさんが生前に遺言書のようなメモを書いていたことが、かえって財産分けの話し合いを困難にさせてしまいました。自分の意思を遺言書のようなメモでなく、法的に無効とならない公正証書遺言にしていれば、相続人同士で財産をだれがどの財産を相続するのかを話し合う必要が無いため、争いに発展することはないのです。

代襲相続人と他の相続人、つまり叔父、叔母と甥っ子、姪っ子という関係で、相続財産をどう分けるかを話し合うことは、お互いにとって大変な負担です。叔父、叔母が一方的に財産分けの話し合いを進めてしまい、争いに発展してしまったりすることもあります。
相続人に代襲相続人がいる場合は、法的に無効にならない遺言書を生前に作成することをオススメします。

元夫との間に子供がいるため、生前に対策した事例

弊社の遺言セミナーに参加された方が、後日改めてお母様の相続に関する相談にいらっしゃいました。相談者様のお母さまは再婚されており、最近、元夫との間に子供(以下、Fさんとします)が1人いることを知ったため、このままお母様が亡くなったら、Fさんと財産分けの話し合いをしなければいけなくなることを大変心配されていました。相談者様はFさんとは面識はありません。また、お母様の再婚相手である相談者様のお父様もすでに他界されています。

相談者様は、対策するにしても何から手を付けていいのかわからず困っていらっしゃいましたので、現状を把握するために「相続診断」をさせていただくことにしました。
「相続診断」はお持ちの財産から相続税を試算し、さらに相続に向けてどのように生前対策していくか提案させていただく、弊社のパッケージ商品です。

「相続診断」の作成にあたり、お母様の財産をヒアリングしたところ、お母様の財産は自宅と預金とのことでしたが、念のため、自宅の名義を謄本で確認すると、自宅の土地建物は相談者様のお父様の名義のままであることが判明しました。お父様の相続の際、自宅の土地建物については遺産分割協議がされておらず、名義もそのままになっていたのです。

この状況を相談者様に説明したところ
面識がないFさんと遺産分割協議を行うことは避けたい
実家は自分のものにしたい
Fさんとトラブルにならないようにしたい
といったご要望がありました。

お母様は高齢で施設に入所されていましたが、認知症でもなく会話も問題なくできる状態でしたので、「お父様の相続に係る遺産分割書の作成」と「遺言書の作成」の2つをご提案し、実行しました。

まず「お父様の遺産分割協議書」の作成ですが、生前対策を行わずお母さまの相続を迎えてしまうと、お父様名義の不動産は法定相続人であるお母様と相談者様でそれぞれ1/2ずつ取得することになってしまいます。つまりお母様の相続財産に自宅不動産の持分1/2が含まれることととなり、元夫との子供であるFさんとの遺産分割協議の対象となってしまいます。ご提案後、早急に「お父様の遺産分割協議書」の作成を実行し、自宅の不動産を相談者様の名義に変更することができました。

次に「遺言書」の作成に取り掛かりました。新型コロナウイルス感染症の影響により、お母様が入所している施設は1日30分しか面談許可がおりませんでした。相談者様は手書きで遺言を作成するつもりとのことでしたが、遺言書が無効になってしまうリスクは絶対避けなければいけないと説明し、公証人に出張してもらい公正証書遺言を作成することにしました。遺言には事前に計算したお母様の財産から、元夫との子供の遺留分を計算し、遺留分相当額の預金を相続させる内容も記載しました。

相談者様の希望通りの対策ができたため、非常に喜んでいただきました。また生前にお父様名義であった自宅不動産を相談者様の名義に変更できたことで、結果的にお母様の財産を減らし、相続税の節税になった点も喜ばれていました。

まとめ

今回は遺言に関する事例を紹介させていただきました。遺言書はあまりに不公平な内容であったり、無効な内容であったりすることでトラブルを招いてしまう可能性もありますが、それぞれの相続人への配慮があり、法的に有効な遺言書はトラブルを未然に防ぐことができます。また、遺言は何度でも書き直すことができますが、認知症になってしまうと遺言書の作成や書き直しができません。「死んだあとは残った家族が仲良く決めればいい」とおっしゃる方もいます。その奥様や子供たちは「争いたくないから、本当は遺言を書いてほしいけど、遺言の話をすると機嫌が悪くなるから、本人に言えない」と我々に本音を漏らします。先日、その方が亡くなったのですが、財産分けの話し合いが長引き、奥様は体調を崩してしまいました。財産分けの話し合いは我々が思う以上に負担がかかるのだと、改めて認識させられました。

世の中には遺言書を遺すことで、未然に防げる相続トラブルがたくさんある、と我々は考えています。相続トラブルは相続財産の金額の大小に関係なく起こるのです。
ご家族の相続にわずかでも不安がある方は、是非、遺言書の作成をご検討ください。遺言に関するご相談があれば、是非弊社の無料相談会にお越しください。

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