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小規模宅地等の特例とは NA通信H30.9月号

2018年09月10日

小規模宅地等の特例(特定居住用宅地)とは、どのような特例かというと「亡くなった人が自宅として使っていた敷地については、配偶者または、亡くなった人と同居していた親族が相続した場合には、本来の評価額から80%引きの金額で、相続税を計算できる」という特例です。

家なき子特例とは?

「家なき子特例」とは、特定居住用宅地に関する小規模宅地の特例のうち、「亡くなった人に、配偶者も、同居している相続人もいない場合は、3年以上、自分の持家に住んでいない親族が相続すれば、自宅が80%引きになる」という特例です。本当は同居していたいけど、仕事の都合で海外に住んでいる場合など、やむを得ない事情により同居できなくなった親族を優遇しようというのが、家なき子特例の趣旨です。要件をまとめると、次の通りです。

1. 亡くなった人に配偶者がいないこと

2. 亡くなった人に同居していた相続人がいないこと

3. 3年以上持家に住んでいない親族が、その自宅を相続すること

4. 亡くなった日から10ヶ月間は売却しないこと

※主な要件は上記の通りですが、他にも紹介しきれない細かな要件もあるので、実際に検討する際には税理士に相談することをお勧めします。

持家に住んでいないかどうかの判定は、従来は、夫婦がどちらかの名義の持家に住んでいるかどうかで判定しました。あくまで夫婦だけで判定しますので、夫婦が持家に住んでいたとしても、その子どもである孫は家なき子になりました。この点を利用して孫に相続させたり、上述の家なき子特例の趣旨を無視して、家なき子特例を無理矢理使って節税しようとする人もいました。

<例>

長女の婿:「もう自分の持家があるよ。このままだと家なき子特例が受けられない!どうしよう。」

母:「私があなたの家を買い取ってあげるわよ。そうしたら私名義の家になって、あなたたちは3年経てば家なき子になるわよ。買った後も、そのまま貸してあげるから、今のまま住み続けなさい」

長女と長女の婿:「ありがとう!これで80%引きだ!」

家なき子特例が変わります!

今回の税制改正により、2018年4月1日からは、不動産の名義を工夫したりして家なき子特例を無理矢理使うやり方が規制されました。具体的には、次に掲げる人が家なき子特例の対象者から外されます。

・相続開始前3年以内に、その人の3親等内の親族や、親族が経営している会社が国内に所有する家屋に居住したことがある人。

・相続開始時において居住用の家屋を、過去に所有していたことがある人。

つまり、これまでは、持家ありなしの判定は夫婦で行うこととされていましたが、その範囲が3親等内の親族に広げられたということです。

これにより、孫からみた子どもは3親等以内の親族にあたるので、その子どもが持っている家屋に孫が居住している場合、家なき子特例は受けられなくなるということです。

▷事業用として貸している敷地の評価減(貸付事業用宅地)の見直し

貸付事業用宅地に関する小規模宅地の特例とは、亡くなった人が所有していた賃貸物件の敷地について一定の要件を満たす場合は、その評価額から200㎡まで50%引きしてくれる制度です。この制度を利用するために、一時的に現金を都内のタワーマンション等の不動産に組換え、本特例を適用して相続税負担を軽減する事案などが問題視され、事業的規模(5棟10室以上不動産がある場合)で貸付けを行っていない場合は、相続開始前3年以内に貸し付けを開始した不動産については、特例が使えなくなりました。

▷適用時期

家なき子特例の見直しは、2018年4月1日以後の相続からが対象です。また、貸付事業用宅地等の見直しについては、2018年4月1日以後に貸付を開始する土地にかかる相続税から適用されます。

NA通信9月号_2