名古屋市の税理士法人、相続税申告なら相続税のクロスティ「コロナ禍で土地の路線価に補正率が適用されるケースについて」ページ

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2021.08.13
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コロナ禍で土地の路線価に補正率が適用されるケースについて

新型コロナウイルス感染症が様々な分野に影響を及ぼす中、相続税・贈与税の税額計算や申告・納税でも、その影響を考慮して特例的な措置がいくつか講じられています。コロナ禍で土地の価格(地価)が大幅に下落した場合に補正率が適用され、相続・贈与税上の財産評価が減額されるケースもそのひとつです。補正の対象になる土地は決して多くありませんが、補正率を適用できれば税負担を軽減でき、既に申告済の場合でも更正の請求を行えば税金の払戻しを受けられます。ぜひこの機会に土地の財産評価、適用される補正率の仕組みについて学んでみてください。

目次
相続税や贈与税の計算で使う土地の価格とは?
補正対象かどうかは相続等の時期により異なる
補正公表前に申告した場合は更正の請求が可能
まとめ

相続税や贈与税の計算で使う土地の価格とは?

コロナ禍で補正率が適用される特例的なケースについて理解する前に、そもそも相続税や贈与税の計算で使う土地の価格をどのように求めるのか、基本的な事項を理解しておく必要があります。相続税や贈与税の計算で使う土地の価格の計算方法には「路線価方式」と「倍率方式」の2種類あり、この2つの方式の用途はそれぞれ次のとおりです。

路線価方式:路線価(1㎡あたりの土地の評価額)が定められている地域で用いられる
倍率方式:路線価が定められていない地域で用いられる

その土地に路線価方式と倍率方式のいずれの方式が適用されるのかは以下の国税庁HPで確認できます。
国税庁HP|財産評価基準書 路線価図・評価倍率表(外部リンク)

路線価方式では毎年7月発表の路線価を使う

路線価方式が適用される土地の価格は、路線価と土地面積、そして必要に応じて奥行価格補正率等の補正率を掛けて求めます。たとえば次のような土地であれば、相続税や贈与税の計算で使う土地の価格は路線価200千円と土地面積180㎡を掛け合わせた36,000千円です。

路線価は、1月1日を評価時点として1年間の地価変動などを考慮し、地価公示価格等を基にした価格(時価)の80%程度を目途に評価した価格です。国税庁が毎年7月に発表します。

コロナ禍で大幅な地価下落があれば補正が行われる

路線価方式が適用される土地を相続したり贈与されたりした場合、その年の7月に発表される路線価を用いて土地の価格を計算します。相続や贈与の時期が1月でも12月でもその年7月に発表される路線価を使って計算するため、同じ年の相続・贈与であれば時期の違いによる路線価の変更は原則として行われません。しかしコロナ禍では短期間に地価が大幅に下落する場合があり、1月1日時点を基準に設定された路線価と実際の土地の価格が大幅に乖離するケースが考えられます。既に地価が大幅に下落しているにも関わらず、1月1日時点の地価を基準に決まった路線価を適用すると、相続税や贈与税が実態と乖離して高く算出されてしまうため、このような場合にそのまま路線価を適用することは適切ではありません。そのため新型コロナウイルス感染症が本格的に流行し始めた令和2年以降については、土地の価格の変動状況などを考慮した上で、地価の大幅な下落が確認された場合には相続税・贈与税の計算で補正が行われることになっています。

補正対象かどうかは相続等の時期により異なる

補正対象になり相続税・贈与税の計算で評価額が減額になる土地は国税庁から時期別に公表されています。同じ土地を相続や贈与によって取得する場合でも、取得時期が違えば補正の対象になる場合とならない場合があり、補正率が変わることがある点に注意が必要です。

令和2年1月~6月の相続等では補正なし

令和2年1月~6月に相続や贈与で取得した土地では補正は行われません。この時期は既に新型コロナウイルス感染症の影響が社会全体に広がっていた時期ですが、相続や贈与により取得した土地の大幅な地価下落が起きている状況は確認できなかったため、路線価の補正は行われないことになっています。この時期の地価下落の状況ですが、国土交通省から発表された都道府県地価調査によると、令和元年7月以降1年間の地価について全国平均では全用途平均は0.6%の下落が見られ、また令和2年1月以降の半年間の全国平均の地価変動率では住宅地で0.4%の下落、商業地で1.4%の下落が見られました。地価の下落があったことは確かですが、補正を適用するほどの大幅な地価下落とはいえないため、令和2年1月~6月の相続等で取得した土地は補正の対象外となります。

令和2年7月~12月の相続等では一部補正あり

一部地域で地価の大幅下落が確認されたため、令和2年7月~12月については補正の対象になる土地があります。この期間に相続や贈与で取得した土地のうち、補正率が適用されるのは以下の地域にある土地です。

令和3年分の路線価でも補正の可能性あり

令和3年分の路線価が令和3年7月1日に国税庁HPで公開されました。ただし年の途中で大幅に地価が下落した地域が今後確認された場合には、令和2年分と同じく、路線価等の補正が行われる可能性があります。そのため令和3年に相続や贈与で土地を取得した方は、国税庁HPで最新の情報を適宜確認するようにし、補正対象の土地の発表があった際には、ご自身の土地が対象かどうかを確認するようにしてください。また令和2年10月~12月に土地の贈与を受けて補正の対象になった場合は、個別の期限延長により、路線価の補正に係る公表の日(令和3年4月23日)から2か月以内の申告・納付を認めることとされました。仮に令和3年分の路線価で今後補正が適用されることになった場合、令和2年分と同じく、申告・納付の期限についても延長が認められる可能性があるため、期限の延長の可否についても確認するようにしましょう。

補正公表前に申告した場合は更正の請求が可能

コロナ禍で地価が大幅下落した場合に補正対象となる土地がどこの地域の土地なのか、国税庁から補正に関する公表が行われるタイミングは、路線価が公表される7月より一般的に遅い時期になります。補正の対象となる土地を相続や贈与によって取得した人の中には、国税庁から補正に関する発表が行われる前に申告を終えていて、補正率を適用しないまま高い税額で申告や納税を済ませている人もいるはずです。路線価の補正に関する公表を受けて改めて計算した結果、納付すべき税額が過大であったことが判明した場合は、更正の請求をすれば税額を減額できて納め過ぎた分の払戻しを受けられます。更正の請求の期限は、相続税の場合は法定申告期限から5年以内、贈与税の場合は法定申告期限から6年以内です。国税庁から補正に関する公表が行われ、ご自身が相続や贈与で取得した土地が補正の対象で税額が過大であることが判明した場合には、更正の請求の手続きを忘れずに行うようにしてください。

まとめ

コロナ禍で地価が大幅に下落した場合、路線価に補正率が適用されるケースがあり、対象となる土地や補正率は国税庁HPで確認できます。令和2年に相続や贈与で取得した土地は、1月~6月の取得分は補正の対象外、7月~12月の取得分は今回紹介した地域の土地が補正対象です。令和3年に相続や贈与によって取得した土地についても、今後の状況次第では補正の対象になる可能性があります。相続や贈与で土地を取得した人は国税庁HPなどを使って最新の情報を確認するようにしてください。

最後に

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